調子をピークに!フィットネス-疲労理論

皆さんは大切な試合の日に調子のピークを合わせることができていますか?

そのための方法論である「フィットネス-疲労理論」はご存知ですか?

 

はじめて聞く言葉で、少し難しそうなイメージを持たれるかもしれませんが、ざっくりとでも知っておくだけで取り組み方が全然変わってきます。

フィットネス-疲労理論は話すと非常に長いので、ここでは概略を紹介していこうと思います。

「へ~、そんな考え方があるんだ!!」と知って頂き、もっと詳しいことが知りたくなったらご自身で調べてみてください!

 

まずは長期間しっかりトレーニングを積んでいることが前提

試合の日に調子のピークを持ってくるには、大前提があります。

「数か月~年単位でしっかりと練習を積むことができている」ということです。

試合の数週間前に練習を始めて、高いパフォーマンスを発揮してやろうとか、

数週間前に急激に追い込んでパフォーマンスを高めようとするのは、この理論で言うところの「失敗」を招きます。

 

あれですよ。

運動会のちょっと前から体育でやたらと走らされますけど、大して効果が出ないのと同じです。

 

他にも、テスト勉強があって、もう少しで試合なのに1~2週間練習に参加できなかったとか、コロナウイルスで1か月間トレーニングできなかったというのも調子をピークに持ってくるにあたって失敗を招きます。

フィットネスレベルと疲労、そしてパフォーマンス

練習やトレーニングを積むと少しずつフィットネスレベルが高くなっていきます。

フィットネスレベルというのは筋力や持久力、パワーなどスポーツで必要になる基礎的な体力要素のことです。

長い距離を泳ぎこむ練習をすれば、徐々に持久力がついていきますよね。

それです。

 

ですが、練習やトレーニングを積んでいくと疲労も蓄積してきます。

 

パフォーマンスと言うのは、フィットネスレベルと疲労のバランスで決まります。

フィットネスレベルが高ければ高いほどっパフォーマンスも高いというわけでも無く、疲労がゼロだからパフォーマンスが高いというわけでもありません。

 

練習をたくさん積めている期間は、フィットネスレベルも高くなっていますが、疲労も大きいです。

体力要素は高まっているはずなのですが、それ以上に疲労が大きくてパフォーマンスとして高く現れません。

疲労のせいで高まったフィットネスレベルが表に出てこない感じです。

 

一方、試合前に練習やトレーニングを楽にしすぎると、疲労はゼロになりますが、フィットネスレベルも落ちてしまいます。

するとパフォーマンスは下がってしまいます。

 

パフォーマンスを一番高くするには、フィットネスレベルをある程度維持(少なからず落ちる)しつつ、疲労を抜いていくことです。

そのためにはフィットネスレベルと疲労の特徴を知ることが必要になります。

フィットネスレベルと疲労の特徴を踏まえる

フィットネスレベルの特徴は、「なかなか高まらないけど、落ちるスピードもゆっくり」

疲労の特徴は「すぐに溜まるけど、抜けるスピードも比較的速い」

 

なので、理想的なシナリオとしては下記のようになります。

①しっかり練習を積んでフィットネスレベルをできるだけ高める(この時は疲労も大きい)

②試合に向けて、疲労を抜きつつもフィットネスレベルの落ちるスピードを緩やかにするために、トレーニング負荷を下げていく

③フィットネスレベルは多少落ちるけど、疲労がゼロに近づく

④フィットネスレベルの大きさと疲労の大きさの差が一番開いた時に試合を迎えると調子がピークになる。

 

①の時は疲労もフィットネスレベルも大きくて、2つの差が小さいです。

試合に向けてトレーニングの負荷を下げていくことで、フィットネスレベルも疲労レベルも落ちていきます。

しかし、フィットネスレベルの方が落ちるスピードが緩やかで、疲労の方が先に小さくなります。

すると徐々にフィットネスレベルと疲労の大きさの差が開いてきます。

この差が最も大きい時に試合を迎えると、調子がピークになります。

*練習をしっかり積めている時のフィットネスレベルで試合を迎えるのはほぼ不可能です。

 

しかし、2つの差が最も大きいタイミングを試合に合わせられないとどうなるか。

疲労はゼロになってキープ。

ところがトレーニング負荷を下げるとフィットネスレベルも落ちていきます(疲労よりは緩やかだけど)。

すると、徐々に2つの差が小さくなります。

差が最大の時がピークだとしたら、差が縮まり始めている時点でピークではありません。

最終的にフィットネスレベルだけがどんどん落ちて、疲労レベルとの差がほぼなくなります。

すると、ただ疲労を取っただけの状態に戻ります。

この時に試合を迎えても、「疲れてないのにタイム出ない」って状況になります。

 

これは試合前に休みすぎることや、トレーニング負荷の調整ミス、トレーニング内容を調整し始める(テーパー開始)時期が速すぎることで起こります。

ではどうすれば良いのでしょうか。

トレーニングの強度は保って負荷を落とす

トレーニングの負荷というのは主に2つの要因で変化します。

負荷=強度×量

これ大切です。

トレーニング内容を調整していく時に、保つべきは強度です。

試合で発揮しなければいけない強度に体を慣れさせつつ、量を落とします。

負荷は強度と量の掛け算で決まるので、量を落とせば疲労は少しずつ抜けていきます。

そうすることで、試合で発揮しなければいけない強度に体を慣れさせたまま(フィットネスレベルの低下を緩やかに保ったまま)疲労を抜いていくことができます。

でも、量と強度のいずれも充実していた時よりかはフィットネスレベルは落ちていくので、この期間が長すぎるとピークを通り過ぎてしまいます。

練習試合で試す

では、練習の負荷をいつから下げていくか。

これは、練習試合やあまり大事ではない試合で何度か試してみるのが良いと思います。

多くは1~2週間前からが一般的ですが、細かい日数は個人差があります。

1ヶ月近くかける人や、年単位で計画を立てて取り組んでいく人など様々です。

また、ある地点から、急にガツンと負荷を落とすのか、緩やかに落とすのか、これも1人1人のトレーニング状況によって変わってきます。

 

また、フィットネスレベルの中でも、筋力や持久力は高めるのに時間がかかり、低下もゆっくり。

筋持久力などは比較的短期で高まり、低下も速いということが分かっています。

そしてこれらの体力要素の総合点がフィットネスレベル。

ということは….どのタイミングでどのトレーニングの負荷を減らしていけばよいか、なんとなくイメージができますよね。

 

これらを踏まえると、大切な試合の前にいきなり試すのではなく、数か月間の練習から試合までを1つのサイクルとして捉え、練習試合等で試していくことが必要になります。

その他様々なことが調子に影響

「フィットネス-疲労理論」はあくまでも試合で調子を合わせる方法の1つでしかありません。

他にも試合で調子を決める要因として、食事やメンタル、技術練習の充実度など様々ななことがあります。

これら全てがピタリと合った時に自分史上最高の状態で試合に挑めます。

 

スポーツの技術(泳ぎ方、走り方、打ち方、投げ方、蹴り方、作戦)も何度も練習して自分に最適なものを獲得していくように、調子を合わせるということも練習が必要です。

それも含めてスポーツの練習と思い、楽しんでもらえたらなと思います!

 

今回は「へぇ~そんな理論があるんだ~」「ただ疲労を抜けば良いってわけではないんだ~」ということを理解していただければ嬉しいです。

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