健康な体を保つためにも、スポーツで成果を出すためにも栄養バランスを考えた食事が大切ですが、それと同じくらい大切なことは食事に関連したストレスとの付き合い方です。
栄養バランスと言えば、タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルの5大栄養素を適切な量で摂取することや水分補給をしっかりすることです。
最近の健康ブーム・筋トレブームで多くの人にそれは浸透してきました。
ただ、ここで問題があります。
栄養バランスを守ることは良いことですが、ガチガチに縛りすぎた食生活は継続が難しいということです。
ダイエットだとか、競技の特性から減量しなければいけない場合はあまり甘いことを言ってられません。
しかし、ちょっと健康になりたいとか、体重を考えすぎなくて良いスポーツをしているのであれば、あまり厳しくしすぎても逆効果かもしれません。
栄養バランスの考え方
栄養バランスの考え方は様々です。
ここで詳しくは書きませんが、一般的な考え方を列挙しておきます。
・タンパク質・脂質・糖質の三大栄養素のバランス(PFCバランス)を守り、ビタミン、ミネラル、水分もしっかりと必要量を摂取する。
・農林水産省の食事バランスガイドに基づいて、主食、主菜、副菜、牛乳or乳製品、果物、水分を含んだ食生活を意識する。
・日本の伝統的な一汁三菜を守り、+αに果物や乳製品を食べる。
・年齢別の平均的な消費カロリーと自身の活動量に基づいて、一日に必要なカロリーを考えて、食べ過ぎや、食べなさすぎに気を付ける。
いずれにせよ、意識的に色々なものを満遍なく、過不足なく、量と内容を守って食事をしましょうということです。
確かに長期間これが続けば体には良いですが、続けるためにはコツがあります。
だって、明日からいきなりカロリーとかバランスの計算、おかずの数を増やすとかハードル高すぎますもの(笑)
栄養学とストレスの狭間で
三大栄養素、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することや、品目を増やすこと、主菜・副菜などを意識することはとても大切ですし、それを基本として毎日の食生活を組み立ててもらって良いと思います。
ただ、よくよく考えてみてください。
いざその食生活を毎日続けようと思っても、よほどの健康オタクかとても律儀な性格でもない限り、気分的に続けるのがしんどいと思います。
自分で毎食準備するにしても、仕事や練習で疲れた後に準備するのは大変です。
家族のために準備をしてあげるにしても、どうしても面倒くさい日だってあります。
それでも食事にこだわると、食事の準備がストレスに感じてしまいます。
また、食べる量や内容を考えることは体にとってはメリットですが、多かれ少なかれ「我慢」を強いられます。
「我慢」はストレスです。
他にも、食事を徹底しすぎるがあまり、栄養バランス的に良い食事を摂れなかった日に「やってしまった」「できなかった」という罪悪感が生まれます。
これは几帳面な人に多いと思います。
これもまたストレスです。
ストレスは万病の元、全てのコンディショニング不良の元になり得ます。
いくら良い食事ができていても、ストレスを感じているとコンディショニングは上手くいきません。
ではどうすれば良いか。
オススメの心がけは2つあります。
①いきなり完璧を目指さない
食生活を変えようと決意したその時から、いきなり完璧にしようと思うとハードルが高すぎて続けるのがツラいです。
できる範囲から初めてください。
少し野菜を増やしたとか、肉を多めにしたとか、、、、最初は小さな一歩からです。
「完璧」は食事内容だけの話ではありません。
毎日三食、きっちり良い食事をしようと思わないことです。
まずは夜だけとか、余裕のある日だけとか、、、最初はそれで良いです。
ちょっとずつ時間をかけて良い食事ができる割合を増やしていって下さい。
②体の声を聴くこと。ただし暴飲暴食は違う。
私たちの体は、自分が思っているより賢く繊細です。
無性に何かが食べたい時、もしかすると体がそれを強烈に欲しているのかもしれません。
逆に、心の底から食べたくないときは「今はその栄養素いらないよ」ってサインかもしれません。
それを我慢しすぎて食事を摂ることもストレスになります。
時には食べたい時に食べたい物を我慢せずに食べることも必要です。
ただし、暴飲暴食や断食は違います。
毎日毎食好き放題食べるのも微妙です。
基本は栄養のバランスを考えつつ、あまり我慢しすぎないでたまには食べたいものを食べてください。
具体的に何日に1回とかは言えないですが、ストレスが溜まらない範囲で、食べ過ぎないように。
それが、人によって1日1回かもしれないし、数週間に1回かもしれないです。
日常生活で感じるストレスを数字に直すことは難しいので、感覚的なものになりますが、栄養学的に良い食事とストレスのバランスを上手く取りながら習慣づけていってもらえたらなと思います。