水泳に限らず、どんなスポーツにおいても上手な選手は「背面」の意識が鋭い印象を受けます。背面とは背中のことだけではなく、体の後ろ側全体にわたってのことです。この記事では、その重要性と普段気をつけていきたい心構えを解説していこうと思います。
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泳いでいる時に背面は見えない
「背面の意識が鋭い」と言っても、なぜそれが鋭いことが上手な選手とそうでない選手を分けてしまうのでしょうか。
まず前提として、
水泳に限らずどのスポーツも運動も「全身運動」です。
水泳=全身運動みたいな認識がありますが、どの運動も全身の協調によって成立しています。
もっと言うなら、立っているだけでも全身の筋肉が常に協調し合って真っ直ぐがコントロールされています。
静の中の動。
これだって立派な全身運動だと思います。
少し話がそれましたが、水泳に戻していきましょう。
もちろん全身運動の水泳です。
全身の筋肉が協調し合って泳ぎは成立しています。
この協調をしっかりとコントロールしていくことが泳ぎの改善や上達に繋がります。
ところが
人間である以上、比較的体の前側は意識しやすいのですが、背面は意識しにくいのです。
その理由としては、「あまり見えないから」というのがかなり大きいように思います。
人間は感覚情報の9割を視覚に頼ってるからですね!
運動している時も、日常生活の時も人間は視覚に頼っています。
体のパーツがここについていて、どんな形やサイズをしていて、どんな動きをするのか、
人はそれを視覚で理解するのが最も速いです。
動きをイメージする時にも、まずは脳に映像を浮かべると思います。
体の前面はよく視界に入ります。
それもあって、コントロールが比較的簡単です。
しかし、背面は完全に見えない部分が多く、視覚以外の感覚(固有受容感覚など)に頼っているところが
全面よりも多くなります。
ですが、泳ぎが上手な選手はこの感覚が鋭く、背中のパーツをイメージ通り使う能力が高いです。
この能力の差は大きなアドバンテージになりますね。
上手な選手のストローク動作は背中の筋肉をよく使えているし、
姿勢としては背中やお尻の位置が高いです。
キックも、太ももの前ではなく、裏側の意識がしっかりしています。
飛び込みの際も、後頭部、背中、お尻、下半身の後ろ側の筋肉を一瞬で上手く使う必要があります。
「背中を使って泳げ」は簡単ではない
では、「この感覚が鋭くない人は諦めるべき」なのでしょうか。
日々の取り組みの中でこの感覚は十分に磨くことができます。
もちろんこの感覚を磨いていくことで、競泳であればタイムの短縮に繋がります。
ただし、今まで弱かった感覚を育てていくわけですから、相応の努力は必要です。
そういうわけで、水泳の指導現場で言われるこの言葉
「もっと背中を使って泳ぎなさい!」
具体的な方法教えてー!!って感じですね(笑)
普段の練習やトレーニング、生活で心がけたいこと
では、どうやったら背中の感覚を磨いていくことができるのでしょうか?
今回は3つの取り組みを紹介したいと思います!
1.イメージを磨く
2.触覚を利用する
3.ストレッチとトレーニングに感覚を落とそう
1.イメージを磨く
まず、自分の体のイメージをはっきりさせることはとても良いです。
今すぐできます。
このブログを読み終えて、LINE登録をしたあと、
GoogleでもYahooでもなんでもいいので、
「人間 骨格」
とか
「人間 筋肉」
などで検索をして、自分の体の作りを沢山みてください。
もっとしっかりやりたい人は少しずつでも良いので、筋肉の作用を大まかでいいのでチェックしてみて欲しいです。
絵を描いてみるのもとってもおすすめです。
これは背面に限らず、全身のイメージを明確にするためにとても良い取り組みです。
2.触覚を利用する
触覚から刺激を入れることで、その部位を意識しやすくなります。
僕たちトレーナーが、トレーニング中に生徒さんの筋肉に触れるのも触覚から信号を送って意識しやすくするためです!
水泳選手が泳ぐ前に体をバチバチと叩いていますが、気合を入れるとか筋肉の活性化とかいろんな意味がありますが、皮膚からも強烈な刺激が入り、その部位を使いやすくなるんですよ。
というわけで、意識したい部位は積極的に触れてください。
もしくはトレーニング中に、ご家族やチームメイトに触ってもらうだけでも全然変わってきますよ。
3.ストレッチとトレーニングの活用
トレーニングやストレッチなどの自主練ではどう意識を変えていけるのでしょうか。
特別な種目をする必要がありません。
意識の向け方を変えるだけです。
まず、それぞれのストレッチがどこの筋肉を伸ばしているかは把握しておいてください。
筋肉は、伸び縮みで働いています。
すなわち、ストレッチで伸びている部位にしっかりと意識を向けることが
筋肉に力を入れることにも繋がります。
伸びている感覚は、そこにある筋肉の位置を教えてくれているようなもの。
また、トレーニングの多くが「ある程度伸びた状態から縮める」というものです。
例えばスクワット。
しゃがみ込むことで、お尻の筋肉や太ももの裏側の筋肉が伸ばされます。
伸びた実感があったら、その伸びたところを縮めるイメージで立ち上がります。
これだけでもかなり変わります。
トレーニングやストレッチは「追い込む」ことだけが大切ではありません。
感覚にどれだけ意識を向けることができるか。
これも同じくらい大切です。
狙ったところを動かせているか、力を入れることができているか。
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