水泳の良い姿勢と立位の良い姿勢の違い【背骨について】

水泳では、真っ直ぐフラットな良い姿勢で泳ぐことが大切だと言われています。

しかし、水泳で言う良い姿勢と日常生活での立位の良い姿勢は少し違います。

どういった点で異なるのかを背骨に注目して考えていこうと思います。

それが分かれば、立位の時と泳ぐときの姿勢の意識の仕方も理解が深まると思います!

 

人間の背骨

まず、人間の背骨がどんな感じか正確にご存知ですか?

もしかすると、なんとなくS字になっていることくらいはご存知かと思いますが、どのあたりで前後にカーブしているかもご存知ですか?

ちょっと妄s…想像してみてください。

正解はこんな感じです。

参考:ヒューマンアナトミーアトラス2019に一部編集を加えました。

背骨だけピックアップするとこんな感じ

首=頚椎は前方に向かってカーブしています。

胸の辺り=胸椎は後方に向かってカーブ(後弯)しています。前には肋骨があるのでちょうどバランスが良いですね。

逆に、腰の辺り=腰椎は前方に向かってカーブ(前弯)しています。

これらの緩やかなカーブを生理的弯曲と言います。

 

腰椎の下についている大きくて変な形の骨は仙骨で、骨盤の後面になります。

一番先のちょんっとついているのは尾骨で、昔はここに尻尾が付いていたとかいないとか。

尾骨は特に役割もなく、長い人は硬い椅子に座ると痛い。

僕は小学校の固い椅子が苦行でしかなかった。

立位の人間の良い姿勢

参考:ヒューマンアナトミーアトラス2019に一部編集を加えました。

これが、人間が普通に立っている時の良い姿勢=良い背骨の配列です。

つまり、良い姿勢であっても、背骨はまっすぐではなく緩やかなカーブを描いています。

「真っ直ぐ立ちなさい」と言われても、正確にはまっすぐではありません。

 

直立二足歩行の人間は、重力の影響から来る縦方向のストレスを緩和するためにS字のカーブを描いた背骨をしています。

一番上にある、頭部は約5kg(ボーリングの玉くらい)あります。

参考:ヒューマンアナトミーアトラス2019に一部編集を加えました。

背骨はそれを常に支えないといけません。

立っているだけならまだしも、走ったり歩いたり、人間は何かと動きたがりなので、しっかり衝撃を緩和する機構を備えておかないといけなかったのです。

そのために進化して体得したのが今のS字カーブです。

猫背や反り腰などカーブのバランスが崩れた人や、カーブが平坦になった人では、衝撃を上手く緩和することができないため腰痛などの痛みが出るようです。

寝転がっても背骨は自然なカーブを保てるのがベスト

縦方向に受ける重力からのストレスに抗ってS字のカーブを描いたわけですが、重力の影響が少ない姿勢だとどうなるかご存知ですか?

重力の影響が少ない姿勢とは背骨が頭部を支える必要が少ない姿勢=寝転がった姿勢です。

寝っ転がると、頭部の重みが背骨にかかることはなく、S字を描いて衝撃を緩和する必要も少なくなります。

参考:ヒューマンアナトミーアトラス2019に一部編集を加えました。

それでも、立位時同様に自然なカーブを描けていることが理想とされます。

姿勢に大きな変化が出るというりも、頭を支えなくて良いので単純に楽なんです。

泳ぐときの背骨は?

仰向けやうつ伏せで寝転がる場合は、地面によって身体が支えられるので体に力を入れたり意識したりすることが無くとも、自然なS字を描けます(正常な人は)。

ですが、水の中ではどうでしょうか。

伏し浮きや背浮きをしたときは、陸で寝ている時同様に体は横向きですが、地面という強固な支えがありません。

水もある程度は体を支えてくれますが、なんせ貫通するので下に沈んでいこうとします。

参考:ヒューマンアナトミーアトラス2019に一部編集を加えました。

特に、腰椎は最初から前弯(前のカーブ)しているので、何も意識しないと骨盤は前傾しやすく、腰が沈んでいきます。

骨盤が前傾ではなく後傾やフラットの場合でも、何もしないと脚から沈んでいきます。

胸椎~頚椎は頭は重いですが、近くに肺という空気をためた浮袋があるので、沈みにくいです。

脚が沈みやすいのも、浮袋から遠いからです。

 

