もっとクロールを速く泳ぐためのコツを知りたい!!手のかきかたのコツを知りたい!そんな時は、速い人と自分は何が違うのかを知ることをおすすめします。この記事では研究論文で明らかになった速い人のクロールの手の動きを超簡単に紹介しながら、実際の僕たちの指導経験からのアドバイスも紹介していきます!クロール以外の全ての泳ぎでも重要になってきます!!!
今回紹介する論文はこれ
Rapid Change in the Direction of Hand Movement to Increase Hand Propulsion During Front Crawl Swimming. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36848903/
直訳:クロール中に推進力を増加させる手の動きの急速な方向転換
被験者の中でも速い選手は100mを50秒とかで泳いでたので貴重な研究!!
では参る!
クロールを速く泳ぐポイントは本当にフォームだけ??
「クロールのタイムをもっと上げたい!」
そう思った時に、多くの人が泳ぎ方のフォーム(形)を求めてこうして検索をしたり、YouTubeやSNSを見ると思います。
ですが、こんなにもフォームに関する情報は出回っているのに、依然として速くなれない人が五万といる。
これって、フォームだけではどうにもならない証明ではなかろうか。
もちろんフォームは大切だけど、フォームだけがコツじゃない!!
「泳ぎのフォーム」と言っても、とても奥が深いですよね。
綺麗=速いに直結しないのが水泳の難しいところ。
まず、どれだけ綺麗なフォームであっても、
①全力で泳いでいる時もそのフォームが再現できないといけません
そして、同じフォーム(手の軌道や形など)であってもスポーツはそこに速度が関係してきます。
つまり、
②同じ軌道であってもより速く、機敏に動かせる、方向転換できる必要があります。
クロールの手の動きも、手が水に入って、水を抑えてキャッチして、体の前をかいていくと思います。
つまり手の向きは方向転換を繰り返しながら進んでいきます。
急速な切り返し、スピードはどのスポーツでも有利に働きますよね!水泳も例外ではありません!
では、クロールが速い人と遅い人を比較した研究から、そのコツを探求してみましょう!
研究から考える、クロールを速く上手に泳ぐためのストロークのポイント
*素人の方でもわかるように、簡略化した解説になります。
研究の概要
何のための研究だったの?
クロールを泳ぐのが速いグループと遅いグループのストロークにどんな差があるのか、手の動きの方向転換に注目して実施された研究。
被験者はこんな選手
平均年齢は22歳
速いグループの選手:11人。100m自由形のベストが平均51.6秒。
遅いグループの選手:11人。100m自由形のベストが平均57.9秒。
こんなことを調べたよ!
クロールの手の動きを解析。
手が前にエントリーしてから最後に水を後ろに押し切ってフィニッシュするところまでの手の向きや角度、向きを変える方向転換の素早さ、加速度合いを計測。
研究結果
速い選手は遅い選手と比べて、ストロークで手の向きが変わる時の切り返しが素早く加速する。
結果をもっとわかりやすく解説
【クロールの手の動きをイメージしてみよう!!】
一般的には、このような軌道でストロークをしていきますよね?
(個人差はあると思いますが)
手が入る
②水をキャッチする
③足の方へ押していく
④最後のプッシュをしていく
⑤押し切ってリカバリーに移る
①〜⑤まで見てもらうと、手の向きや方向が変わっているのがわかると思います。
ずっと完全に直線の軌道ではなく、前後左右垂直にも変化がありながら曲線的に動いています。
研究で明らかになったのは、速い選手ほど、この方向転換、切り返しが素早いということ。
例えば、この写真と同じような形でゆっくりと手を動かすだけなら、練習すれば誰でもできます。
速い選手は、これをより素早く正確に、そして向きが変わる時は特に機敏に手を動かしているというのがわかったのです。
研究からわかる、クロールを速く泳ぐためのコツとは?
一言で簡単に言ってしまえば、、、
「素早く動かすこと」
でもそうよね。ゆっくりだと水も逃しちゃいやすいしね!実際、スカーリングを正確かつスピーディーにできる子はやっぱり速いし!
素早く動かすと言うと、速さだけに意識が行ってしまいがちですが、もちろん正確さが必要です。素早い中でもちゃんと水をとらえて重さを感じること。ただ速いだけだとスカスカの泳ぎになってしまいます。
スピードが上がれば上がるほど、水のキャッチが上手くなればなるほどに重さもかかってきます。
そこでも水に負けずに素早く切り返して、強く水をかいていけるように練習、トレーニングをしていく必要がありますね!
