大腿四頭筋が疲れやすいという事実に目を向け、キックを考えよう

皆さんは、バタ足、ドルフィンキック、平泳ぎのキック、水泳の全てのキックにおいて、体のどこをメインに使っているイメージですか?

 

もし、太ももの前側をメインに使っているという方がいらっしゃいましたら、少し認識を変えてみるだけで泳ぎが楽になるかもしれません。

実は、太ももの前側につく大腿四頭筋(外側広筋、内側広筋、中間広筋、大腿直筋)は疲労を感じやすい筋肉として知られています。

スプリンターならまだしも、100mやそれ以上の距離を泳ぐ選手、トライアスリートにとって、前半から大腿四頭筋ばかりを使ったキックをすることは、後半のバテにつながります。

大腿四頭筋の簡単解剖学

大腿四頭筋は外側広筋、内側広筋、中間広筋、大腿直筋の総称です。

筋肉全体の役割としては、股関節の屈曲、膝関節の伸展です。

分かりやすく言うと、股関節を曲げること、膝を伸ばすことです。

股関節を曲げる、膝を伸ばすという動き自体は、どの泳ぎでも見られますよね。

 

ちなみに大腿四頭筋の中で、股関節の屈曲に関わっているのは大腿直筋だけです。

大腿直筋は骨盤から始まり、スネの骨(脛骨)に終わっている二関節筋で、膝の動きにも股関節の動きにも関係しています。

他の3つの筋肉は大腿骨と脛骨をつなぐだけなので、膝の動きにしか関与しません。

(筋連結で、連結先の筋肉から関与することはあれど、それはここでは省略)

二関節筋は肉離れの多い筋肉ですので、太ももの前側を肉離れした場合は大腿直筋の可能性が高いです。

肉離れまでいかなくとも、太ももの前側をよく攣るとか、疲労が異様に溜まると言うのは、大腿四頭筋ばかり使っている証かもしれません。(後に述べます)

大腿四頭筋ばかり使ってしまうキックの特徴

まず、基本的なイメージとしてバタ足やドルフィンキックで、ダウンキック(蹴り込む)の意識が強すぎたり、アップキック(蹴り上げる)の概念がなかったりすると、どうしても大腿四頭筋ばかりで蹴ってしまうことになります。

平泳ぎのキックのメカニクスは、引きつけ時は股関節屈曲、膝関節屈曲で、蹴る時は股関節伸展、膝関節伸展です。

大腿四頭筋は膝関節の伸展において使われますが、同時に股関節伸展のために大臀筋やハムストリングスといった太ももの裏側の筋肉も使われます。

もしこの太ももの裏側に意識がないと、大腿四頭筋の力で膝下だけの力に頼ってキックを打ってしまうことが考えられます。

 

こういったキックをしていると、太ももの前側ばかりがやたらと疲れます。

筋肉が過度に使われると、キャパオーバーで攣ってしまったり、慢性的なダメージの蓄積で断裂をしてしまったり。

もちろんレースの後半に力強いキックが入らなくなります。

バタ足の解決策

ます、全ての泳法に言えることは姿勢をよくすることです。

姿勢の関してはここでは割愛しますが、まずはそこの見直しをしてください。

ストリームラインです。

姿勢に関してはこちらも参考にしてください→https://yu3trn.com/swim-posture-revise/

 

今まで大腿四頭筋ばかりでキックをしていた人に、バタ足で必要なのは、蹴り上げの意識です。

蹴り上げると言っても膝を大きく曲げるわけではありません。

股関節から丸ごと脚を蹴り上げるようなイメージです。

ただし、腰は反ってはいけません。

それは代償動作であって、股関節の動きではありません。

体、股関節が真っ直ぐの状態からの伸展の角度はせいぜい15°くらいです。

本来蹴り上げたとて、そこまで高く上がりません。

そして、蹴り上げができていれば、キックの動きの繋がりがスムーズになり、キックをうつ位置、体の位置が高くなるメリットもあります。

蹴り上げることができていれば、その反動で蹴りおろす動作も楽になります。

 

背泳ぎは、反対で考えてみてください。

けりおろす動作で太ももの裏側が使われます。

ドルフィンキックの解決策

あくまでも太ももの前が疲れる人への個別ではない、ざっくり提案ですよ。

 

ドルフィンキックもクロール同様に股関節を伸展させる意識が必要です。

それに加えて、動きは骨盤から始まっている意識。

ドルフィンキック単体の場合は骨盤から動き、太ももやスネはその先に連結で動いているような感覚です。

なので、脚でどうにかしようと思いすぎない方が良いと思います。

 

骨盤から動く

股関節の伸展意識

キックに対して胸椎が動く(胸を開いて伸ばす)

平泳ぎの解決策

平泳ぎの解決策としては認識を変えることがまず最初です。

しゃがんで立つ動作のように、膝下だけでなく、股関節の伸展をしていると言う意識。

引きつけた時には大臀筋やハムストリングスが伸ばされています。

これをしっかり短縮させることで、太ももの裏を使ってキックが打てます。

もし膝下だけでキックをしていると、キックの最後に股関節が伸びきらず、ややくの字に体が折れたまま泳ぐか、代償的に腰を大きく反って泳ぐ、下半身が沈んで体が立った状態泳ぐといったことになりやすいです。

最後に

ここで述べたことだけが解決策ではないかもしれませんが、とりあえず大腿四頭筋は疲れやすいんだと言うことを覚えていただければなと思います。

対策のためにフォームを変えるも1つ。

ケアを今までより入念にするも良しです。

 


大腿四頭筋の拮抗筋であり、股関節伸展を出す筋肉であるハムストリングスを上手く使い、ケアをし、泳ぎのエラーを見極めるための指導者向け(もちろん選手にも)のテキストは下記リンクから。

トレーナー並みの知識を水泳指導者、選手が身に付けることができます。解剖学的根拠を持ってフォームを考えることができます。

競泳・水泳指導者のための解剖学についての詳細はこちら。

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