この記事では初心者の方が家でもできるドルフィンキックの効果的な打ち方のコツと練習方法について紹介します。ドルフィンキックの難しいところは手先から足先までを上手に連動させて「うねり」と「しなり」のある動きをすることです。特に股関節と胸椎の使い方が難しいという人が多いので、紹介する方法で動作の練習をしてみてください。
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1章では美しいドルフィンキックを打つための基礎知識・コツを紹介します。
陸でできない動きを水中でやるのは結構難しいので、なかなかドルフィンキックが上達しない人は必見です!
1.ドルフィンキックは腰ではなく股関節と胸椎で打つ
ドルフィンキックは膝下だけでなく脚の付け根=股関節、骨盤を大きく使います。
膝下も使いますが主な動作は股関節と骨盤です。膝から下は股関節からつながっているので、骨盤や股関節が動けば自然についてきます。
また、ドルフィンキックでは「うねり」があるので、よく「腰から動かす」、「腰で打つ」と言われます。
腰を大きく使う意識では腰椎(腰の部分)が過度に動いて腰痛になってしまいますし、力の伝達も上手くいかないことがあります。
ドルフィンキックのうねりは胸椎(背骨の胸の部分)と股関節、骨盤によって生まれます。
腰で打つというより、股関節と骨盤をしっかり動かす意識の方が正確かなと思います。
バタフライやドルフィンキックで腰を痛める人は、胸椎や股関節、骨盤が動かず、代わりに腰椎が過度に動いていることが多いです。
骨盤が動くと腰椎は自然と連動して動きますが、意識する必要はなく、自然に動いた範囲でOKだと思います。
これは人間が効率よく動くための構造上そうなっています。
つまり、ドルフィンキックは見かけ上、腰で打っているように見えますが、実際は股関節と骨盤、胸椎が動き、腰椎は過度には動かずある程度の安定を保っています。
ドルフィンキックでは腰(腰椎)は過度に動かさないで股関節と骨盤、胸椎をしっかり屈曲・伸展(骨盤は前傾・後傾)させてでうねりを作ることが基本になります。
股関節の伸展は、脚を後ろに振り上げる動作です。
腰は過度に反らさずに股関節が伸展できることは良いドルフィンキックに繋がります。
屈曲はダウンキックを打つときの動きですね。
初心者さんがドルフィンキックをする場合、股関節や骨盤をしっかり動かすことができず(特に伸展)、代わりに膝と腰を大きく使ってしまいがちです。
原因は3つほどあります。
・股関節周りの筋肉が固くて動かせる範囲が狭い
・骨盤の前傾・後傾、股関節を動かす感覚がつかめていない
・腰椎を安定させるお腹周りの筋肉が弱い
今回紹介するドルフィンキックを自宅でも練習できるエクササイズに加えて、ストレッチなどもしっかりやっていただけると上達が早くなります。
2.初心者向け:家でも可能なドルフィンキック上達方法 ①基本姿勢を覚える
ドルフィンキックでは安定した腰椎(腰)が重要です。
動きの中で腰椎を安定させるにはお腹周りの筋肉(腹横筋)を締めておく必要があります。
お腹周りを締めるためにはまずドローインという方法を習得します。
①膝を立てて寝転がります。
ボールやクッションがある人は膝で挟んでください。
②おへそを背骨に引っ付けるイメージでお腹を締めていきます。
膝にボールやクッションを挟んでいる人は、それをつぶしながら行います。
猛烈にウエストのサバを読む感じでおへそをへこめます。
お腹がへこむと写真のように肋骨が出てきます。
ドローインをすると腹式呼吸はできませんので、胸式呼吸をします。
感覚がつかめて慣れてきたらOKです。
30秒くらい楽にその状態がキープできれば、脚を伸ばしたり、手を頭上に伸ばしたりしてみてください。
それもできたら、床で腹ばいになってストリームラインを組み、ドローインをしてみてください。
3.初心者向け:家でも可能なドルフィンキック上達方法 ②キック動作の練習
次にドルフィンキックの動作を覚える練習を3つ紹介します。
自分の動きを確認するために鏡の前や誰かに見てもらいながらやってみてください。
股関節でキックを打つことを覚える
