今日の話題は、スイマーはなぜ腹筋を鍛えないといけないのか【胸椎の回旋の観点から】です。先に結論を言うと、泳ぎの中で胸椎を効果的に使うためです。胸椎が使えるとストローク動作にメリットがあり、泳ぎが良くなります。
というわけで、
ジュニアスイマーからマスターズスイマーまで、多くの方がドライランドトレーニングでは腹筋(*)をトレーニングされていると思います。
(*腹筋:正確には腹筋群。腹直筋、内・外腹斜筋、腹横筋等を指す)
では
なんで腹筋のトレーニングやってるの?
と聞かれて正確に理解している人は多いでしょうか。
わかりません。
調査したことないので(笑)
もしかしたらみんな理解しているかもしれませんし、ほとんど理解していないけれど、理解してる顔してやってるかもしれません。
理解している人もそうでない人も、是非読んで言ってください。
そして、プールで水泳仲間に教えて上げてください(ついでにこのブログも)
ちゃっかり宣伝。
動くのは胸椎なのですが
なぜ腹筋を鍛えるか。
それを理解するにはまず背骨を理解する必要があります。
というのも、腹部の筋肉の働きによってコントロールするのは背骨だから。
このブログをずっと読んでくださっている方であれば、もう馴染み深いお話かもしれませんが
背骨ってこんなふうになってます。
上の7本が頸椎、次の12本が胸椎、その下、腰のあたりにある5本を腰椎と呼び、下にいくほど大きくなっています。
で、胸椎のところに肋骨ついてるアルネ。
運動において、背骨が動く時は胸椎がメインになって動くことがセオリーです。
腰椎と頸椎は安定した状態を保ちます。
背骨が動くというのは
体を左右に捻る回旋(クロール、背泳ぎで使う)であったり、前後に動かす屈曲伸展の動き(平泳ぎ、バタフライ)であったり。
(今回は回旋をメインに語ります)
特に着目したいのが腰椎と胸椎。
腰椎は関節の構造上、あまり大きく動かないように設計されています。
一方、胸椎は可動域が出るように作られています。
腰椎を安定させて胸椎をしっかり動かすというのが動きの基本となります。
クロールで大きくダイナミックな泳ぎをするにも、平泳ぎやバタフライで伸びのあるストロークをするにもこれは重要になります。
ところが、動きのエラーとして下記のようなことが発生してしまいがちです。
①胸椎と腰椎どちらも動いてしまう
②腰椎が動いてしまって、胸椎があまり動かない
結果として、フォームが良くならず、怪我もしやすくなり、タイムは出ないわで散々です。
胸椎を動かしつつ、腰椎を安定させる。
人の関節は安定が得意なのと、よく動くことが得意なのがいます。
それぞれの働きを使い分けて、同時に働かせましょう。
というのを分離と協同と言ったりします。
胸椎と腰椎も分離した動きで使いこなすことが大切です。
分離ができると、回旋だけでなく屈曲伸展の動きも上手になるので、ドルフィンキックやも強くしなやかなものになっていきます。
もちろんバタフライ、平泳ぎといった回旋を伴わない種目も胸郭を効果的に使えるようになります。
ここまでが背骨の基本になります。
じゃあ何で腹筋を鍛えると良いんだ!!
腰椎が安定する条件
要するに、腰椎グラグラせず安定し、胸椎が動けば良い。
腰椎が不安定だと胸椎も動きにくい。
クロールを見ていると最もわかりやすいです。
ストロークのたびに下半身も左右に大きく向いてしまい、回転しそうになる感じ。
まあいいや。
腰椎が安定しやすい姿勢の条件というのがあります。
それは、股関節が曲がっていて、骨盤が後傾(腰が丸くなる方向)していて、体幹が屈曲している状態。
まさにこれ。
この状態だと、腰椎は大きく回ることができません。
この時に体を捻ると、動くのは基本的に胸椎です。
全然捻れないとか、下半身も一緒に動いてしまう場合、動きが制限されてるかも。
つまり、この条件を泳ぐ時の伏し浮きもしくは背浮き状態で作れる必要があります。
体が倒れるので、写真の姿勢より負荷が高くなります。
しかも、泳ぐ時に股関節屈曲はしたくないですよね。
それだと下半身が沈みます。
となると、骨盤と腰椎のみでアプローチすることになります。
この時に必要になるのが、腹筋の働き(骨盤と腰椎の位置を安定させる)なんです。
腹筋が使えていないと、腰椎が安定しない。
腰椎が安定しないから、胸椎が適切に動かない。
胸椎が動かないとその先にある肩甲骨や腕の動きも最大限に生かせない。
だから鍛える。
またインスタにエクササイズは投稿するね!
少しでもドライランドで腹筋を鍛えるモチベーションになれば幸いです!