【研究から分かる】朝食抜きの健康・ダイエットへのメリット・子どもへの影響

「健康的な生活を送るには朝食が大事!」という言葉はよく聞きますが、本当でしょうか。朝食を取らないこともデメリットばかりではなく、むしろメリットがあるということをご存知ですか?私たち現代日本人は幼いころから「朝食を取らないとダメだ」「3食きっちり取らないとダメ」と無条件に植え付けられてきましたが、本当にそうでしょうか。

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皆さんも「本当はどうなんだろう?」「なんで大事と言うのだろうか?」「朝食抜きは本当にダメ?」「時間は必ず朝昼晩?」と一旦立ち止まって考えたことがありますか?

多くの人は「大事だとずっと言われてきたからきっと大事なんだろう!」で終わっていると思います。

でも、早寝早起き朝ごはん!っていうやん! 

Yusan
「早寝早起き朝ごはん!」この呪文を小1~中3、高校まで聴いているとそりゃそういうもんだとなりますよ。 

でも、それに対する明確な理由付け、データの提示はありませんよね。

無いどころか朝型夜型のクロノタイプを考慮していないし、朝食のエビデンスも希薄です。

子どもの頃は成長期なので十分な食事が必要なことは分かりますが、大人になってからもそうでしょうか?

 

朝食の有無はどっちが良いかは、人によるので正直どっちでもいいです。

本質として大切なことは「朝食が大事かどうかを言われた通りにするのではなく、自分で調べて試して最適な食生活を見つけること」だと思います。

Yusan
今回は研究で明らかになっていることを紹介しながら朝食抜きのメリットをメインに発信していこうと思います。朝食を取るメリットとされていることは皆さんある程度ご存知だと思うので! 

 

*この記事は朝食の有無を勧める、強制するものではありません。

朝食が大事と断言する前に

日本人で朝食を食べない人の割合は2018年の厚生労働省の調査によると成人男性で15%、女性で10.2%だそうです。

Yusan
10%の同士よ!!(食べてない)

最近は寒いので生姜湯だけ飲んでます。

 

では、その15%の男性、10%の女性の全員が不健康でしょうか?

仕事や学業で失敗ばかりでしょうか?

何をやっても成功できていない人でしょうか?

逆に、朝食を摂っている残りの80~90%の人は必ずしも健康でしょうか?

 

きっとそんなことはありませんよね。

身近な人で考えても分かると思います。

ずーっと朝食を食べてないのにすこぶる健康な人、頭の回転が速い人、仕事ができる人もたくさんいます。

 

健康のために朝食を取らないという人も世界中にいます。

病気を治すために朝食を取らないという人もいます。

ちなみに、現代は餓死より食べ過ぎが原因(生活習慣病等)で死んでいる人の方が多いのが事実です。

 

ダイエットには「朝食が大事派」と「朝食抜いちゃえ派」がいます。

成功例も失敗例もどちらの派閥にもあります。

 

このように、いろんな食生活スタイルの人がいます。

いろんな食生活スタイルの人がいる中で、健康であったり不健康であったり、結果が出たり出なかったり。

もっと言うなら、人間の体は複雑で、朝食の有無だけで健康やパフォーマンスを語れるものではありません。

結局は自分で調べて試して判断することが大切です。

Yusan
ちょっと調べる気になってきた?

言われてみれば! 

朝食抜きvs夕食抜きvs普通に3食での代謝機能への影響

朝食抜き、夕食抜き、普通に3食の食事を取った場合の体の反応を調べた研究があります(1)。

被験者は健康な男女17名(20~30歳)です。

カロリーと食事・睡眠の時間も揃えた状態で、3種類の食事スタイルを1日ずつ実施しました(影響出ないよう間は空ける)。

すると、一日の身体活動量は変わらず、朝か夜に食事を抜いた日の方がエネルギー消費量が増加しました。

さらに朝食を抜いた日の方が脂質をエネルギーに利用しやすいことを含む、代謝機能の改善も示唆されました。

エネルギー消費が増えるってことは太りにくくなるってこと? 