1つ目のエクササイズでは、膝だけではなく股関節を使ってドルフィンキックを打つ動きを覚えることができます。
①まずはまっすぐ立ち、先ほど紹介したドローインをします。
②その状態で膝だけを軽く前に出すようにして曲げ、膝上から頭の先までをまっすぐにします。
できる人は太ももとお尻の筋肉を使って股関節を伸展させます。
③そこから、お尻を後ろに突き出すようにしながら(骨盤前傾と股関節屈曲)、膝を伸ばします。
④戻ります。お尻を前に出しながら頭を始点に戻ります。
この動きを何回か繰り返して行います。
動作中は頭の高さを変えないように意識します。
膝を伸ばす動きだけになってしまうと、頭が大きく上下します。
膝と股関節が写真のように上手く連動していれば頭の位置が変わらずに膝を伸ばすことができます。
腰を安定させて股関節でキックを打つことを覚える
2つ目のエクササイズは股関節で脚を振り上げ(アップキック)で、腰を安定させたまま股関節で「うねる」ドルフィンキックの感覚をつかむことができます。このエクササイズではドルフィンキックに必要な股関節や体幹部の筋肉を鍛えることもできます。
①まずは腹ばいになって寝転がり、ドローインをします。
おでこは地面につけて、手は前に伸ばしておきます。
②腰を過度に反らせすぎずに、膝が少し浮くくらいまで脚全体を軽く持ち上げます。
コツはお尻と太ももの裏の筋肉で脚を持ち上げます。
膝は軽く曲げます。ドルフィンキックのアップキック(けり上げの姿勢)
*股関節の伸展可動域が小さい人は膝だけが曲がってしまいますが、腰を痛めない程度で頑張って下さい。
③そこからけり降ろします。(ドルフィンキックのダウンキック動作)
けり降ろしたら膝を伸ばし、足の甲で地面を押し、お尻を地面から浮かせます。
骨盤は前傾して良いのですが、腰は過度に反らないようにします。ドローインを維持して2~3秒止まります。
もとの体勢に戻って何回か繰り返します。
慣れていない人や股関節、体幹の筋肉(腹横筋や脊柱起立筋)が弱い人は次の日筋肉痛になるかもしれません。
この一連の動作ができれば、股関節の伸展、屈曲でドルフィンキックを打つ動きを覚えることができます。
一連の動作で気を付けて欲しいことは、けりあげとけり下げの幅を同じにすることです。
脚を上に挙げた高さと地面を押している深さが均一になるように行います。
胸椎と股関節でうねりを生み出す練習
最後は実際にドルフィンキックをする時に近い動作とスピードでスムーズなうねりを練習するエクササイズです。
このエクササイズはできるだけ連続で何回も動作を繰り返して、滑らかにこなすことができるように頑張って下さい。
①真っ直ぐ立ってドローインをし、みぞおちのあたりに手を当てます。
手より上は動かさずにします。
②骨盤と股関節の動きで片脚を後ろに引きます。
③前に向かってけりだしますが、膝からではなく骨盤と股関節の動きで動作を始動します。
なので、膝の動きより若干先に股関節と骨盤が動くように意識します。
④お尻は後ろへ、つま先は前に向かっていきますがこの間も腰はドローインでキープします。
⑤完全にけりきると同時に脚を戻し始めます。
イメージとしては完全に蹴り終わる寸前には戻す意識を持ちながらけります。
⑥脚を戻していきますが、股関節を伸展させたところまで戻します。
こちらも、戻る切る前にまたけり始めます。
アップキック↔ダウンキックの切り替えで流れを切らないように一連の動きを繰り返します。
左右どちらの脚でもスムーズに連続して何回もできるように練習してみてください。
この練習をする時も、前後に振る脚幅が同じになるようにします。
軸にしている脚を基準に前後に均等に振るイメージです。
最終的にはストリームラインを組んで行えると良いと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は初心者の方がドルフィンキックを習得するための練習方法を紹介しました。
陸でできない動きを水中でやるのは結構難しいので、なかなかドルフィンキックができるようにならない人は試してみてください。
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