「どうやったらテンポよく泳げますか?」「もっとピッチを上げて泳ぐにはどんなことに気を付ければ良いですか?」「ダッシュの時に上手く泳ぎのテンポが上がりません」「ポンポン泳ぎたいです」などの質問を複数いただきましたので、今回は私なりにテンポよく泳ぐためのポイントや課題などを書いていきます。今回は競泳向けの内容です。4泳法、どの場合にもあてはまる内容になっています。
説明したいポイントは
1.推進力に関係ない局面の無駄をカット
2.姿勢の崩れ
3.関節可動域と安定性の問題
4.キックとプルのタイミング
インスタに、バタフライを泳いでいる動画をアップしたんですよ。
まともにウォーミングアップもできてないし、体調不良やしで、自分的には散々なのですがポンポン泳いでいるみたいです。
(だいぶ保険をかけたぞ)
僕、手足が短いから単純にグルグル回しやすいのはあると思うんですよね()。
目次
テンポよく泳ぐ①:推進力に関係ない局面の無駄をカット
優先順位というものは特にありませんが、まずは推進力を直接生まない局面の無駄を少なくすることです。
泳ぎの中で推進力を生まない局面とはどこでしょうか?思い浮かびます?
例えば、息継ぎやリカバリー動作。
大事ですけど、じっくりゆっくりやっていても推進力生みませんよね。
むしろ抵抗を生んだり姿勢を崩しやすくします。
推進力と関係の無い局面で削るべき無駄は抵抗と時間、力みの3つです。
まずは抵抗ですね。
バタフライなんかは分かりやすいですね。
例を出すと
・リカバリーの腕が水面より上に出ているか(水没気味にザザザーっと返ってくると抵抗が大きい)
・呼吸時に下半身が沈んで前面からの抵抗が大きくなっていないか
時間は一言。
さっさと終わらせるイメージです。
力みというのは無駄を削る際の最終段階です。
フォームに気を付けたり、さっさと終わらせようとした時に、力が入りすぎることがあります。
そもそもどんな局面でも力みは不要なのに、推進力を生まない部分での力みはもっと無駄です。
エネルギーの無駄使いです。
フォームを気を付けることによる力みは、体にフォームが自動化されてくれば自ずと取れてきます。
厄介なのは早く終わらせること。
早く終わらせると言っても力任せにはしません。
言葉では上手く表現できませんなので、あえて曖昧に「さっさと終わらせます」。
テンポよく泳ぐ②:姿勢の崩れ
前章でも少し述べましたが、泳いでいる時の姿勢もテンポに影響します。
姿勢と言っても、ただひたすら真っ直ぐであれば良いわけでは無くて、適切なタイミングで適切な姿勢になっているかが大切だと思います。
でもそれぞれに泳ぎや局面について、ここで細かく書くのは大変なので割愛します。
まずはお手本を水中や動画で見た時に、手だけ脚だけの動きではなく体全体のパーツ・配列も見てみてください。
あとは、それを実現するため、そして姿勢を崩さないために次で述べる「関節可動域」が大切になってきます。
テンポよく泳ぐ③:関節可動域と安定性の問題
関節可動域とは体の各関節がどれだけの範囲で動くかということです。
柔軟性と言った方が伝わりやすいでしょうか。
それに加えて安定性が大切です。
これがなぜ大切かと言うと、関節可動域と安定性が低いと腕や脚の動きに対して身体の他のパーツがつられて動いてしまいます。
動くべきパーツが動き、安定すべきパーツが安定していないといけません。
手軽な改善方法はストレッチですが、筋肉を伸ばすというより骨と骨の距離を離す感じをもち、かつ伸ばす場所以外の姿勢を安定させることに注意してやってみてください。
ここでも細かく各種目について解説するのは大変すぎるので割愛します。
テンポよく泳ぐ④:キックとプルのタイミング
キックとプルのタイミング、これも実現するための体ができていないと再現できないかもしれませんが、テンポを上げるには結構キーポイントになると思います。
例えば平泳ぎ。
基本的には手と顔が入ってからキックを打つ感じですが、
手が入ってどれくらいのタイミングでキックをするのかを考える必要があります。
手が完全に前に戻り切ってから打つのか、
手が前に戻り切るまでに打つのか
リカバリー動作を始めてすぐに打つのか。
などなど。
そしてその動きでテンポが上がったとして、抵抗は増えたのか、タイムは上がったのか、泳いでいる感覚は?
いろいろと試行錯誤が必要です。
ちなみに以前ご紹介しましたが、テンポが鬼のように速いピラト選手はこんな感じ↓
テンポよく泳ぐ⑤:その他のこと
技術的なこと以外から少し言及するとすれば、単純に体を動かせる速度が上がればテンポやピッチも上がります。
強く速く水をかけるパワーをつけるトレーニングをする。
あえて手をグーにして泳ぐフィストスイムで、普通に泳ぐより速いピッチを体感させる。
(手をグーにすることで引っかかる水の量が減るので速く回せます)
いずれにせよ神経系に「お前はもっと速く動けるねんで!」と刺激を与え、強化するトレーニングになります。
でも結局、泳ぎ方に問題がある場合、これで改善できる範囲はそこそこまでだと思います。
上達するよう技術的に磨く方が改善の余地が大きい場合がほとんどな気がします。
最後に:注意事項
今回の内容が必ずしも成功を約束するものではありませんが。また、今回紹介した内容以外にもテンポ・ピッチが上がらない原因があったり、もっと細かく見ていかないとわからない部分もあります。
とりあえずですよ、何かうまくいかないのであれば時には思い切ったことをしながら試行錯誤を辞めないことだと思います。とりあえずやってみなければ解決の糸口は見えません。