【栄養学】適度な日光浴とビタミンDが健康に繋がる?

皆さんは毎日とは言わないまでも、外へ出て適度に日光に当たっていますか?適度に日光に当たることと、ビタミンDを摂取することで骨の健康維持、自己免疫疾患(膠原病、リウマチ、硬化症など)、がん、心血管疾患(心筋梗塞や狭心症)、糖尿病、呼吸器疾患等の予防に効果的ということが言われています。

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*勉強の意味も込めて書いていますのでご了承ください。

僕は医者や栄養士ではないので、食事指導や治療が必要な方は医療機関へ行ってください。

なぜ日光とビタミンD?

基本的に人間は自分の力でビタミンを作ることができません。

なので食べ物から摂取して健康を維持してあげる必要があります。

しかし、唯一自分の力(とは言っても半分他力)で作れるビタミンがあります。

それがビタミンDです。

ビタミンDの前駆体は日光の紫外線に当たることで構造が変化し、ビタミンDとなります。

ビタミンDはカルシウムとリンの吸収と血中濃度の維持を助けます。

ビタミンDは過剰に摂りすぎると体に良くありませんが、不足することで骨の成長障害(くる病など)や慢性疾患の原因になります。

ビタミンDはもちろん食品からも摂取することができます。

摂取できる食品は牛乳、ヨーグルト、魚類、キノコ類、肝油、レバーなどです。

しかし比較的限られた食品からしか豊富に摂取することができません。

これらの食品を日常的に食べる機会が少ない場合にはビタミンDがもしかすると不足しているかもしれません。

 

十分な日光に当たらなかった子どもたち

私たち人間は基本的に、日光浴と食品摂取からの2本立てで必要量のビタミンDを確保しているとされています。

ビタミンDは特に子どもの骨の成長に非常に大切であることが言われています。

ビタミンDの欠乏や代謝異常が酷いと、骨が石灰化障害である、くる病(*)になることが分かっています。

(*骨端線が閉じた後は骨軟化症)

典型的なのが脚の骨が変形(酷いO脚のような形だそう)です。

栄養状態が悪い(ビタミンD、カルシウム不足)ことや、日光浴不足が原因だそうです。

日光がいかに大切かわかる事例があります。

産業革命後の北ヨーロッパでは、所狭しと建物が並び、大気は汚染され、直射日光にさらされる機会が過度に少なくなったため、たくさんの子どもがくる病にかかったそうです(1)。

今こんなことしたら話題の活動家グ〇タさんが黙っていませんね(笑)

 

現代では栄養状態が著しく悪いことや、大気汚染で日光に当たれないということは少ないです。

しかし、ビタミンDの入った食品を選んでいない、日光を避けすぎているといったことがあると、当時と同じような状況に陥ります。

好き嫌いや偏りなく満遍なく食べること、外でたくさん遊ぶ(出歩く)こと、昔から言われている健康法を今一度見直さないといけませんね。

魚、キノコもしっかり食べてくださいね。

肉ばっかりじゃダメですよ!

ビタミンDとがん

1941年にApperleyというアメリカの研究者がとあることに気が付きました。

それは、緯度の高い地域に住んでいる人の方がガンで亡くなるリスクが高いということです。

そこから数十年の間に様々な研究が進み、緯度が高くて紫外線量が少ない(日光に当たりにくい)地域の方が、そうでない地域と比較して結腸がんや乳がんになるリスクが高くなることが分かりました。

他にも乳がんからの生存率に差があるということも分かりました。

現在では日光浴をしてビタミンDのレベルを高く保つことで、上記以外の様々ながんのリスクを低下させるということが分かっています。

 

がん自体は日々体の中でできては消えて(分解されて)していますが、日光浴を積極的に取り入れることで死に至る重篤ながんになるリスクを下げることができるのかもしれません。

