イメージトレーニングをすることで、実際に運動している時と似たような神経の働きが起こると言われています。今回はイメージトレーニングによる効果と、実際に行う際のポイントについてご紹介していきます。ポイントは①具体的にイメージする、②目線(主観と客観)の切り替えです。
目次
人間だけが持つイメージの力
想像して描く力は人間だけが持つ能力だそうです。
また、人間だけが実際には存在しないものを信じて、1つの共通理念(ルールや信仰など)のもと団結できる生き物です。
それだけ私たち人間はイメージする力に長けた生き物だと言われています。
その能力をフル活用しないのは勿体ない!
というわけで、水泳や他のスポーツ、トレーニングにも役立てていきましょう。
イメージをすると神経も働く
私たち人間が運動する時、脳から神経伝達をして筋肉を動かしています。
つまり、脳が体を動かしていると言えます。
脳が指令を出すときは、神経伝達物質という物質が放出されています。
この神経伝達のパターンが動きの良し悪しを決定しているとされます。
どこの筋肉をどれだけの力で、どんなタイミングで、どんな連携で動かすかを脳と神経は制御しています。
他にも足場や水の感覚、においや音など五感からの刺激に対してどう対処するかも脳で処理しています。
脳から神経を伝い、最終的に動きとして処理をします。
正しい動きをしようとするなら、まず脳の指令が正しくないといけません。
自分の思考やイメージをコントロールする能力が高い人はスポーツの上達も早いです。
そしてイメージしたとおりに体を動かせる人(神経伝達ができる人)はもっと上達が早いです。
百獣の王、武井壮さんはこれですね。ほんとすごい。
イメージがうまくても筋力が足りないとか持久力が足りないとかで再現できない場合はまた別問題です。
イメージトレーニングでは実際に自分が泳いでいると場面を詳細にイメージします。
すると実際に泳いでいる時のように神経伝達物質の放出が起こると言われています。
体は動いていないのにです。
これはつまり、脳の指令を練習、改善しているということです。
泳がなくても泳いでいる時と同じような技術的効果を脳や神経は得られるかもしれないということです。
練習が休みの日や泳ぐことができない日でも、どこでもできるのがイメージトレーニングです。
練習に復帰した時に、少しでも良い感覚で泳ぐためにもイメージトレーニングはおすすめです。
ポジティブなイメージを作る
後でも言いますが、イメージトレーニングでは理想的なフォーム、理想的な結果を具体的にイメージします。
例えば、
決勝レースで泳いで電光掲示板を見て、勝利を確認してガッツポーズ、その後は表彰台に行って、、、、
そこまでイメージします。
もちろんレースで泳いでいる時の感覚や動きも理想のイメージをします。
そうすることで自信をつけることや、やる気を高めることにつながるとされています。
イメージできない動きはできない?
フォームを改善する時は理想形をある程度イメージができていると話が早いです。
どのように動かせば良いかという脳の指令がしっかりしていれば、後はそれを体で表現できるようになるだけです。
ただでさえフォームを改善するのには数か月かかるのに、手探りでやっていてはなかなか進みません。
技術的な練習をするのであれば、まず自分が理想とする動きをしっかりイメージできるようになってください。
もしその理想形が間違ったもの(タイムに繋がらないもの)であったならば、また次の試行錯誤にシフトします。
これを繰り返すわけですから、イメージできる力が高い方がサイクルの回転が早いと考えます。
イメージをする時のポイント①:具体的に
イメージトレーニングをする時の第一のポイントは具体的にイメージすることです。
あ、そうそう。
イメージトレーニングの時は目を閉じて耳栓をした方が良いです。
寝っ転がってリラックスした状態もおすすめです。
具体的にというのは、目を閉じたイメージの世界を鮮明に描くということ。
試合会場の雰囲気、におい、観衆、応援、プールサイドの質感、室温、湿気、隣を泳ぐライバル君etc….。
とにかくその場をできるだけ鮮明に再現します。
泳ぎ始めたら、理想の水の感覚、スピード感、理想の動き、理想のペース、ストローク数、泳いでいる時の体の感覚までイメージしていきます。
ゴールタッチをしたら、電光掲示板を見てタイムを確認。
もっとやるなら表彰式まで。
試合のイメージをする時はここまでイメージします。
ストップウォッチを使ってイメージトレーニングをすれば、イメージと実際のタイムとのギャップを確認することもできます。
これ結構効果的です。
試合のイメージとは別に、理想の動きにフォーカスしたイメージトレーニングも行います。
こっちは試合会場を思い描いたりする必要は無く、最低限のプールの景色でかまいません。
その代わり、理想の動きと感覚をより鮮明にイメージします。
プールにいる時はイメージの世界で泳いでから実際に泳ぐというのも効果的です。
イメージのトレーニングは慣れるまで難しいです。
鮮明に描くことや集中力を維持することに特に困ると思います。
でも少しずつでかまいませんのでチャレンジしてみてください。
イメージをする時のポイント②:目線は主観か客観か
イメージトレーニングをする時には自分の目線を使い分けます。
特に技術面にフォーカスしたイメージトレーニングで重要になります。
①主観的に描く
主観的な目線とは、今まさに自分が見ている景色と同じです。
視界に入るものが見えていて、あなたの後頭部は見えません。
クロールを泳いでいる時であれば、プールの底や手が見えるし、息継ぎをすれば隣のレーンやプールサイドが見える。
でも脚は見えない。
この主観的な目線で理想の動きをすればどんな感覚になるかイメージします。
②客観的に描く
もう1つは客観的に描きます。
自分が泳いでいる姿を俯瞰してみるような感じです。
世界水泳の中継みたいに、自分の外側から自分の動きを見ます。
そうすることで体全体がどう連動して理想の動きができるのか思い描きます。
もし実際に泳いでいる動画を撮ってもらえるなら、それとイメージを見比べると良いかもしれません。
「自分ってこんなふうに動いていたのか」、、、、イメージとのギャップを感じるかもしれません。
思考は現実になる
「思考は現実になる!」ってよく自己啓発本とかに書いてあると思います。
これはある程度当たっていると思います。
もちろん、必ずしも全員が目標を達成できるわけではありません。
でも、まずは思考・イメージがあってから行動があります。
日々の思考・イメージ→行動が積み重なって生きています。
まずは思わないことには動きません。