Yusan
この研究だけでは言えないけど、その可能性があるね。

この研究は1日限りの短期的な反応です。次章から長期的な反応も見ていきます。

朝食抜きで太る?ダイエットへの影響は?

朝食を抜くと太る!!

朝ごはんは逆にしっかり食べた方が太らない!!

と言われますが実際どうなんでしょうか。

Yusan
朝食だけVIP待遇しすぎやろ(笑)

そんなこと言ってどうせ昼も夜もちゃっかり食べるんやろ?笑

実際のところ、朝食の有無と体重コントロールの根拠はまだ不十分なのが現状です。

Yusan
つまり、「朝食を抜くと太る」とは言い切れないってことやで。

まじか 

一応相関関係は認められていますが、介入研究(条件をちゃんと整えたやつ)は少ないんですよね。

多くの研究結果が、本当に朝食の有無だけが影響したかわからないんです。

そんなわけで、介入研究を集めたレビュー論文(2)を見てみると、、、、。

 

朝食有でも無しでも体重の増減に関しては違いが無かった。

ただし、研究の数がまだ少なく、研究の限界もあるため、結論はできない。

カロリーはコントロールしているが、食事メニューにはこだわっていないので何とも言えない。

→朝食の有無で体重の増減にどちらが有利かはまだ言い切れない。

Yusan
別の文献でもカロリーをそろえた場合には、朝食を抜いたほうが体重の減少幅が大きいとか、抜いても抜かなくても体重は減らすことができると言われています(3)。 

ちなみに高タンパク質な朝食であれば脂肪の増加を抑えることができるそうです(はっきりしていませんが)。

でも、体重にもよるでしょうが「朝から35gのタンパク質を取る(2)」というのは多くの人にはできない気がします。

鶏肉換算で150gくらいでしょうか。

卵だと5~6個。

プロテイン飲めって?

いやいや、、、。

朝を抜くと空腹で昼と夜に食べ過ぎる?

でも朝食を抜くと、空腹でその分お昼と夜に食べ過ぎて太るんじゃないの? 

Yusan
それがそういうわけでも無いみたいやで!

朝食を取ると空腹感を満たせることには間違いないようです。

しかし、朝食を取ろうが取らまいが結局お昼ご飯に食べる量は変わらないそうです。

Yusan
つまり、朝食を取らなかったとしても、お昼に食べ過ぎることはないという見解です。 

たとえ朝食を抜いたことで昼食の量が増えたとしても、朝も昼も食べる場合よりはトータルの食事量は少なくなるというデータもあります。

他にも、長期間朝食を抜いた生活をした場合には1日の総摂取カロリーも減るという研究もあります。

もちろん反対意見の研究もありますが、「朝を抜くと昼と夜に食べ過ぎて太ってしまう」という説は科学的には必ずしもそうではないみたいです。

ちなみに、習慣的に朝を食べていない人は21時以降に食べる量が増えやすいというのも分かっていますが、一日の絶対的な食事量は結局朝飯抜きの方が少ないようです。

この章の参考文献→(3)

朝食を抜くことによるその他の生理学的な影響

朝食を抜くことによるその他の体への影響はまだ科学的にははっきりしておらず、なんとも言えません。

ですが、12~24時間程度の短い期間の断続的ファスティングによる体への影響はいろいろと分かってきています。

次章はそれについてご紹介します。

朝食抜きとイコールではありませんが、朝食を抜くことで結果的に同程度のファスティング期間が成立するので1つ参考になれば幸いです。

食事時間を制限した断続的ファスティングの効果

2018年にCell Metabolismという有名科学誌で発表された研究をご紹介します(4)。

糖尿病予備軍の50~60代の男性に対して 、1日3食を日中の6時間の間に済ませ、次の食事までファスティングするという実験を行いました。

例えば7時に朝食を食べた場合は10時に昼食、13時に夕食を取ります。

後は次の朝食までファスティング。

食事量は通常の食事の場合と揃えました。

この食生活を5週間続けた場合と通常の食事パターンを比較したところ、、、。

・体重変化は無し。

・インスリン抵抗性を改善→糖尿病予防に効果的

・血圧を下げる→降圧剤と同程度の効果

・血管の固さには変化なし

・コレステロール量と中性脂肪が減少

・酸化ストレスを現象→動脈硬化予防に効果的(?)

