レミニッセンス効果&指導者に求められる大切なスキル

レミニッセンス効果。

多くの方にとって聴き慣れない言葉かと思います。

運動学習の分野では、「運動休止効果」のことを意味する言葉で、技術習得を目指して練習を積んでいる時に、しばらく休んだり別の運動をしたりすることで、目的としていた技術が急激に上達することです。

簡単に言うと、「休んだら何か急に上手くなった!」というやつです。

今回は、僕自身がレッスンを提供する中で、実感した経験談と共に、そこから得られる教訓、指導者に大切なことを綴っていこうと思います。

ある日突然できちゃう子どもたち

そもそも、運動に関わらず、記憶を定着させるには繰り返しの練習が必要です。

何度も何度も繰り返す中で、脳がそれを必要なこととして認識し、長期的な記憶として保存していきます。

そして、その内容が複雑なほど、整理して定着するには時間がかかります。

また、睡眠をとることによっても記憶の定着が起こるので、寝なければ定着しません。

 

という、簡単な前置きを踏まえた上でお話します。

実体験です。

 

水泳初心者でバタ足を練習していた子がいます。

その子は当時1〜2週に1回レッスンを受けてくださっていました。

スイミング等には通っていません。

 

レッスンの際は僕が足の動かし方や姿勢の取り方を伝えるのですが、惜しいところでなかなかできず、自力で前に進めないことが2レッスンほど続きました。

少しずつ着実に進歩しているのですが、もう数回は必要だなと思っていました。

 

ところが、次のレッスン時。

突然「見ててー!」と言ってバタ足を始めると、

なんと自力で数メートル進んでいるのです。

前回までは僕が手を離すと、すぐに沈んでしまっていたのに。

教えたその日はできないようですが、1週間ほど開くと記憶に定着したのか、突如スムーズに動いていました。

前回レッスンから1〜2週の間はプールに入ってすらいません(確認を取りました)。

 

あ、これがレミニッセンス効果か。

そう実感した瞬間でした。

あんなにも苦労していたのに、少し間を開けるとサッとできてしまう。

なんと人間は不思議な生き物なのでしょう。

 

本人も「わかんないけど、なんかできた」と嬉しそう(笑)

突然できたら自分でもびっくりするよね。

わかる。

 

こういったエピソードは頻繁にあります。

その度にびっくりしています。

大切なことは

結局のところ大切なことは継続的に脳に刺激を与え、長期記憶として必要だと認識させることです。

なかなかできなくても、すぐに諦めずに頑張ること。

指導側はそれをお手伝いすること。

そして、ある程度頑張ったら一度しっかり休んでみることが大切ですね。

脳を休め、睡眠を通じて定着させる期間が必要なようです。

継続は大切だけれど、根をつめすぎてもいけないみたいです。

特に自分は技術指導をメインにしていますので、多くの方が利用してくださる週1〜隔週という頻度のレッスン間隔が知らず知らずのうちに良い効果を出しているみたいです。

 

記憶つながりで言うと、脳には海馬という器官があります。

海馬は言わずと知れた記憶の中枢。

 

何か物事を覚えよう、習得しようとする際、海馬がしっかりと働けば記憶や技能は定着しやすくなります。

しかし、この海馬、実はモチベーションが関係しているそうです。

海馬のすぐ近くにあるのが扁桃体と言われる脳の部位で、情動に関係しています。

楽しい!やりたい!好き!という気持ちで扁桃体が刺激されると、海馬も働きやすくなるそうです。

 

つまり、

「ポジティブな気持ちを引き出し、海馬を使って取り組めるようにする」

指導者にはこのスキルが求められると言っても過言ではありません。

 

これができなければ、いくら良いことを言っても相手の脳に定着しないんですね。

 

「好きこそものの上手なれ」

 

これは脳の働きからも説明できることなんですね。

 

じゃあ、尾崎はどうやって気持ちを引き出しているんだ?

と問われそうですが。

これは企業秘密ですね(法人化してないけど)。

 

大雑把に言うなら、この3つです。

・年齢に合わせた会話

・関係性作り

・納得できる根拠・知識を簡潔に面白く語れること

 

よくスポーツの界隈だと、指導者にも競技力を求める人がいますが、それは必ずしも重要ではありません。

指導力と競技力はまた別なんですよねえ。

 

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