【最新研究・栄養学】ファストフードはどうして食べたくなる?CMとの関係

看板やCM、広告を見るとハンバーガーやポテトなどのファストフードがついつい食べたくなるのはどうしてなのでしょうか。その原因の1つに迫った面白い研究がアメリカで発表されましたのでご紹介します。

研究タイトルは「Neural response to fast food commercials in adolescents predicts intake:ファストフードコマーシャルに対する思春期の子へ神経反応は摂食の見通しを立てる(日本語訳)」です。

もう少し簡単な日本語にすると

「ファストフードのCMを見たら、食べたらおいしいだろうな~と神経が反応する」です。

 

2020年に発表された最新の研究で、残念ながらフルテキストを読むことはできませんでしたが、研究の要旨については読むことができます。

今回はその研究概要を紹介し、一緒に考えていきたいと思います。

英語の原著です→https://academic.oup.com/ajcn/advance-article-abstract/doi/10.1093/ajcn/nqz305/5695309?redirectedFrom=fulltext

研究が実施された背景

食べ物に関する広告は肥満の人を増やす一因となっていると言われていて、その中でもファストフード店は広告が多い食品会社の1つです。

なんかもう完全にマ〇ドナルドのこと言っている気がしてなりません…(笑)

それは置いといて、

ファストフード広告が思春期の子(13~16歳)に及ぼす影響や、神経の反応へ及ぼす影響について調べられた研究はこれまでなかったので研究してみたそうです。

世の中には面白い着想をする研究者がたくさんいるもんですね。

しかも掲載されている雑誌(American journal of clinical nutrition)はそれなりにちゃんとしたレベルの学術誌です。

研究で分かったこと(概略ですが)

171人の思春期の子たちに、不健康なファストフードのCM、比較的健康なファストフードのCM、食べ物じゃないCMを見せ、そのときの脳の様子をMRIで調べたそうです。

比較的健康なファストフードのCMってどんなCMでしょうか(笑)

野菜多めのサ〇ウェイとかでしょうか。最近減りましたよねサ〇ウェイ。京都だけ?

 

子どもたちはその後、不健康な食べ物から健康な食べ物まで、様々なメニューのある実験用のファストフード店で食事を摂ったそうです。

 

不健康なファストフードのCMを見ている時は、前脳の側坐核という場所の神経反応が活発になりました。

この側坐核は報酬や快感、嗜好、恐怖などに関連している領域と考えられています。

 

特にこの「報酬」「快感」「嗜好」って完全に「やめられないトップ3」ですよね(笑)

 

比較的健康なファストフードCMを見た時は側坐核(報酬)、海馬(記憶)、前小脳(感覚・運動)が大きく反応しました。

そしてその後、トータルの食事量が増えました。

しかも健康的なファストフードではなく、不健康なファストフードの食事量が増えたそうです。

 

面白いことに、不健康なファストフードCMを見た時は、比較的健康なファストフードCMを見た時よりも視覚的注意やサリエンシー(*)に関する領域の反応が低かったことが分かりました。

(*サリエンシー:感覚刺激から注意が誘発されるという特性)

つまり、比較的健康なファストフードのCMを見るより、不健康なファストフードCMを見た時の方が、どちらかというと健康なものを食べやすいということが予測されます。

結果をまとめると

・ファストフードのCMを見ると報酬や嗜好、快感に関係する脳領域の神経が活発になる。

→食べたくなる理由か?(この研究だけでは結論できませんが)

・比較的健康なファストフードのCMを見た時の方が、不健康なファストフードのCMを見た時よりも不健康なファストフードの摂食量、トータルの摂食量が増える。

 

面白い結果になりましたね。

健康的なイメージのファストフードCMを見ている方が食べちゃうとは意外です。

健康的なイメージでファストフードCMをしているよりも、逆に不健康なファストフードのCMを流している方がにどちらかというと健康的な食事になりやすいという。

なんと皮肉な。

 

被験者は思春期の子たちでなので、全年齢層にも共通しているかどうかは定かではありませんが、ファストフードのCMを見ると「報酬」「快感」「嗜好」に関わる脳領域が反応し、食べたくなる可能性があるということを覚えておいてください。

そして、健康的なイメージのCMを見た後の方が食べたくなるってことも(笑)

確かに以前アメリカに行った時に見た知らないファストフード店のCMで、猛烈にデカくて脂ぎったバーガーとポテトが映ってましたが、「おぇ…」ってなりましたもん(関係無いか)。

そう思うと日本のファストフード店のCMはさわやかなイメージが多いので、ついつい食べたくなるかも。

 

ちなみに研究チームは要旨の締めに、「見せないのが一番効果的だ」と言っています。

その通りかもしれませんけど、テレビ撤去しないと無理ですやん…。

テレビを撤去してもYouTubeの広告で流れたりしますやん。

やはりファストフードの誘惑に勝つには己との戦いなのでしょうか。

 

ファストフードが悪いものと言っているわけではありません。

栄養学的には悪いですが、精神的な充足とか仲間とのコミュニケーションとか他にもメリットはあるのでたまにはいいじゃないですか。

食べすぎにはご注意を。

 

<参考>

・Ashley N Gearhardt et al: Neural response to fast food commercials in adolescents predicts intake. The American Journal of Clinical Nutrition, nqz305, January 15, 2020.

 

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