「水をしっかりかかないと進めない」ってことはわかっているし、「水をしっかりかきなさい」って教えてもらうけど、、。じゃあそれって具体的にどういうこと?
バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロール、全ての種目で速く泳ぐために抑えるべき3つのポイントと考え方をコーチが解説します!
目次
「水をしっかりかこう」って意識だとプルは上手くならない
水泳で手で水をかく能力や練習、動作のことを「プル」と呼んだりします。
プルが苦手な選手に共通している印象なのが、プルについての理解が曖昧だということです。
「しっかり水をかこう」
「プル頑張ろう」
意識しているように思える言葉ですが、とても漠然としていて曖昧です。
これは水泳のプルでもキックでも姿勢でもなんでも言えることですが、以下の手順を使ってもう少し具体的にしてみましょう!
漠然としているか、すでに具体的かに限らず、以下の質問を投げかけてこれ以上考えられないというところまで考えてみてください。そこが具体的に落とし込まれた地点です。
「水をしっかりかこう!」
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◾︎How(どうやって):どうやって水をしっかりかくの?
回答例)手の平の形をキープしてかく
◾︎Why (なぜ):なぜ手のひらの形をキープしないといけないの?
回答例)せっかくとらえた水を逃してしまうから
◾︎What (何が):手の平の形がキープできないのは何が原因?
回答例)前腕や手の平の筋力不足だから
いかがでしょうか?
こうやって考えると、自分が何を頑張らないといけないか少しずつ見えてきませんか?
練習として、キックや飛び込み、ターンなどでも同じように自分に質問してみてください!
水をしっかりかく「プル強化」のポイント①:手の形を保てるか否か
上記のような考え方をした先に、どういったポイントがあるのかを答え合わせしていきましょう!
うちの指導スタイルとして基礎基本を重要視しているので「バタフライだからこう!」とか「クロールだからこう!」みたいなのではなく、4泳法全てに共通する土台のところを書きます。
まず1点目は、ブログでも繰り返しお伝えしていますが「手の形」をしっかり保てるかどうかです。
水泳では手で水をかいて進んでいくので、手にある程度の強度がないと水を逃してしまいます。
そうすると、いくら良い腕の動きをしていても水を撫でてしまうので進みません。
他にも、指が開き切っていると熊手で水をかこうとしているのと同じ。
カヌーとかカヤックのオールの手になってください。
カヌーやカヤックはオールがあるけど、水泳は生身ですから、自分の力で水に負けずに固めれないといけません。
自分ではちゃんとしているつもりでも、手の形が崩れている子は多いです。
なので、かなり意識的に力を入れる必要があります。
それでも無理な場合は何が理由??
って考えると前腕の筋力不足が疑われます。
指を動かすメインの筋肉は前腕にあって、ピアノ線みたいに腱が指の方んに伸びているからです。
意識的に泳いでいれば徐々に強くはなりますが、シンプルに握力を鍛えたりすることでの改善が早いです。
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まず、手や前腕にちゃんと力を入れるという感覚が必要ですね。
それができたら、水の重さに負けないようにプルをしていく感じです。
スカーリング練習も、水をつかむ練習として最適です。
スカーリングでも手がふにゃふにゃしていると水をしっかりとらえることができないので良い練習になります。
この件に関してもっと詳しい記事はこちら
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水をしっかりかく「プル強化」のポイント②:手の軌道と速さ
手の形が保てるのであれば、次は良い軌道でかくことです。
基本的にどの種目でも、急な切返しになる軌道はすすめられていません。
【真っ直ぐ〜ややなだらかな軌道で水を最後までかけているか】
というポイントで考えてみてください。
今回はクロールを例にします。
クロールであれば、前から後ろへまっすぐかくイメージで、そこに体のローリングが入るのでやや曲線を描きます。
また、ローリングが入ることによって水を最後まで押せない選手がいます。
体の回転と一緒に手が早く抜けすぎてしまいます。
最後まで水を後ろに押し切れているでしょうか??
手が通る理想的な軌道をじっくり考えてみてください。
そして、いかにその軌道を正確に速く、水を逃さずにかけるかが重要です。
手の形を保ち、水を逃していない前提で、手の速度が速い方がスピードが出ます!
なぜなら、
パワー = スピード × 筋力
だからです。
同じ力であれば速く正確に動かせる人の方がスポーツは勝ちます。
水をしっかりかく「プル強化」のポイント③:体との連動、タイミング
最後に体との連動です。
主にタイミングに主眼を置くことが重要です。
いくら良い軌道で水をかけていても、キックとのタイミングが悪かったり、体の動きとのミスマッチがあると思うように進みません。
クロール、背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ
それぞれの泳ぎで、プルに対してどのタイミングでキックが入っているべきか理想はわかっていますか?
理想がわかっていないと、努力の方向性がわかりません。
バタフライを例にすれば、1かきの中で2回キックを打ちますが、1回目はどこ?2回目は?
と考えてみてください。
そしてそれができているか?
もう一度自分に問いかけてみてください。
調子悪い時、結構ズレてたりしますよ。
「それってどういうこと?」の習慣が成長の元
「もっとしっかり水をかきなさい!」「もっとしっかりキックを打とう!」「タイミング合わせろ!」
「やる気ないぞ!」
いろんなことに対して
「それってどういうこと?」
と問いかける習慣をつけてみてください。
「もっとしっかり水をかくってどういうこと?」
そうは言ってもわからないということがほとんどだと思います。
何かを考えるには「考え方」「予備知識」という素材が必要ですから。
それもあって競泳レッスンでは必ず理由を言ったり、選手に考えてもらうようにしています。
その蓄積が将来的に自分で考える力を養うと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ではまた!