今回は練習やトレーニング時間が限られているマスターズスイマーの皆さんへ向けて、試合でタイムを出すために考えるべきことをトレーナーっぽく偉そうに語ります。本質的には時間というよりエネルギーが無いんです。だからこそ効率を上げないといけませんよね。
時間が無いではなく、エネルギーが無い
仕事の合間を見つけて練習をするマスターズスイマーの皆様。
本当にすごいと思います。
自分もマスターズスイマーですが、練習なんてせいぜい週1~2回くらいです。
よく「時間が無いは言い訳だ」と言う人がいますが、そうじゃないんです。
時間は確かに作れます。
けれど、人それぞれ稼働できるエネルギー量が違うんですよ(笑)
職種や家庭事情などいろいろと条件もありますから致し方ないと思います。
以前、同学年で経営者をしている友人と食事に行った時に話してたことを思い出します。
「一日に動けてせいぜい1~2ターンだよね」と彼は言いました。
仕事で1ターン消費。
そして帰ってから家事や子どもの世話、介護、勉強、その他諸々で1ターン。
これでもう力尽きる人だっています。
一方、一日で3ターンでも4ターンでも動ける人だっています。
そりゃ毎日泳ぎに行けますよねって思います。
努力すれば動けるターン数を増やせると言いますが、年齢と共に衰えゆくマスターズスイマーにそれを求めるのは酷でしょう。
それに、水泳に対してどれだけエネルギーを注ぎたいと思うかも個人差がすごい。
なので、「時間が無いは言い訳だ」という意見は放っといて、限られた時間をどう使うかを考えた方が無茶をせずに済むと思いますし、精神的にも健康だと思います。
漫然と泳ぐ時間を減らす
時間が限られているのに漫然と泳ぐ時間が多いともったいないです。
本気でタイムを狙うなら、今自分に必要なメニューや足りない要素は何かをよく考え、内容を絞って練習をします。
とりあえずプールに入って気まぐれに泳ぐだけというのでは天才でもない限りなかなか成果は出ません。
一方、楽しければ良いやというゆるゆるエンジョイスイマーは試合で泳ぎ切れる最低限の体力だけ維持できれば問題無いですので、とりあえず定期的に泳ぎましょう。
僕は時期によってはゆるゆるエンジョイスイマーです。
他のことに夢中だと水泳に割けるターン数が減るので(笑)
けれどそれはそれでマスターズならではの良いところかなと思います。
試合強度を体感する
練習やトレーニングの時間が限られているとどうしても不安になるのが体力面ですよね。
体力面を維持、または向上したいのにたくさん時間が取れないとお手上げに感じます。
しかし、そういうわけでもありません。
トレーニングでかかる体への負荷に適応して体は強くなります。
負荷は強度と量の掛け算です。
時間が限られているとどうしても量を増やすことはできません。
強度を高めるしかありません。
そして最も効率の良い強度の上げ方は試合強度です。
結局、試合で泳ぐ距離と種目で体にかかる負荷に耐えうることが必要なわけですよね。
試合で50m自由形を泳ぐ時に発揮したいパワーを出し続けれる体。
100mバタフライのラストの苦しさに耐える持久力がある体。
そうなれば、手っ取り早くその種目と距離をレースペースで泳ぎましょう。
試合でかかる負荷に極めて近い負荷を体にかけることができます。
時間のある人は50mや100mでメニューを組んで持久力やスプリント力を向上させますが、そんな時間は無いのですから。
技術を磨き続ける
体力面というのはどんなに努力をしてもいつかは衰えます。
40代くらいまではハードなトレーニングを積めば20代の頃とそう変わりない体力をキープできますが、50歳60歳となってくるとハードにトレーニングを積んでもなんとか維持できるか老化を緩やかにできる程度です。
ですが技術は比較的長い間磨き続けることができます。
特に体力的にきつくなってくると技術的な差が出やすくなっていきます。
マスターズ水泳をずっと続けていくのであれば、将来を見越して技術的な研鑽を怠らないことが後になって響いてきます。
若いマスターズスイマーでも技術は必要です。
水泳は体力面も重要ですが、技術面が競技力に貢献する割合が非常に高いスポーツです。
ちょっとしたポイントを改善するだけでもタイムがぐんと上がったりするので、これから落ちていく一方の体力を維持するばかりに時間を割かず、技術的な面の改善を継続した方が合理的かもしれません。
チームメイトや知り合いと楽しくやる
これ、めっちゃ大切です。
僕自身、マスターズ水泳を続けるにあたって大きな目標って無いんですよ。
目先の大会でタイムを出したいとか、タイムが出なかったら悔しいとかはありますが、そこまで大きな感情では無いんですよね。
学生であれば3年間や4年間の限られた時間で「この大会で成績を出したい」という明確な目標がありますし、現役アスリートならオリンピック出場とか世界選手権に出たいとかって期限の限られたある種切迫した目標があります。
マスターズでも日本記録を狙う人たちとかはそうかもしれませんが、それってマスターズスイマーの1割にも満たないほんの一部の人たちだと思います。
多くの人はそうじゃないんです。
楽しくて続けているんです。
楽しみながらタイムを出したいんです。
でもそのためにはちょっとしんどいこともしないとダメなんです。
そんな時に支えになるのがチームメイトや友人です。
切迫した目標が無いと、どうしても自分を甘やかしてしまいます。
けれど一緒に練習をすれば、楽しいという要素が強くなり、なんとか練習をこなしやすくなります。
「自分を甘やかすな」という声が飛んできそうですが、仕事や家のことも頑張っているのに、趣味まで厳しくなったら人生息苦しすぎやしませんか(笑)
だからこそ、しんどい練習もチームの人や友人と笑い飛ばしながらこなしてしまいましょう。
誰かと泳ぐことは泳ぎの確認をしあったり、お互い意見交換ができるのでそういった意味でも有意義です。
僕は週2回ほどの練習ではいつも友人と泳ぎます。
僕はすぐ自分を甘やかしてしまうので友人は良い抑止力になっています(笑)
また、週初めはA君、週末はB君といった感じですので、練習の取り組み方だけでなく、意見交換の視点も変わって有意義です。
最後に
プロスポーツ選手でもない限り、生活あっての水泳です。それぞれ作れる余裕に個人差がある中でいかにして満足いく結果を得ることができるか。そのために考えることは何か。でも、何よりもケガなく楽しく続けられることが一番です。自身のライフスタイルあった取り組み方で、お互い頑張りましょう!