では水泳で言われる、フラットな姿勢とか、良い姿勢、浮かびやすい姿勢はどうすれば作れるのか。

 

腰椎の過度な前弯、骨盤の前傾を抑え、イメージとしてはS字を少し平坦に近づける。

その中で高い位置に脚を持ってきてキックが打てること。

浮袋である肺を沈める意識で体を乗せること。

以上の動きを、体をしっかり引き伸ばした状態で行えること。

 

これらが必要になります。

次章で詳しく説明します。

沈めるところ、浮かすところ

まず、骨盤の意識です。

普段から極端に腰が丸いとか反ってるとか明らかに異常な場合は別として、正常な姿勢の人はストリームラインを組んで体をめいっぱい伸ばそうとすると腰が反り、骨盤が前傾しやすくなります。

体をしっかり伸ばす意識は重要ですが、骨盤が前傾したり腰椎が生理的弯曲以上に反ってしまうと、腰から沈みます。

泳いでいる時、お尻はある程度高い位置にいたいというのもあるので、この骨盤前傾を抑えてあげたいです。

そのためには、お尻の穴を軽く締めて恥骨をツンっと前に突き出し、おへそを上に引きこみ骨盤をフラットに保ってあげます。

普段から前傾気味の人は、後傾させるくらいの意識でもやっとフラットになる場合があります。

 

骨盤がフラットになると、骨盤が前傾していた時よりも水の高い位置に足を保ったりキックを打つのが難しく感じるかもしれません。

それは、今まで骨盤を前傾させることで股関節の伸展を代償していたからです。

参考:ヒューマンアナトミーアトラス2019に一部編集を加えました。

骨盤を前傾させて脚を後ろに上げるというのは股関節が見かけ上伸展しているだけで、実際にはあまり伸展していない代償動作です。

本来であれば骨盤をフラットに保っていても、お尻の筋肉がしっかり働くことで、股関節の伸展が作れます。

大腿四頭筋や腸腰筋が硬いとか、お尻の筋肉が使えていない人は伸展が難しいです。

 

胸椎は通常は後弯しています。

ですが、胸椎の前には人間唯一の浮袋である肺があります。

肺を沈めようとすることで、浮力を利用して効率よく浮くことができます。

そのためには通常は軽く屈曲している胸椎を伸展させます。

胸椎の伸展は、おへそを上に引き込んだまま、肋骨を広げて胸を突き上げるような動きです。

頭の位置は変えずに行います。

そうすることで、肺を沈める動きに繋がります。

 

結果的に水泳では、前弯・後弯といった背骨のカーブを小さくし、体を引き伸ばしながら平坦に近づけていくことになります。

そのために、骨盤と腰椎は後傾・屈曲の方への意識、胸椎は伸展の意識を持つことになります。

末端についている脚は沈まないよう、お尻のスイッチを入れて股関節を伸展することも忘れずに。

背骨はしっかり動いて損はない

いろいろと背骨について言ってきましたが、普段から姿勢が悪かったり筋肉が硬かったりして背骨をしっかり動かせないと良い姿勢を取ることも難しくなります。

背骨と骨盤を自由に動かす運動は効果的です。

今回は1種類だけ紹介しておきます。

Dog&Catと言う種目です。

*無理はせず、痛みの出ない範囲で動いて下さい。

 

四つ這いで骨盤はフラット、背骨は自然なカーブの状態からスタートします。

胸椎屈曲+骨盤後傾と胸椎伸展+骨盤前傾を交互に繰り返します。

背骨の1つ1つが近づいたり離れたりする意識を持って下さい。

 

可能な人は胸椎と骨盤の組み合わせを変えます。

骨盤前傾をできるだけ保ったまま胸椎を伸展させたり屈曲させたりします。

 

反対に、胸椎の屈曲or伸展をできるだけ保ったまま骨盤を可能な範囲で前後傾させます。

 

背骨は連動しているので下2種目は可動域自体は小さいと思いますが、チャレンジしてみてください。

 

参考資料に使ったヒューマンアナトミーアトラス2019エディションはこちらから

https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas

 

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