最近「タンパク質!」「肉食え!肉食え!」とうるさいですよね…

ここ数年、テレビでもネットでもやたらと「タンパク質が大事!」「タンパク質不足が問題!」「肉を食べよう!」とうるさくないですか?他にも「アミノ酸がー」「BCAAがー」「EAAがー」とか。確かにタンパク質、アミノ酸は生きていくうえで必要な栄養素ですが、ちょっと誇張しすぎと言うか、急にうるさいなという印象です。筋トレブームによる影響もあるのでしょうか?

今回はタンパク質やアミノ酸、そして「肉食え~」な世間のトレンドに対して思うことを書いていきたいと思います。

主な話の内容は

・タンパク質の必要量を誇張しすぎじゃない?

・肉以外でもタンパク質は摂取できるよ?

・健康って筋肉だけ?他にお金をかけるべき食材は?

・肉ばかり食べすぎるリスクは?

・タンパク質摂取よりも○○○○○○の方が問題

 

タンパク質の必要量を誇張しすぎじゃない?

まず一番に思うのは、タンパク質の必要量を誇張しすぎではないでしょうかということです。

歳を重ねても健康な生活を送るためにも筋肉量を維持することは大切です。

高齢になった時、まず自分の力で歩けること、そしてその他様々な日常動作を自分でできることは生活の質(QOL)に直結します。

そのためには筋肉量・骨量を維持するためにタンパク質が必要です。

*タンパク質って実は骨の材料でもあります。

若い人であっても、タンパク質は大切で、全然摂取しない生活をしていると筋肉量・骨量の減少が起こりやすいことが考えられます。

そうすると将来的なサルコペニア、骨粗しょう症などになるリスクが高まります。

他にも、タンパク質・アミノ酸は体内の様々な細胞や酵素の減量でもあるので、健康に生命活動を維持していくうえで大切になります。

 

このように、確かにタンパク質の摂取は重要なのですが、その必要量が誇張されすぎな気がしています。

日常的にハードなスポーツやトレーニングに取り組み、体を酷使している人の場合は必要量が増えるのは分かりますが、それでも体重1kg当たり1.2~2g程度のタンパク質を1日に摂取することで筋肉量の維持が可能です。

そういった人が筋肉量を増加したい場合には体重1kg当たり2g~3g程度のタンパク質を1日に摂取することで可能になります。

例えば、体重70kgの人であれば1日に140g程度のタンパク質を摂取できればトレーニングを積みながら筋肉量を維持・増加できるとされています。

 

140gのタンパク質がどれくらいかをイメージしてもらうために具体的な食品を挙げます。

・鶏肉100gで約20~24g程度のタンパク質

・豚肉、牛肉もおおよそその程度

・卵1個には約6~7gのタンパク質

・サバやサケなどの日常的に手軽に摂取する魚1切れで15~17g程度

・納豆1パックで7g程度

・油揚げ大1枚で15~17g程度

・プロテイン1杯で20g前後

・お茶碗1杯のごはんで3~5g程度

 

*もちろん食品によってアミノ酸スコアが異なり、タンパク質としての質的な差はあります。アミノ酸スコアが高いと吸収効率が良いですので、食品によって1gの重みは違うかもしれません。

 

1日に140gのタンパク質が必要な人が、肉のみ食べるのであれば約700gを1日に食べることになります。

でも、実際は1日の内にいろんなものを食べるので、1日に食べる肉の量はもっと少なくなるでしょう。

食が細い人であればプロテインなどで補う必要が有るかもしれません。

 

そして、ここまでが日常的に本格的にトレーニングやスポーツに取り組む人の話です。

そうでない人の場合、1日に摂取するタンパク質の必要量はもっと少なくなります。

体重1kgあたり1g前後のタンパク質量で筋肉量は維持することができます。

体重60kgの人であれば、60g~それをやや上回る程度のタンパク質を1日の間に摂取できていれば大丈夫です。

 

この体重1kgあたり1g程度のタンパク質を摂取するというハードルはそんなに高いものでしょうか?

肉以外からでもタンパク質は摂取できるよ?

体重が60kgで、スポーツやトレーニングなどにも趣味レベルや健康維持のために取り組む人の場合での食生活を考えてみましょう。

特に偏った食事をしておらず、ごく一般的な食生活をされていると考えます。

タンパク質の入っている主な食品のみ抜き出して書きます。

 

朝食

・食パン(6枚切り)1~2枚 タンパク質約10g

・目玉焼き×1 タンパク質約6g

・ヨーグルト タンパク質3~5g

朝食のタンパク質合計 20g前後

 

昼食(個人差が大きいと思います)

・おにぎり1個orご飯1杯 タンパク質2~5g

・卵焼き(卵×1~2) タンパク質6~14g

・おかずのお肉やお魚1切れ タンパク質5~10g程度

・その他味噌汁や豆料理、野菜などのおかずに含まれるタンパク質 数グラム

昼食のタンパク質合計 13~30g

 

夕食

・ごはん1杯 タンパク質3~5g

・鶏肉(100g使用)の料理 タンパク質20~24g

・魚(1切れ)の料理の場合 タンパク質15~17g

・その他味噌汁や豆料理、野菜などのおかずに含まれるタンパク質 数グラム

夕食のタンパク質合計20~30g

 

