先日マスターズ水泳2022年度の年齢別世界TOP10ランキングが発表された。そこで100mバタフライ25-29歳区分でランクインした林コーチ。それを支えるのは、「道具」に関する視点だ。
「長持ちして使い続けるのが普通」
「物持ちが良いね」と言われるとついそう答えてしまう。
逆になぜ、水着、キャップ、ゴーグルなどそんなに長持ちしないのかが不思議と思う。
自分が普通に扱っていることが、他の人から見ると「丁寧」らしいけど、丁寧にしている自覚はそこまでない。
以前、マスターズの試合の時にメンバーのみんなと一緒にゴーグルを買った。だからと言って今まで使ってきたゴーグルがもう使えないというわけでも、使わないというわけでもない。学生の頃から使っているもので、まだ綺麗な状態でしっかり使えるし、何なら最新のものより使いやすさすら感じる。
これは昔からなのだが、レース用の最新水着は毎年のように新しいモデルが出る。最新機能がどうとか、タイムが出るとか、泳ぎやすいとか話題になる。でも選手はそれに頼りすぎなところがあるのではと思う。確かにレース用水着は自分の理想の泳ぎの再現を助けてくれる。でもそれはほんの少し、ちょっと補助してくれるくらいのもの。
結局は自分の泳ぎが実力としてしっかり変わらないとタイムは出ないし、水着だけで大きく感覚が変わってしまうとすれば、逆にどんな練習を普段してるんだって話になる。試合のために、試合と同じ種目と距離を練習しているはずなのに、それっていいの?と思う。
実際、去年末に破れてしまうまで学生の頃から8年使い続けたレース水着でマスターズのレースに出ていた。もはやモデル名を調べてもなかなか出てこなかったくらい。ミズノのGXシリーズが出る前だった気がする。間違ってたらごめんなさい。でも、今は学生の時よりも速く泳げている。最新のベストタイムは27歳になった去年に出せた。
破れてしまったのは仕方ないということで、8年ぶりにレース水着を買ってみて気づいた。めっちゃ水をはじくし、硬い。今まで使ってた水着はかなり弱ってたんだなとやっと気づいた。でも、実際泳いでみてそこまで感覚が変わるわけではない。
結局大切なのは自分の泳ぎの進歩。水着なんてそんなもん何だと思う。毎年買い換えるほどのものじゃない。4〜5年に1回でも十分だと思う。オリンピックの度に変えるって決めておいていいかも。
本当に大切にすべきものは何か、泳ぎも道具もまだまだヒントはたくさんあると思います。
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林コーチが久しぶりに買ったミズノのGXシリーズのレース水着
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ゴーグルはSWANSのスナイパーシリーズが好き。
視界が広くてターンやタッチがしやすいらしい。
【林翔也】
初心者のお子様から競泳選手まで幅広く指導。
2022年度マスターズ世界ランキング9位(25歳区分100mバタフライ)
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