久しぶりに特定の種目についてブログを書こうと思います。今回は既に泳げる方向けの背泳ぎの姿勢についてです。結論から言いますと、「骨盤の後傾」と「頭部の位置」で上下から背骨を安定させます。
初心者の方はあまり考えすぎず、まずは肺に乗るイメージで、リラックスして真っ直ぐに浮かぶことから慣れていってください。
持つとわかりやすいイメージ
タオルでもゴムでも良いのですが、何もしないで置いておくと弛んだ状態です。
両端を持ち、ある程度引っ張ると、ピンと張って真っ直ぐになり、強度が出ます。
水泳における姿勢もこれと同じで、その両端の役割を骨盤と頭部が担います。
頭から足先じゃないの?
と言われそうですが、それも一理あります。
でも、あくまで脚はキックを打たないといけないので、ずっとピンと張った意識だと力んでしまいませんか?
だからと言ってだるんだるんではダメですけど、背骨ほどの安定感はいらないかと思います。
「背骨を両端から安定させるために頭部と骨盤を意識する」
というのも、背骨は頭蓋骨のすぐ下方始まり、頸椎、胸椎、腰椎と分類されて、最後は腰椎が骨盤の仙骨に付いて終わっています。
そういう解剖学的な理由もあって頭部と骨盤が両端となり、背骨を上下から安定させる力をはたらかせます。
背泳ぎの姿勢のイメージは丸くなることです。
「腰を少し丸める(正確には骨盤後傾)、顎を引いて背中を少し丸める」です。
なぜ骨盤の安定性が高まるのか
まずは骨盤から。
骨盤の使い方としては後傾を使います。
腰を丸める方向に力をかけます。
お尻を下げ、骨盤の下側を前方上(背泳ぎをしている時なら天井方向)に突き出すような動きです。
いわゆる腰骨(こしぼね)と言われる骨(腸骨)と、肋骨の距離が近くなり、お腹がギュッと寄る感じです。
ではなぜ骨盤を後傾させることで安定感が増すのか。
骨盤を構成する骨はこのような感じになっています。
後ろ側
前側
左右の腸骨で仙骨を挟みこむようにできています。
この左右の腸骨と仙骨でできる関節を仙腸関節と言います。
仙腸関節はわずかにしか動かない関節ですが、その動きによって骨盤は安定を獲得します。
骨盤が後傾方向に動くと、仙骨は前傾(ニューテーション)し、骨盤が締まる状態になります。
骨盤が締まって安定した状態を保つことで、泳ぎの中での姿勢のブレを防ぐことができます。
頭部の使い方と目線
背泳ぎでは、頑張ろうと思うとあごがどんどん上がってきます。
ですがアゴが上がってくるにつれ、それと連動して背中、腰が剃りやすくなってしまいます。
二重顎を作る感じで、顎を引きます。
目線は真上からやや後方(足側)です。
ただし、目線だけで判断してしまうと、プールが変わった時に惑わされる場合があります。
あくまでも「体の動き」として覚えられるように練習に取り組みます。
練習として
もちろんスイム練習の中で練習していくことが一番です。
でも、なかなかそれが難しい場合もあります。
まずは陸で骨盤の前傾後傾を自由にでいるように練習すること、
ストリームラインを地面で組んでみて、骨盤の後傾と頭部の使い方ができているか確認することをお勧めします。
地面と腰の隙間があるうちは、骨盤の後傾が不十分だと判断できます。
その後、感覚を掴んだ上でキック練習をしてみたり、プル練習、スイム練習をしてみてください。
別の記事でも書きましたが、背泳ぎのプルでももちろんキックを打っちゃダメですよ。
しっかりプルブイを挟みこむことで、骨盤の安定を獲得できます。
バタフライでも。