クロールをタイムアップするための手の練習方法とは?
では具体的にクロールのタイムを上げるにはどのように練習していけば良いのでしょうか。
具体的なメニューについては、インスタグラムのレッスン受講者様限定ストーリーで公開しているので、、、。
(トレーニング、レッスンを一度でも受講すると解放される隠しコンテンツ)
ここではヒントを!
おすすめはやっぱりスカーリング練習
スカーリング練習では、インスイープ、アウトスイープと言って、手を内側と外側に繰り返し動かしていきますよね。
スカーリングが上手な選手の特徴としては、内から外、外から内に手の方向を変える時の切り返しが鋭い!
これは今回紹介した研究で言っていることと共通していますよね!
さらに、スカーリング練習で水をたくさんキャッチしつつ素早く切り返せるようになってくると手には前よりも重さがかかってきます。
この重さに負けないように!!
そしてスカーリングでどれだけ速く進めるかをタイムを取って練習していくことが重要!
ゆっくりやるスカーリングも確かにフォーム習得には大切ですが、その形で速く正確にできる必要があります。
さらに、スピードを出した時の水の重さに耐えれる手を作って行かねばなりません!
クロールを速く泳ぎたい人が普段の練習で気をつけたい注意点
では、スカーリング練習以外の時に普段はどんなことに気をつけていけば良いのでしょうか。
速く泳げるようになるには、速く動く練習が必須です。
どれだけ長距離が専門の選手であっても、強く速く正確に動ける絶対値を上げていかないと限界がきます。
競泳の練習では、持久力を上げる練習が大半を占めています。
ですが、たとえ人類の限界点まで持久力をつけて全くバテない選手になったとしても、
50mのベストが30秒の選手は100mで絶対に1分を切れないし、200mで2分を切れません。
つまり、「泳ぐ速度」を高め続けていかないと水泳は速くなれません。
泳ぐ速度を高める要素として、抵抗の無い姿勢を保つことも大切ですが、そもそも大きな推進力を作れないと無意味、、、。
でも実際にそうで、「スポーツにこれだけやればOK」みたいなのはありません!
推進力を増すためには?
今回紹介した研究結果のように、手の動きの機敏さ、素早さを高めていかないといけません。
その中で手にかかってくる負荷に耐えたり、速く動かそうとすることで神経伝達が良くなっていく中でスピードが上がっていきます。
⚠️もちろん手だけでなく、全身の動きの速さ、強さ、機敏な切り返しも必須!!!
今回の話が手にフォーカスしているだけで、クロールその他の種目を速くなるには全身が素早く動けるように練習していく必要があります。
普段の練習でこれはNG
なので、スプリント練習を全然していない人は本当に要注意!!
長距離専門であっても、25mなどの短い距離を全力で泳ぐ練習は定期的に必要です。
50mや100mの選手なのに、全力ダッシュをせずに、100~200mを最大速度以下で持続して何本もずっと泳いでる練習ばかりをしていると、体はその速度に慣れてしまって試合で素早く動けません。
クロールのタイムを上げたいならこんな体になろう
こう素早い切り返しをできるようになるには、俗に言う運動神経の良さ、身体能力の高さが必要になります。
運動神経というと、「センスないし無理だ」とか思いがちですが、素早く動く練習を繰り返していくと着実に高まります。
みなさんがなりたいのは、燃費の良い軽自動車ではなく、スポーツカーのはず!
強く、速く、持続的に動ける体!
スポーツカーになるには、スカーリング練習1つとっても、素早い切り返しとスピードを意識すること。
普段の練習や陸トレでも素早い動きを意識するメニューを取り入れること。
陸で全然動けないのに、水中だけ超機敏!!みたいなのはありません。
「自分はどんなメニューをやればいいのかわからない!」という場合はパーソナルトレーニング(オンラインも可能)をぜひご受講くださいませ!
クロールを速く泳ぐための手の動きのコツをまとめると
コツは、素早さです。
細かい手の動きやフォームについては、このブログや他のYouTubeなどでもたくさん見つかると思います。
それをまずはしっかり練習したら、同じ動きを素早く正確に動かせるように練習していくこと。
簡単では無いと思いますが、スポーツは難しくて普通なのでコツコツやってみてください!
しっかり泳ぎを見てほしい!上手になりたい!今回の記事のようなことを踏まえた指導を受けたい!という方はぜひ個別指導レッスンにいらしてください!
それではまた!!!ありがとうございました!