「なんであの子はめちゃくちゃなフォームやのに泳ぐの速いんだろう」「あいつ速い、けどフォーム汚いねん」というような言葉を選手や保護者からよく聞きます。確かに不思議ですよね。でもコーチの僕たちが見ているポイントは実はちょっと違ったりします。では水泳を速くなるには何を磨けば良いのでしょうか??
【尾崎コーチ・林コーチ】
・水泳個別指導FORMSがスタートした2018年以前から指導。
・初心者の泳ぎ習得はもちろん、全国大会出場レベルから伸び悩む選手の停滞突破まで幅広く指導。
・林コーチはマスターズ世界ランキング(25歳以上区分)に入った経歴もあり
目次
見た目は変なフォームでも、要所は上手いことがほとんど
います。
これは地方の小さな試合を見ていてもそうだし、全国大会を見ていてもそうです。外から見える泳ぎの綺麗さと順位は必ずしも一致していません。
ですが、僕たちが見ているところは少し違います。
独特のテンポで泳いでいようとも
独特の腕の回し方で泳いでいようとも
【それが大切なところの邪魔をしていなければ速い】
【要所が上手ければ速い】
よく聞かれます。
「クロールはストレートアーム(肘伸ばす)で泳ぐか、ハイエルボー(肘曲げる)で泳ぐかどっちがいいですか? 」
どっちでも構いません。
大切なのはその後に水をかくときに、本人が上手にできる方が正解です。
抵抗の少ない姿勢を保てている方が正解です。
ストレートアームよりハイエルボーの方が保ちやすいならそれでいいんです。
オリンピック選手も皆フォームは違うけど要所は同じ
もし泳ぎに「正しいフォーム」みたいな正解があれば、オリンピック選手はみんな同じフォームをしています。でもそうではないから「誰々はこう泳いでる」「誰々はこうだ」って話が永遠に続きます。
全員いろんなフォームをしています。ですが、姿勢を保つつ方法であったり、水を捉えていく最終的な形などはほとんど同じです。もちろん小さな差はあれどがっちりと水を捉えていることには間違いがありません。
つまり、見た目の違いはあっても要所は同じ。
要所への持っていき方がきっとそれぞれ違うだけであって、真っ直ぐ崩れない姿勢で水を後ろに送り出して体重を前に移動させていくことは同じなんです。
それに、トップ選手の泳ぎを見るときに気をつけたいのが
「そうしようと思ってそうなっているのではなく、自然とそうなっている可能性が高い動き」がいくつかあることです。
ジュニア選手が真似するべきはそこじゃない
ですが、多くの場合はその要所への持っていき方のところにばかり目がいって真似しようとしてしまいます。
結果的にそうなっている動きばかりに目がいってしまいます。
トップ選手の体があるから、トップ選手のフォームができます。
もちろん真似できる技術もありますが、技術を真似るなら一緒に体も鍛えないと無理です。
「なんであの子はめちゃくちゃなフォームやのに泳ぐの速いんだろう」
というのと、考え方は同じです。
見るところが違う。
見てほしいところ、やってほしいところはそこじゃない。
では、どんなところを磨いていけばいいのでしょうか?
3つに分けて解説していきます。
速く泳ぐために磨くべきこと①:水を捉える能力
水をかいている、キックをしている。
本当にできているでしょうか?
うちに来てくれる選手の多くが伸び悩んでいる選手です。
スカーリング練習をとことんやること、プル練習をいい加減にやらない。
「キックは苦手だから」「プルは苦手だから」と諦めてしまわないことです。
実際には良い動きだけど、本人の手足の感覚がまだまだ未熟で水を感じれていないこともよくあります。
小さい選手にはお風呂でめっちゃスカーリング(渦巻作り)をするように言うこともしばしば。
水がちゃんとかけていたり、けれていたら重いですよ!
【感覚の鋭い子の例】
水泳と並行してアーティスティックスイミング(旧シンクロ)をしている小学4年生の選手。
やっぱり手の感覚が本当に鋭いのでしょう。
「今日の試合はあんまり水が引っ掛かってへん」
って小学生の口からそんな感想が、、、笑
磨けば鋭くなります。
やるしか。
速く泳ぐために磨くべきこと②:抵抗の少ない泳ぎ姿勢
え、でもあの変なフォームの子はくねくねしてる!!
って反論が来そうですが(笑)
確かにくねくねしているかもしれません。
その場合は水をとらえる能力が高いとかでカバーできているのかもしれません。
ですが、姿勢も要所で真っ直ぐになっていれば結構進むんです、、、笑
どの泳ぎ方でも、手を前に入れて伸びていくところ(エントリー〜グライド)。
クネクネくんでもここだけでもビシっと決まっていると速かったりする。
逆に一見綺麗に泳げてそうな子でも、エントリーの瞬間に肘や肩が水に負けて曲がっていたりします。
これは本人も周りの大人も見落としがちでよくあるパターンです。
一瞬負けてから伸びてるとかもあります。
でもその一瞬で決まってくるんです。
✅頑張ってほしい練習としては、ビート板なしのキックでしっかりと手先から足先まで意識して泳ぐこと。
✅毎回壁を蹴る時のストリームラインを徹底すること。
まずこれです。
当たり前すぎて拍子抜けでしょうか?
誰よりも当たり前を徹底した人は強いですよ?
姿勢の細かいことは別記事を参照してね🔻
速く泳ぐために磨くべきこと③:身体能力
日本のスポーツは
何年も前の日本人が小柄だった頃のコンプレックスでしょうか?
「フィジカルで勝てないから技術で勝て」
技術は確かに大切です。
でもこれ、もはやフィジカルを放置する呪いになっていませんか?
日本人がメジャーリーグでホームラン王になって160kmぶん投げている時代です。
日本人だってパワーリフティングやウェイトリフティングで世界チャンピオンになる時代です。
ラグビーなどのフィジカルがめっちゃ重要なスポーツも強くなってきています。
確かに生まれは海外の選手は混じっていますが、日本人の血だけの選手も活躍していますよね。
そろそろ言い訳にならない時代。
ちゃんとやれば体は強くなります。
日本人だから筋肉がつきにくいのでしょうか?
いえ、昨今の筋トレブームを見れば明らかです。
ある程度のレベルまでは努力の問題です。
同じ泳ぎのフォームでも、力が強い方が勝ちます。
汚いフォームかもしれませんが、水さえちゃんと捉えて強い力で押せている子は速いです。
体は小さいかもしれないけど、素早く動ける子(これも訓練次第)はやっぱり速くなります。
最悪、今のフォームのままでも体が強くなればタイムが出るのは明白ですよね。
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まとめ
表面的な上手さと強さは必ずしも一致しないことがよくあります。
要所をおさえているかしっかり見直すこと、スポーツをする限りは体を強くすること。
努力の方向性を間違えないようにしていこう!
とはいえわからん!!
って方はぜひスイムレッスンにいらしてくださいね!
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