水泳では、「前に手を伸ばそう」「伸びよう」という感じで、「伸びること」をすごく強調されます。もちろん伸びることは非常に重要です。ですが、もっと大事なことは自分にとって一番力が入るところと抵抗の少ないところのバランスを探していくことです。
特に初心者の頃は体が縮こまりやすく、伸びる意識があって初めて「ちょうどいい」感じだと思う。
中上級者になってきても、後半に疲れてきたり、調子が悪い時なんかは縮こまりがちな人もいて、伸びる意識というのは非常に役に立つ。
とは言え、伸びるばかりが良い訳でもなく。
伸びすぎてもダメ。
自分にとって最も力が入りやすいちょうど良い塩梅を見つけることが求められます。
伸びるっていうのは、全体的に縮こまる傾向があるからこそよく言われるのであって
どこまでも伸びれば良いという訳ではないんじゃないかなと思う。
自分にとっての最適位置まで伸びれていないなら、「伸びる」
伸びすぎているなら、、、「伸びる」じゃない気がする。
特にストロークでこの考え方は大事だと思うので、考えてみたい。
自分にとって最も力の入るところは?
短距離、長距離関わらず、
泳法にも関わらず、
まずは前で水をキャッチして、後ろに掻きはじめます。
この水をキャッチする位置、手を入れる位置。
できるだけ遠くで水を捉えたいのは事実。
でも、遠ければ遠いほど良いのかと言われても微妙なところ。
遠くで水はキャッチしたものの、あまり力が入っていないなら、「力強いストローク」はできない。
本当に手のひら半個分とか、1個分とかわずかな差だとは思うけど、その差で力の入り具合は大きく変わってきます。
テンポの早い泳ぎをするのであれば、「最も力が入りやすい位置」を見つけるのは尚更必要。
エントリーしてすぐ水を掻いていきますから。
わずかな差の積み重ねで最終結果が変わる
手の平半個分とか、1個分のわずかな差で力の入り具合が変わる。
1ストロークであれば本当にわずかな差だと思います。
でも、25mなら10ストローク前後、100mなら?200mなら?
積み重ねって恐ろしいもので、1ストロークごとのわずか0.001秒とかそういうのの積み重ねが最終結果に響いてきます。
タイム的なことばかりでなく、ほんの少しだけ毎回効率よく体を使えていれば、後半のバテもましかもしれません。
抵抗を減らすことは大切だけど、それだけが水泳ではないと思う
水泳といえば水の抵抗を減らす努力がかなり大切です。
とはいえ、抵抗を減らすことだけしていれば良いというわけではなく、
力強いストロークやキックを打ち、推進力を大きくすることも必要になる。
どちらかだけに偏ってもダメ。
強いストロークはできるけれど、そのせいで姿勢が崩れて抵抗が大きくなると進まない。
100%両立できるというのはなかなか難しいかもしれない。
抵抗を減らすこと、推進力を大きくすること
今できる範囲でちょうど良い落とし所を探していくのがベストな気がする。
どちらも磨いていく中で、そのできる範囲はだんだん大きくなっていくと思う。
何でもバランスの探究は永遠。
こうすれば必ず成功するという法則がないから努力や試行錯誤というのが存在しているように思えます。
自分にとって丁度良いバランス。
そこを見つけるのが非常に難しい。
見つけてキープするのがこれまた難しい。
年齢、体調、気分、感覚、様々な要員でバランスは日々変化するから。
だからバランスの探究は永遠だし、高度になればなるほどわずかな揺れを感知できるようになって繊細になる。
だから楽しいってのもあると思います。
どうか自分の体に敏感に。
丁度良い落とし所を探してみてください。
「伸びること」ばかりで、力が入らないなら、少し縮んで見るのも良いと思いますよ。
縮みすぎたら、また伸びてください。
以上です。