・コルチゾールの分泌に影響なし(特にストレスなし)

・グレリン(空腹時に分泌が高まる)の分泌に影響なし

・満腹感が高いため、夕食(と言っても13時とか14時)で食べれる量が減少。

Yusan
健康への効果すごい高いやん。。

ただしこの研究は食事時間を制限したら結果的に17~18時間のファスティングになったというものです。

この研究とは別の形で18~24時間の短い時間の断続的ファスティングをした場合に、脂質をエネルギーとして使いやすくなること、中性脂肪が減ること等が認められています(2)。

タンパク質は減ってしまわないの?

でも、朝食を抜いたり食べない時間が伸びるとタンパク質も失われて、筋肉が減って不健康になるんじゃないの? 

Yusan
いや、2~3日食べなくてもタンパク質は減らないらしいよ(笑)

20~36時間のファスティングではタンパク質が減らず、60時間くらいから減り始めるようです(5)。

なので、昼夜にしっかり食べるのであれば、朝食は本当に気にしすぎなくて良さそうですね。

朝食抜きが一番やりやすいファスティング?

ファスティングと言ってもいささか範囲が広いです。

完全に何も口にしないものから、「食事」とは呼べない程度に食べるものまでファスティングに含まれます。

もちろん期間も数時間から数日まで幅広いものです。

★数日以上の長いファスティングは専門家の指導のもと取り組んでください。

前章までで述べたように、わずか半日程度食べなかっただけでも体には良い影響が出ることが分かってきています。

となると、いつ半日食べない短いファスティングをするか。

Yusan
日中に我慢ってお腹減って精神的にしんどくないですか? 

例えば昼食を抜けば、朝食と夕食の間で約12~14時間取れますが、仕事してる時間帯にお昼ご飯が無いってなかなかつらくないですか?(7時朝食、19時昼食の場合)

一方で朝食を抜く場合、夕食から翌日の昼食までの間は約17時間ですが、そのうち8時間くらいは寝ていますよね。(19時夕食、12時昼食の場合)

朝起きてからお昼までの実質4時間くらいしか我慢しないので楽じゃないですか?

しかも、論文で明らかになりつつあるファスティングに効果の出る時間を満たしていますので。

朝食を抜くと仕事のパフォーマンスはどうなの?

朝食を抜くことによる仕事のパフォーマンスが下がるという直接的な報告は見つけることができませんでしたが、仕事にほぼ直結するであろう認知機能についての研究はいくつかあります。

朝食を抜いた場合と言うのは見つけることができませんでしたが、カロリーを制限した場合(6)やラマダン方式のファスティング(7)では認知機能に影響は出ないという研究があります。

一方でスポーツや運動のパフォーマンスは下がるということが言われています(3,8)。

スポーツをして最大限のパフォーマンスを発揮したい人や、体を使うお仕事をする人の場合は朝食を取った方がメリットが大きいかもしれません。

と言うよりスポーツするなら常にエネルギー満タン、体も大きくなるくらいしっかり食べてください。

デスクワークが基本の人は、昼夜にしっかり食べているのであれば、朝食を抜いたところで影響はほとんどなさそうですね。

むしろ、満腹で眠くなることが無くなるので仕事が捗るかも。

研究④:子どもにはどうなの?

