先日インスタグラムにて骨に関する質問を募集したところ、「水泳と胸郭の関係について知りたい」「胸郭についている筋肉について知りたい」という声がありましたので、ブログで考察していきたいと思います。「水泳と胸郭」という言葉だけでは、なかなかざっくりとした感じです。なのでざっくりした内容になるかもしれませんが、あしからず。
そもそも胸郭って何?って方もいらっしゃると思いますので、まずは胸郭の概略についてお話します。
胸郭とは何?
胸郭という名前の骨はありません。
下の図のように、胸椎、肋骨、胸骨からなる骨格のことです。
もっと簡単に言うと、胸を取り囲んでいる骨格です。
胸椎とは、背骨の中でも胸の高さに位置する12本のことです。
では、この胸郭にはどんな筋肉がついているのでしょうか。
胸郭についている筋肉と水泳の関係
「胸郭についている筋肉」と問われると、これまた難しい。
胸郭についている筋肉の特徴としては、
・呼吸に関わる
・腕、脚の動きに関わる
・姿勢に関わる
・そして上記3つが互いに影響を及ぼす
例えば、横隔膜や肋間筋などは肋骨の開閉を行い、呼吸動作をメインのはたらきとしています。
しかし、これらの筋肉が硬かったり動きが悪いと、胸郭が開きにくく腕や脚の動きも悪くなります。
水泳であれば、遠くで水をキャッチすることが難しくなります。
腹圧にも関係してくるので、姿勢にも影響が出てきます。
大胸筋や僧帽筋などの腕を動かす筋肉は水泳のストローク動作(水をかく)で使う筋肉です。
ここの筋肉が強くなれば、もちろんストロークも強力になるかもしれません。
しかし、これらの筋肉も補助的に呼吸や姿勢に関係しています。
硬くなったりして動きが悪くなると、姿勢や呼吸にも悪影響が出てしまいます。
実は胸郭には腸腰筋という、上半身と下半身を繋ぎ、股関節を動かす筋肉が付いています。
腸腰筋は「大腰筋」と「小腰筋」、「腸骨筋」を合わせた筋肉のことです。
その中でも大腰筋のスタート(起始)が胸椎の一番下(12本目)と腰椎を含んでいます。
横隔膜は肋骨と腰椎(1~3本目)についています。
腰椎は胸郭から少し離れてしまいますが、横隔膜と腸腰筋が起始部をシェアし、裏表の関係にあるということが分かります。
つまり、股関節の動きと呼吸の動きがリンクしている可能性があるということ。
呼吸が改善されて股関節の動きが良くなったり、腸腰筋をほぐすと呼吸が楽になったりします。
不思議ですよねぇ。
呼吸が浅い人は、是非改善して欲しい
ここまでいくつか例を挙げてきましたが、いずれにも呼吸が関わっていることにお気付きでしょうか。
確認してもらいたいのは、「呼吸が浅い状態」になっていないかです。
短い呼気と吸気を繰り返していませんでしょうか?
呼吸をしたときに、お腹と胸が大きく動いてますか?
呼吸をしている時、肋骨に手を当てると動いていますか(開閉)?
呼吸が浅い状態とはどんな状態か。
いろんなパターンがあります。
1.呼吸に関わる筋肉の動きが悪く、腕や脚の動きを制限してしまう
2.大胸筋や僧帽筋などの筋肉が硬くなっていて、呼吸の邪魔をしている
3.呼吸に関わる筋肉の動き、硬さに問題があって姿勢が崩れる
4.姿勢の崩れがあって、呼吸が浅くなっている
とりあえず、呼吸が浅いことは胸郭の動きが悪くなっている兆候の1つになります。
水泳では胸郭が大きく動かないと遠くの水をキャッチすることができません。
姿勢を正しく保つことができません(胸郭を開いた状態で泳げない)。
胸椎の動きを使うことができません(バタフライや平泳ぎの適度なうねりなどができない)。
改善するためには?
体のパーツを1つ1つの部分独立したものと考えてはなかなか上手くいきません。
繋がりとして捉えるべきだと思います。
胸郭の動きが悪いから胸郭ばかりケアをしていても、なかなか改善できません。
そして、すぐ結果の出る劇的な方法はありません。
ある程度継続をすべきです。
やることも、地味で目新しい方法は特にありません。
以上です。ありがとうございました。