今日は競泳のいずれの種目でも大切になってくる、腹斜筋について。筋肉についてそれなりに理解してドライランドトレーニングを行うのと、そうでないのとでは最終的な成果も大きくことなってくると思います。姿勢を保つために腹斜筋は必要です。鍛えてね。
自分の体がどう動き、今どんな状態にあるのか、その認識のことをボディイメージと言います。
ボディイメージがいかに良好か。
これは、いかに自分の体を上手に扱えるかに関係しています。
ボディイメージを高めていく方法は様々ですが、
その一つが、解剖を理解することです。
自分の体にはどんな筋肉がついていて、どんなふうに動くか。
それを認識すること、そして認識しながらトレーニングをすること。
というわけで、腹斜筋について語っていきます。
腹斜筋はお腹についているいわゆる「腹筋」の一種です。
スイマーの多くが「腹筋」や姿勢の大切さを理解しており、ドライランドに取り入れていると思いますが、
そのうちの何割が「なぜ大切か」「泳ぎの中でどう使うか」をきちんと理解しているのでしょうか。
あなたは、読み終わればざっくり理解できるので。
もう上位数パーセントだと思う。
腹斜筋の付着と働き
そもそも腹斜筋には2種類あります。
1.外腹斜筋
2.内腹斜筋
外腹斜筋の方が体の外側にあります(浅層)。
一般的に「腹筋」と言われる筋群には上記4つがあります。
外腹斜筋は第5〜12肋骨から始まり、骨盤を形成する骨の一つである腸骨につながっています。
肋骨と骨盤をつないでいます。
つまり、この筋肉が収縮すると肋骨と骨盤が近づくことはなんとなく想像がつきますね。
外腹斜筋は左右に1つずつあります。
内腹斜筋は腸骨から第10〜12肋骨、腹直筋鞘、白線に付着しています。
簡単に言うと白線はシックスパックの縦線のところ、腹直筋鞘はシックスパックのブロックを区切るものです。
外腹斜筋と同様、左右に1つずつあります。
外腹斜筋と内腹斜筋で働きは共通点もありますし少し違うてんもあります。
まず、左右同時に働くと、
・肋骨を下制(下げる)
・骨盤を引き上げる働き
・脊柱を屈曲させる働き
左右片方ずつ働くと
・外腹斜筋は反対側へ脊柱を回旋する
・内腹斜筋は同側へ脊柱を回旋する
よく知られた腹斜筋のトレーニングの種目が下のイラスト。
これを見ながらだと回旋がもっと分かりやすい。
左側にツイストさせていますので、右の外腹斜筋と左の内腹斜筋が収縮しています。
左右同時に収縮すると、クランチなどのよくある「腹筋運動」になります。
これ、腹直筋(シックスパックのあいつ)のトレーニングと思われがちですが、腹斜筋のトレーニングでもあります。
ツイストを加えるか加えないかは、目的とする動作や改善点によって変わってきます。
ちなみに、腹斜筋は肋骨を下げる働きを持っていますので、機能的に弱いと呼吸時に肋骨がしっかりと締まりません。
すると、肋骨が開いたままのリブフレアという状態になってしまいます。
呼吸が浅く、太って見え、体幹が不安定で、良いとこなしです。
ではでは、こんな働きのある腹斜筋は水泳でどう必要になってくるのでしょうか。
続きを読む前に、ちょっと考えてみてください。
この時間が大事。
シンキングタイム
もういい?
答え見る?
泳ぎの中の腹斜筋
まず注目なのが、骨盤を引き上げる動き。
水泳の基本姿勢、ストリームラインでは骨盤をフラット〜後傾にキープさせます。
この時に様々な筋肉が機能しますが、腹斜筋もその1つ。
もちろん泳ぎの中で、骨盤は前傾したり後傾したりしますが、この時に腹斜筋に弱さがあるとスムーズな骨盤捌きができません。
骨盤を保つ、動かす。
いずれの場合にも使います。
そして、腹斜筋の働きで無視できないのが脊柱の回旋。
ツイストするような動き。
特に背泳ぎやクロールのローリング時には必須となる腹斜筋。
腹斜筋が使えているからこそ、骨盤の位置を保ったまま左右へのローリング動作が可能になります。
ドライランドで腹斜筋をトレーニングする理由としては、姿勢を維持し、ストローク時の体幹の動きをより良いものにするためです。
腹斜筋のトレーニング
腹斜筋のトレーニング種目です。
特に斬新な種目ではありません。
インスタの投稿には、筋肉の連結を意識して前鋸筋を一緒に鍛えています。
投稿の説明欄にはブログとはまた違った形で詳しく書いていますの、併せてお読みください。
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筋肉の連結から考慮すると、腹直筋の機能が低いことは肩甲骨の動きの悪さにも影響すると言われています。
例えば、リブフレアになって肋骨が開きっぱなし、その上にある肩甲骨の動きが阻害される。みたいな感じ。
肩甲骨が上手く使えない根本原因が肩甲骨以外のところにあるってのはよくある話。
皆さんももしかして。。。
そもそも泳ぐ時以外の姿勢にも深く関係しています。
普段から腹斜筋の機能が低く、姿勢が悪くて肩こりや腰痛になっている場合もあります。
そうなるとなかなか水泳で高いパフォーマンスを発揮するのは難しいですよね。
そうはならないために、少しでも、できる時にできることをやりたいですね。