6日間朝食を抜いてもワーキングメモリ―や注意力、学習能力などに差は出なかったという報告があります(10)。

一方、長期的に朝食を取っている方が学業成績が良いという報告もあります。

しかし朝食の有無よりも、そもそも一日にどれだけしっかり食べているかの影響が大きいというのも言われています。

つまり1日に食べる量が足りておらず、栄養状態が悪いことの方が朝食を抜くことよりも憂慮すべきことかもしれません。

また、長期的に朝食を抜いている習慣のある子どもは後々病気のリスクもあるようです(11)。

 

これらのことから

①食の細い子は一回の食事でたくさん食べることが難しいので、朝昼夕の3食が適切かも。

②一方で、食べ過ぎで太っている肥満児や普段からしっかり食べれている子がちょっと朝ごはんをサボったくらいでガミガミ言わなくても大丈夫な可能性。

③子どもの頃に朝食を習慣的に抜いていると将来的なリスクがあるので、基本的にはきちんと食べる。

内臓を休める

研究論文とは関係なく昔から分かっていることですが、内臓を疲れさせないためにも朝食を抜く日があっても良いと思います。

食事をして、それを消化して栄養素を体に巡らせて、排泄をさせて、、、それにもエネルギーが必要です。

胃腸や肝臓、腎臓などで多くのエネルギーを使います。

筋肉や脳と同じで、内臓も使うと疲れます。

食べ過ぎた次の日、飲み過ぎた次の日は特にその疲労を感じやすいのではないでしょうか。

食べ過ぎ飲みすぎでなくとも、たまには休ませてあげてください。

特にだんだん太ってきたなぁという方、多分「そんなに食べなくても良いよ」と体が訴え、内臓も疲れていると思います。

体のデトックス

こちらも余談的な感じですが、数年前大隅教授のノーベル賞受賞で有名になったオートファジーという仕組み。

体の中の自食作用システムで、不要な細胞(古くなった細胞等)を分解して再利用するはたらきがあります。

このオートファジーはある程度の飢餓状態で最も働きやすいと言われています。

朝食を抜くことで最後の夜ご飯から次の昼食までの約16時間前後の空腹状態を作ることができます。

飢餓状態まではいきませんが、常にお腹が満たされているよりはオートファジーが働きやすくなる環境が見込まれます。

朝食抜くなら昼か夜と水分補給・間食をしっかりと。

朝食を抜く場合には注意点があります。

朝食を抜くと言って何も口にしないのは正直まずいです。

私たちは食事から水分を摂取しますが、その機会が一回減るのですから、その分水分補給に注意すべきです。

また、昼と夜にしっかり食べると言っても一日のトータル食事量が減る可能性があります。

そうすると必要な栄養素(ビタミンやミネラル)を摂取しきれない場合があるので、間食やドリンクで補う必要があります。

ナッツや小魚を太らない程度につまむとか、生姜湯、リンゴジュース等を朝に1杯だけ飲むとか。

日中の水分補給にごぼう茶やらなんとか茶を使うとか。

そして何より、極端なことはしないでくださいね。

注意事項

この記事は科学的な知見を紹介したまでで、今後の食生活のいかなるリスクに対しても責任を負いません。紹介したリスク、未知なるリスク等を加味した上で全て自己判断でお願いします。

 

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参考文献:・Alessa Nas et al, Am J Clin Nutr 2017;105:1351–61.・ Heather J Leidy, Adv Nutr 2016;7(Suppl):563S–75S.・ David J. Clayton and Lewis J. James, Proceedings of the Nutrition Society (2016), 75, 319–327.・ Elizabeth F. Sutton et al, Cell Metabolism 27, 1212–1221, June 5, 2018.・ Grant M. Tinsley and Paul M. La Bounty, Nutrition Reviews Vol. 73(10):661–674.・ Michelle N. Harvie et al, Int J Obes (Lond). 2011 May ; 35(5): 714–727.・ Nina M. Harder-Lauridsen et al, Nutrition 37 (2017) 92–103.・ Anissa Cheri et al, Sports Med 2016 Jan;46(1):35-47.・ Isabella Iovino et al, Am J Clin Nutr 2016;104:715–21.・ Kylie J Smith et al, Am J Clin Nutr 2010;92:1316–25.

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