以前とあるきっかけでクロールと背泳ぎで使うクイックターンを素早く回るコツを発見したので今回はそれについて紹介したいと思います。素早く膝を曲げる、小さく体を畳んで浅く回るといったこともクイックターンを素早くするコツですが、それだけだと一歩足りません。動きの始動に「ある意識」を持ったまま、素早く膝を曲げる、小さく体を畳んで浅く回るという一般的なことを行うとクイックターンが劇的に良くなりました。
目次
まず最初に股関節をたたむイメージ
以前まで僕はクイックターンが得意というわけではありませんでした。
遅くはないけど速くもないという感じでした。
でも速くなりたくて悶々としておりました。
そんなある日、TRXでトレーニングをしていた時に閃きの雷が落ちました。
というのも、その日はなんだかTRXのパイクという種目が無性に楽しくて、腹筋がはちきれそうになるまでやっていました。
パイクはこんな種目です。
足にTRXをひっかけて、お尻を引き上げるようにして体を股関節で真っ二つにたたむ種目です。
これで閃きました。
というわけで実践してみるビックリするくらい速く回れました。
ついついクイックターンでは頭側だけから動きの始動をしてしまいがちですが、それだと頭側の反動だけしか使えないのでお尻から下の下半身をひきつける力が弱いです。
また、下半身をひきつけ引き上げておく力が弱いので回っていく過程で体が深く沈んでしまう印象があります。
一方でパイクの意識を持ち、まずは股関節で体を2つに畳み(屈曲)、お尻を壁の方へ引き上げて下半身を持っていく意識を持つことで身体が沈まず浅い位置でのターンと股関節屈曲筋群を使った素早い体の折りたたみが可能になります。
ですのでクイックターンの動きの始動は、頭を沈ませるのと同時にお尻を頂点とした山を作る意識で股関節から体を畳みます。
ただし、山を真上に作るとお尻だけポコッとするので斜め前に山を作る感じです。
股関節から畳んだら、その後は膝を曲げて下半身を壁にぶつけていくイメージで回っていきます。
小さくなると言っても背骨はそんなに丸くならない
クイックターンでは体を小さく丸くしなさいと言われますが、背骨って思っているほど丸くならないです。
ましてクイックターンでは膝も曲げるので、頭が膝を超えていくことはありません。
つまり、体育座り(三角座り)をした状態がクイックターンで最も「小さい」状態です。
個の状態って意外と背骨丸くなっていないと思います。
体育座りをして膝を軽く開いて頭をうずめていけば背骨はまだ曲がりますが、そんなクイックターンはしないですよね。
ということは、クイックターンで小さくなろう、小さい円を描こうという意識を持っても限界があると思うのです。
小さい円の方が回転半径が小さくて回るスピードが速くなるのは間違いないですが、綺麗な真ん丸円を小さくしていくには限界があると思います。
円というより楕円的な軌道の意識
股関節をさっさとたたむこと、背骨はそこそこしか回らないことを踏まえるとクイックターンは真ん丸の円というよりは楕円の軌道で回る意識の方が良いのではないかと思います。
つまり、真ん丸の円ではなく楕円を小さくしていく意識で回転半径を小さくしていきます。
↓↓
楕円を小さくしていくためには、股関節からいかに素早く小さく体を真っ二つにたためるかです。
そのためには
①ヒップヒンジがしっかりできること
②股関節屈曲姿勢の柔軟性を高める(ハムストリングなど体の背面の筋を中心とした柔軟性)
③折りたたむための腹筋や腸腰筋などの股関節を屈曲し体を折り畳む筋力とスピードを高める
こういったことが重要だと思います。
足がぶっ飛ぶくらい素早く膝を曲げる
股関節から体を2つに折り畳むと、残りの折りたたむ体のパーツは膝下だけです。
膝を折り畳む(曲げる)のは、足がぶっ飛んでいくのではないかと思うくらい素早く行います。
物理のことは詳しくわからないので細かいことは語れませんが、素早く膝を折り畳むことで回転の勢いがつけやすくなります。
フィギュアスケートの選手がジャンプをする時に広げた手を素早く引き付けるのと同じ理屈です。
なんだかんだ言っても回る速度を速くするのは限界があるので…
ここまで素早く回るための僕なりのコツを書いてきましたが、速く回るのも限界があります。
というより、ある程度まで上手くなると1秒も2秒も短縮されません。
もちろんターンの回転スキルを磨くことも大事ですが、そこそこ上達したらターンそのものよりもターン後の方が大事になってきます。
回転速度も大事だけど素早く壁を蹴る姿勢を作る方が大事
クイックターンをした後、壁を蹴ってドルフィンキックなりバサロキックなりを打っていきます。
クイックターンの回転速度を上げることができる伸びしろには限界がある(一瞬過ぎて時間の短縮幅が小さい)ので、どちらかというとターン後に良い形で壁を蹴って水中動作に繋げることの方が重要だと思います。
壁を蹴る体勢をここで長々とは語りませんが、ターンの練習では素早く回って素早く良い体勢に持っていくことを意識してもらえたらなと思います。
今回の記事は僕自身が感覚的に取り入れてみて良かった1つの例であり、必ずしもすべての人のクイックターンを改善する者ではありません。
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