お日様はやっぱり偉大ですね。

ビタミンDと心血管疾患予防

がんとビタミンD(日光浴)の関係性の発見に続き、心血管疾患や自己免疫疾患との関係性も発見が進んでいきました。

緯度が高い地域に住み、紫外線を浴びる量が少ない人ほど心血管疾患や自己免疫疾患になるリスクも高くなるということが分かってきました。

緯度以外にも、冬よりも夏の方が罹患リスクが低いことなどが報告されています。

なぜ日光浴やビタミンDが疾患予防になるのか

それではなぜビタミンDの摂取や日光浴はがんや自己免疫疾患などのリスク低減につながるのでしょうか。

体内でビタミンDは25(OH)D 、1,25(OH)2Dとして血中を流れており、1,25(OH)2Dはカルシウムとリンの吸収促進、濃度調節をしています(2)。

カルシウムの吸収、濃度調整は筋肉や骨の健康に直結します。

それだけではなく、ビタミンDは以下に述べるような様々な役割を持っているようです(1)。

1,25(OH)2Dは細胞の増殖や成長の制御をしており、がん予防に対する効果が期待されています。

1,25(OH)2Dは免疫細胞(T細胞、B細胞)にも働きかけ、免疫システムの制御もしています(自己免疫疾患の予防)。

1,25(OH)2Dは高血圧に関連するホルモンであるレニンを抑制する役割があることも分かっています。

結局はヒト本来の生活が健康への道

ここまで、日光浴やビタミンDについて科学的視点からご紹介してきましたが、日光浴が大切なことも魚やキノコも好き嫌いせず食べることも、科学なんて存在しない時代から分かっていたことです。

でも、「科学的に分かっていないこと=わかっていないこと、根拠のないこと」と捉える人が多いので、改めて科学的に証明しなきゃいけないわけです。

科学には2つあります。

①今回のように、経験的に分かってたことを証明しなおして説得力をつける系

②新しいものや知見を生み出す系

 

お日様に当たると気持ちが良いですし、何気に元気になった感じがします。

好き嫌いや偏りなく食べている人の方が病気になりにくいことも昔から分かっています。

いずれもヒト本来の生活をするということです。

外で活発に動き、いろいろ食べて生きていく。

そんな当たり前ができなくなってきていることや、そんなことさえ科学的に証明しなくちゃいけないことが残念でなりません。

だからといってビタミンDの摂りすぎは良くない

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉があります。

ビタミンDはその際たる例です。

ここまで述べてきたように、日光やビタミンDを含む食品を過度に避けることは疾患のリスクを高めます。

逆に、サプリメントや偏食でビタミンDを過剰摂取すると腎臓や心血管に負担がかかり、腎結石になったり不整脈になったりします。

不足しちゃいけない!!と思うことは大切なことです。

しかし、過ぎたるは猶及ばざるが如し(by孔子)です。

最後に&余談

余談ですが、日光に当たるのは良いけどお肌へのダメージが気になるという女性に朗報です。

日光による紫外線からのダメージからお肌を守るために有効な食品もご紹介しておきます。

それはカロテノイド色素、ビタミンE、ビタミンC、フラボノイド、オメガ3脂肪酸です(3)

・カロテノイド色素(黄、橙、赤色)を含む食品:トマト、ニンジン、マンゴー、柑橘類、海藻、卵黄など

・ビタミンEを含む食品:ナッツ類、穀類、緑黄色野菜など

・ビタミンCを含む食品:果物や野菜全般

・フラボノイドを含む食品:柑橘類、リンゴ、お茶、豆など

・オメガ3脂肪酸(EPA,DHA)を含む食品:魚介類、ナッツ類(特にくるみ)

 

ビタミンDもオメガ3脂肪酸も両方摂れるので、お魚は特に良いですね。

あと、クルミも良いですね。

ビタミンDの補給をしつつも、オメガ3脂肪酸も摂取できます。

名前も「くる病予防にくるみ」で覚えやすいですし。

 

これらも過ぎたるは猶及ばざるが如しですよ。

体に良いからと言って摂り過ぎれば過剰摂取になるし、太るしでデメリットが出てきます。

なんでも適度にです。

そして食品に含まれる栄養素を調べてみるとわかるのですが、特定の栄養素と食品をいちいち意識してメニューを考えるだなんて、専門家じゃない限り面倒すぎます。

偏り無く様々なものを食べること、できるだけ食材を余すことなく食べること(皮やら茎やら葉っぱやら)がまずは適切なバランスの食事をする第一歩だと思います。

 

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<参考文献>1.Michael F Holick: Sunlight and vitamin D for bone health and prevention of autoimmune diseases, cancers, and cardiovascular disease. Am J Clin Nutr 2004;80(suppl):1678S– 88S 2.http://www.jikei.ac.jp/hospital/kashiwa/sinryo/40_02w7.html 3.Helmut Sies and Wilhelm Stahl: Nutritional protection against skin damage from sunlight. Annu Rev Nutr. 2004;24:173-200.

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