この記事では長い距離をスイスイ楽に泳ぐにはどうしたらよいのか解説していきます。水泳選手はどうして長い距離を楽に泳げるんでしょうか?自分も楽に泳ぎたいという方も多いはず。ポイントはいくつかありますが、実はちょっとした意識で今より楽になります。今回は「力の入れ方」にポイントを絞って解説します。
泳ぎに余計な力が入っているとすぐに疲れる
今でもあんまり力を入れないでゆっくりフワフワ泳いでるつもりなのにどういうっこった?
「楽に泳ぐ」とは言っても水泳も筋肉を使った運動ですから、どこかで力を入れなくてはいけません。日常生活で何気なく歩いてる時も立っている時も、必要なタイミングで必要な筋肉だけに力が入っています。逆に、不要な筋肉と不要なタイミングで力は入っていません。
歩行は長年かけて習得した無駄のない動きなので無意識に力のメリハリができていて、しんどくありません。試しに常に全身に力を入れながら歩いてみてください…けっこうしんどいですよね。泳ぎも同じです。楽に長い距離を泳げない人によくあるのが、「力を抜く瞬間が無い・常に力が入りっぱなし」ということです。この余計な力を抜き、必要なタイミングで必要な場所にだけ力が入るようになれば、省エネでバテにくく長い距離を楽に泳ぐことができます。
力の入れどころと抜きどころを知ってメリハリのある泳ぎをしよう
それでは泳ぎの中で力を入れるところ・抜くところってどこでしょうか?
力を抜くところ
まずは力を抜くところです。基本的に推進力を生まない動作は脱力しておこないます。超絶フニャフニャのスライム状態では泳ぎが成り立ちませんが、リラックスして”頑張らずに”動かします。
まず上半身の動きとしてはこの2つです。
・リカバリー動作….水の上から手を戻してくるだけなので脱力
・手のエントリー~グライド動作….前に伸びている時。リラックスして水に乗るだけ
リカバリーもグライドも推進力を生まない動作なので力を入れる必要はありません。特にグライドではキックやプルで生まれた推進力を前に伝える局面なので、余計な力を抜いて体重移動と姿勢の安定のためにバランスをとることに注力しましょう。
リカバリーとエントリー~グライドまでで力を抜いておく感覚をつかむ方法として、指の開閉をコントロールして泳ぐというのが簡単です。リカバリーをして手をエントリー、グライドまで指を軽く開いておきます。キャッチする段階になって初めて指の間を閉じてプルにつなげていきます。ずっと指と指の間が閉じていると腕全体に余計な力が入りやすいので指を開きます。キャッチからは水をとらえないといけないので指を閉じます。この時に脱力から力発揮に切り替わります。
キック動作中の力の抜きどころは「足のひきつけ」です。特に平泳ぎで言えることで、足をお尻の方へひきつける動作は力を抜いて軽く行います。地上でジャンプするときを思い浮かべてもらうとわかりやすいです。しゃがみ込む時は余計な力を入れずにスムーズに、そして飛び上がるときに一気に力を開放します。平泳ぎのキックも同じで、ひきつけるという予備の動作はリラックスして行いましょう。
力を入れるところ
力を入れるところは
・プル動作….キャッチした水をかいて、体を乗せていくところ。
・キックの「打つ」動作….ひきつけた後は力を開放
この2つです。脱力する局面のすぐあとですね。脱力→力発揮→脱力の繰り返しで泳ぎが作られています。脱力している時は休みながら進んでいる局面。力を入れている時は推進力を生んでいる局面です。
脱力していないと力を入れることはできない
脱力していないと力が入らない????ちょっと何言ってるかわかりにくいですよね(笑)
分かりやすく解説します!
今回も簡単な例としてジャンプを思い浮かべてください。できる人は実際に動いて実感してみてください。
まずは通常にジャンプします。通常ではしゃがみ込んだときに脚に余計な力は入らずにリラックスしています。そして飛び上がるときに一気に力を込めます。では、次にしゃがみ込んだ姿勢で思いっきり力を入れてみてください。そこからスムーズに飛び上がれるでしょうか….?
できないと思います。
そうです。すでに力が入った状態からさらに力を入れるのは難しいのです。これは水泳にも当てはまります。プル局面や平泳ぎのキックで水を押す局面で力を入れたいのに、その前段階のグライドやひきつけで脱力できていないと力発揮がうまくいきません。余計なエネルギーを使わないという理由以外にも次の動作へつながるという意味でも力のメリハリは楽に泳ぐために重要になります。
長い距離を泳ぐと肩がダルくなるのも余計な力が入っているせいかもしれません
泳ぐと肩や腕がダルくなる、ダルい感じがするという方も多いはず。心肺機能の前に先に肩がバテてしまうような感覚はありませんか?そういった場合にも余計な力が腕から指先に入っていることが考えられます。力の抜きどころをしっかり意識して泳いでみてください。
ダルい感覚ではなく、シンプルに痛い場合には水泳肩という症状かもしれません。医師の診察をおすすめします。水泳肩にならないためのフォーム作りの記事はこちらから。
今回は力の入れ方について解説しました。皆さんが少しでも楽に長く泳ぐヒントになればうれしく思います。
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