ベストタイムが出ないのは単に練習不足なのではなく、疲労回復が追いついてないというのもある。本当にその方法って疲労回復につながるのだろうか?よく使われる回復手段5つについて、本当に効果があるのか?科学的に現在わかっているところを紹介します。
ちょうどこの記事を書いている今は6月の中旬。高校生ならインターハイにつながる各種都道府県大会が、中学生や小学生も来月にはジュニアオリンピック突破のラストチャンスがある。結構大事な期間。せっかく積み上げてきた練習やトレーニング、無駄にしたくないやん。
目次
今回紹介する回復方法一覧
こ

どれもみんなやったことあるんじゃないだろうか??
⚫︎ストレッチ
⚫︎フォームローラー
⚫︎マッサージ
⚫︎軽い運動(アクティブレストやダウン)
⚫︎冷却
大前提にジュニアスイマーが疲労回復のためにやるべきこと

今から言う3つは検証するまでもありません。
・めっちゃ食え
・しっかり風呂入れ(可能なら交代浴)
・めっちゃ寝ろ
・休まず練習は自己満足、限界の日はサボれ
大切な試合の期間、どうしても体がだるい、眠れていない。
でも朝起きて学校に行かなきゃいけない、、、
行かなくていいよ、寝ろ(笑)
学校の勉強なんて1日休んでもすぐ取り返せる。
でも、一生のうちJOは1つの年齢でチャンスは2回(春夏)、インターハイは3回。
土下座しようが大金積もうが「もう一回は無い」。
勉強?受験?合格するまで何回でも受けれるやん。
ここ1番に疲労がすごい時は練習休め!!
そんな状態でやっても頑張りきれない。
人生でそれくらいの判断はできてほしい。

ストレッチに万能さを求めすぎな件
回復のためにストレッチ!!
ストレッチしたら速くなる!パフォーマンス上がる!
ストレッチ毎日頑張る!!
でも実はストレッチに疲労回復や筋肉痛の軽減効果はそこまで支持されていません。

基本的にストレッチは「柔軟性を向上させるもの」であってリカバリー目的としては大したことがないようです。
ストレッチをして怪我が減ったりパフォーマンスが向上するのは、柔軟性の向上によるもの。柔軟性が低かった子がそれをすることによって今までより大きな動きができたり、ケガの確率が減ったにすぎない。
決してストレッチで疲労が抜けているわけではないんですね。

フォームローラーは痛みへの〇〇が上がるらしいw
こういうやつですね。
みんな大好きフォームローラー。
ゴロゴロするやつですね。
試合会場に行くとそこかしこにチクワ、、、、、フォームローラーが転がっています!
さて、果たしてこれに疲労回復効果があるのか否か。
結論、微妙。
じゃあ、これをすると体はどうなっていくのかと言うと
✅商品説明などで謳われているように、この程度で筋膜はリリースされない。筋膜のリリースは半端ない力が必要なので一般人や設備では無理。
✅疲労回復というよりも、痛みに対しての耐性が高まるのでそれが運動中に活きてパフォーマンスは上がることがある。
つまり、痛みに対してちょっと鈍感になるんです。競泳でも筋肉が引き伸ばされる痛みやレース後の筋肉の痛みがあったりします。それに対しての耐性が上がるので、試合や練習の時に持っていくのは賛成ですね。
でも、家帰って寝る前に、、、、

個人的には家でのセルフケアならチクワ転がすよりも、後述する「マッサージ」と似たような効果を得るために、こういった製品を痛い部位に当てて圧をかけてる方がおすすめです。ゴロゴロと転がす必要もないですね。
🔻🔻
「かたお」
僕はもっと硬いやつ(笑)
「どつぼ」
マッサージの難しさは自分で無理なのとセラピスト次第
マッサージは明らかに疲労回復や筋肉痛の軽減に効果があります。
ただし、難点がいくつかあります。
✔︎自分ではできない部位も多いし、できたとしても素人でもみ返しのリスクあり
✔︎マッサージをしてもらいにいくって毎日は現実的に難しいかも
(月1程度継続しつつ、大事なここぞの試合の前に集中的に通うのはおすすめ)
✔︎優秀なセラピスト探しが難しい

神だらけで選べない。
我々素人からの切なる訴えです。
どうにかしてください。
とりあえず、マッサージはとても良い。
オフの日などに回復目的で「軽い運動」をわざわざする必要はない
アクティブレストと呼ばれることもありますが、オフの日などに軽い強度の有酸素運動をすることで血流を回して疲労回復を図るという手段があります。
でも、これ、、あんまり意味がないようです。
激しい運動をした後に軽い運動を挟むこういった介入では、
その日のうちの運動パフォーマンスや疲労感の軽減には役立ちますが、翌日の疲労感などを解決はしないようです。
つまり、水泳で言えばレースの後に数時間後の次のレースに向けてダウンをするのは効果的。
ただし、オフの日に回復目的で運動しても無駄。
さらに、練習後の最後にダウンで軽く数百メートル泳ぐことがありますが、これも長くなりすぎると筋肉の中にあるグリコーゲン(エネルギー)の消耗につながるため、ダラダラと距離が長くなりすぎない方が良いらしい。
冷却は使いどきが難しいみたい
最後に紹介するのが「冷却」。
いわゆる「水風呂」「アイスバス」にドボンするか「アイシング」で冷やすかですね。

これに関しては運動後できるだけ早く行うことで疲労回復の効果があります。
ただし、「筋肉の成長」を妨げてしまう可能性もあるようです。
筋肥大や持久力トレーニングの効果を減弱させてしまうこともあるみたいです。
なので、常用するってよりは「え、、、やっば今日の練習やっば、、、え、、、」みたいな
えげつない時に冷やしちゃうってのがいいかも(笑)
それ以外の時は、最初に述べた「しっかり食べる、寝る、風呂、休む」が基本。
余裕がある時に、セルフで揉めるグッズの利用やマッサージに定期的に通うって感じですね。
もしも高校生に戻れるなら自分が取る回復手段

もっとこうしてたら、よかった。
だって知らなかったんだもの。
というわけで自分が高校生に戻るなら
✅月1回マッサージ予約
✅試合の多い月はマッサージ2回
✅何もしなくても柔軟性高いのでストレッチキャンセル
→睡眠時間確保
✅毎日交代浴(冷水シャワー✖️入浴3往復)
✅就寝前にほぐす(https://amzn.to/440EGAy)
→副交感神経優位で寝落ち
✅週1回スーパー銭湯
✅練習は週4回に減らす、ジムを週1回で全身(合計5日)
✅栄養面の改善
✅睡眠時間の確保(9時間)ロングスリーパーのため

けど、泳ぐだけが努力ではないとやっぱり思います。
泳ぐ以外の方法も全て駆使して身体能力と技術の向上を図り、
コンディションを整えて本番に挑む。
多分、1回1回を頑張り切れることが何より大切。
*主要参考文献
「アスレティックパフォーマンス向上のためのトレーニングとリカバリーの科学的基礎」
平山邦明 編 2024 第4刷 文光堂
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