子どもって書いてるけど大人も読んでね!!
人間は環境からの影響を非常に大きく受ける生き物です。
物事の上達や発達を考える際にも重要な考え方で、環境作り次第で上達のスピードが変わってくると言われています。
それに関連して今回紹介するのは「発達の最近接領域」という考え方。
主に子供の発達分野で登場するお話です。
水泳やその他スポーツに関わらず、子どもたちが成長していくにあたって、とても役立つ考え方です。
ちなみに、大人にとっても結構当てはまる考えですよ!
発達の最近接領域とは
発達の最近接領域とはロシアの心理学者レフ・ヴィゴツキーさんという方が提唱した概念で、
「子どもの発達しつつある水準、成熟中の段階にあり、次には現下の発達水準に移行すると予想される領域」のことを言います。
(wikipediaより)
はて、なんのことやら。
って感じだと思うので、具体例を出しながら解説していきます。
例えば、小さい子どもが玄関で自分の靴を履くという行為。
すでに自分1人の力で靴を履けるA君なのに、親が履かせてしまう
これは「過保護」になります。
一方、別の子(仮にB君とします)。
B君はまだ上手に靴紐を結ぶことが上手くできず、一人では靴が履けないとします。
なのに、親が何も手助けをしない
これは「放置」になります。
子どもが発達していくには2つの要素が必要です。
1.自分でできることは自分でする
2.大人の手助けがあればできるかもしれないことを、手助けを借りながら行う
A君の場合、1の要素を大人が邪魔してしまうことで更なる成長が見込めません。
一方、B君の場合は「大人の手助けがあればできるかもしれない」にも関わらず、手助けがありません。
「大人の手助けがあればできるかもしれない」
これが非常に大切で、自分1人でできるレベルよりも高い成果を経験することができるからです。
B君の場合、靴紐を結ぶことは一人では難しいかもしれませんが、助けてもらえばできるかもしれません。
また、靴紐を結ぶことに苦手があるだけで、他はちゃんとできるかもしれません。
であれば、靴紐だけでもサポートしてあげれば「靴を自分の力で履く」という経験を積めます。
逆に、靴紐に苦手があるだけなのに、全て手伝ってしまうとA君同様に過保護になります。
発達の最近接領域とは、「大人の手助けがあればできるかもしれない」というレベルのことを指します。
このレベルでサポートを受けながら挑戦をしていくことで、今の自分が持っている力で出せる以上の高い成果を経験し、それが高い成長率へと繋がっていくと考えられています、。
程よく助ける
子どもたちが何かを習得する際には、発達の最近接領域の考え方に基づいて程よく助けることが大切になります。
一人でできることを助けすぎず、できないことに対してサポートをすることで高い成果を経験させる。
子どもの発達に関する理論ですが、、、、
これ、大人でもスポーツでも言えますよね!!!!
大人でも程よいところに身を置くのが大切
大人の場合も同じですよね。
自分で簡単にできることばかりしていても成長しない。
でも上司や指導者にサポートしてもらいながらなら「できるかもしれないこと」に挑戦していく中で、成長していく。
明らかに自分だけではどうにもならないことは、手も足も出ないので、成長なんてできない。
これって環境による影響も大きいですよね。
自分が一番のところにいても、なかなか成長できない。
でも、自分より上の人がいて、さらには教えてくれる人もいる環境。
これが一番成長しやすいですよね。
指導を受けるとは?
水泳に関わらず、スポーツにはコーチや監督、トレーナーと呼ばれる指導者がいます。
基本的にいます。
では、彼らの指導を受けるとはどういうことか。
それは
「手助けがあればできるかもしれない」ことをたくさん経験できるということ。
言い方を変えると、「教えてもらいながらであればできる」ですね。
ここが発達の最近接領域の概念と極めて近い。
この領域での繰り返しの練習で効率よく成長していきます。
どうしても1人では上手くいかないことに対して、指導者はコツを教えてくれるなどのサポートをくれます。
私も指導者としてレッスンやパーソナルトレーニングをしていて思います。
セッション中は良い動きができるけれど、しばらく時間が立つと自分1人では上手くいったりいかなかったりするとの声をよくいただきます。
でもそれで良いのです。
セッション中に指導者の手助けを受けながら、何度も良い動きを経験していくことで成長していきます。
大人の我々が水泳を上達するための作戦
大人の我々が上達するにはどんな環境に身を置くべきか。
先にも述べましたが、自分より上手な人がいて、さらには教えてくれる人もいるコミュニティ。
そんなところがあれば理想ですがなかなかそんな都合の良い話はないですよね(笑)
手っ取り早いのは指導者をつけること。
でもそれだって、人による。
おすすめは水泳仲間を上手く使うことです。
自分が泳いでいる姿を見てもらって、泳ぎについてのフィードバックをもらう。
事前に見るべきポイントを伝えておくと良いです。
「腕の角度がこんな感じになっているか見て欲しい」
「息継ぎのタイミングがどんな感じか見ておいて欲しい」
これだけでもめっちゃ助けになります。
大人にも使える発達の最近接領域
「手助けがあればできるかもしれないレベル」
での経験をたくさん積んでください。
余談ですが、練習でフィンをつけたり、チューブで引っ張るのもそうですよね。
自分では出せないスピードを経験する。