これで普通に1日に60g以上のタンパク質摂取できませんか?笑

体重が60kgであればこれぐらいでも筋肉量は維持可能です。

肉以外の食品にもタンパク質は入っていますので、タンパク質量って案外簡単に1日の基準を満たせます。

これで不安であれば間食にナッツや小魚などを挟んでも良いと思います。

ハードではないけれど、それなりに運動を定期的に行なっていてプロテインを飲まないと不安だという人も、間食にどこかで1杯飲めば筋肉量の維持には十分だと思います。

 

つまり、1日の間でそれなりに普通にちゃんとしたものを食べていれば、タンパク質が不足することは無いと思います。

タンパク質が含まれる食品は肉類だけではありません。

肉や魚を食べた時にだけタンパク質量をカウントしていれば、そりゃ不足しがちになります。

乳製品、魚介類、豆類にもタンパク質は入っています。

小麦や米などの穀物、一部の野菜にも少量ですがタンパク質は含まれています。

 

ハードにトレーニングやスポーツに取り組んでいるわけでも無いのに、「プロテインだ!」「肉だ!」「タンパク質をもっと!」となる必要はありません。

もし1日の間に複数の食品からバランスよくしっかり食べれているのであればそんなに不足はしていないかもしれません。

ちょっとおかずの量を増やせばサプリメントは不要かもしれません。

偏った食事(ご飯だけとかラーメンだけ)をしている場合であれば、「プロテインだ!」「肉だ!」「タンパク質をもっと!」という思考でタンパク質はの必要量は満たせるかもしれません。

しかし、他の栄養素の面から考えると、まず時間とお金をかけるべきはちゃんとした3食かもしれません。

健康って筋肉やタンパク質だけ?他に大切な栄養素は?

筋肉を維持するということにだけ「健康」の基準を置くのであれば、毎食肉とごはんだけで良いかもしれません。

しかし、そういうわけにもいかないのが人間です。

体の不調や病気の原因が全て筋肉量に依存しているわけではありません。

タンパク質以外にもビタミン・ミネラル、脂質、食物繊維などを満遍なく摂取せねばなりません。

 

そういった意味でもタンパク質だけを増やそうとするのではなく、まずは1日の間にバランスよく食べているかを見直して頂きたいです。

それだけでもそこそこのタンパク質量になります。

そのうえでタンパク質が不足しているのであれば肉の量を増やしたりサプリメントを使えば良いと思います。

肉やサプリメントのみだけでなく、様々な食品からタンパク質を摂取しようとする中で様々なミネラル・ビタミンも摂取する手助けになります。

肉ばかり食べすぎるリスクは?

「肉だ!」「肉だ!」という思考で肉ばかりを食べることをおすすめしない理由はまだあります。

まだ科学的な決着がついていない部分もありますが、赤身肉・加工肉の摂取量が多いとガンになるリスクが高まるということが言われています(*1)。

特に加工肉に関しては食品添加物が多い場合も有るので、赤身肉よりも注意が必要です。

 

日本人の平均的な摂取量では問題ないとも言われていますので、ほどほどになら大丈夫だとは思います。

赤身肉・加工肉ともに筋肉をつけるという意味では豊富なタンパク質を含んでおり優秀な食品です。

また、赤身肉は効率よく鉄分を補給することもできます。

 

しかし、先ほども述べた通り、健康は筋肉の量だけで決まるものではありません。

食品の良し悪しもタンパク質の量だけで決まるものではありません。

 

決して肉をたくさん食べるなと言っているわけではありません。

食べ過ぎるとリスクがあるよという話です。

大切なのは様々なものを食べることです。

タンパク質は他の食材からも摂取することができます。

毎食のタンパク質を肉で摂取するのではなく、魚から摂取する日や豆類(豆腐や納豆、ナッツなど)からも摂取していくことをおすすめします。

そして、十分に必要量を満たしているのに、過剰に食べるということは控えた方が良いかもしれません。

ちなみに、食べ過ぎると太る以外にも、消化吸収で内臓が疲れます。

内臓が疲れると疲労感がとれなかったり、体調不良にも繋がります。

 

確かに肉、特に赤身肉は筋肉をつけるにはとても効率が良いです。

個人の自由ですが、目先の筋肉量を取るなら大量に食べれば良いと思います。

でも、長期的な健康を取るのであれば方策は変わってくると思います。

タンパク質の不足より○○○○○○の方が問題

タンパク質の摂取を重要視する人の関心は主に筋肉量、骨量を維持し元気に活動的な生活を送ることだと思います。

そのためにタンパク質に気を付けることはもちろん素晴らしいことです。

しかし、タンパク質が不足するよりも「動かない生活」の方が筋肉量の維持には問題になりやすいです。

というのも、人間の器官や機能、細胞などは使わなければ弱っていきます。

年を重ねて、歩けなくなるほど弱ってからタンパク質に頼るのではなく、歩ける機能を維持するために筋肉を使うことがまず先です。

トレーニングをする人でもそうです。

トレーニングをする(筋肉を使う)ということがまず先です。

肉を食べただけでは筋肉は尽きません。

 

タンパク質を摂取することも大切ですが、ちょっとの距離ですぐに車に頼らず、歩いて移動すること、すぐに楽せず自分でやること、姿勢を正すこと、などなど。

余裕がある人はウォーキングやスポーツなど好きな運動、できる運動を定期的に行うこと。

筋肉を維持したいのであれば、タンパク質を摂取することよりもそっちの方がまずは先です。

<参考>

1.https://www.sciencemag.org/news/2015/10/processed-meats-raise-cancer-risk-who-says

 

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