初心者さんが練習をしてもなかなか泳げるようにならない原因や、なかなか上達できなくてスイミングや学校のテストに合格できない根本的な原因は何でしょうか?決して本人の努力不足というわけではありません。これは年々子供たちの体の使い方が下手になっている社会環境的な問題でもあります。
体の使い方が下手になっている
年々、子どもたちの体の使い方が下手になってきていると言われています。
別に生まれつき体の使い方が下手な子ばかりが生まれているわけではありません。
後天的な環境要因が大きいです。
発達障害と言われるようなお子さんもレッスンで見ているので、生まれつきの不器用さはあります。
それは否定しません。
それでも、粘り強く練習をして25mクロールで泳げるようになったお子様もいらっしゃいます。
これは明らかに後天的な環境でなんとかなるという証。
環境要因としては
遊びの環境が制約されてきたり、昨今はコロナのこともあって外で遊ぶ機会が減っていることが挙げられます。
子ども達は基本的に遊びを通した活発な運動で運動機能を発達させていくからです。
自由度の高い遊びという状況で、自分の意思と試行錯誤で体を動かすことで発達していきます。
泳げるようになる、上達するために最も重要な要素は
自分の体をコントロールする能力です。
どれだけイメージ通り、自由に自分の体をコントロールできるか。
的確なアドバイスを耳で聞いても、体がその通り動かなければ意味がありません。
指導者側として大切なことは、水泳の決まった形を教えるだけでなく
いかに体をコントロールする能力を高めてあげられるかも大切です。
誤解したくない、知能と運動発達の関係
学校で取り組む勉強が不要とは言いませんが、学力だけが知能ではありません。
体を動かすことも知能の1つです。
どういうことかというと、体を動かすことも勉強をすることも脳によるものだからです。
そしてどちらも同じプロセスを踏んでいます。
「どうすればもっと上手く動かせるだろう」
「お手本のあな動きはどうなっているんだろう」
「こうやって動かせば上手くいった」
試行錯誤していくこの過程は、学校での勉強と同じか、場合によってはそれ以上に脳を使っています。
アウトプットの方法が異なるだけです。
将来のことを考えて、幼少期から机での勉強に割く時間が増えていますが、知能はそれだけではありません。
より様々な方法でのアウトプット機会を与えてあげて、偏らず総合的に心身を使うことの方が後々大きな利があります。
スポーツで上手くいく人は他の分野でも上手くいくことが多いです。
それはなぜかというと、脳がアウトプットする対象が異なるだけで基本的なプロセスは同じだからです。
対象の向け方が違うだけですね。
体の使い方を改善するには?
少し話が飛びましたが、体の使い方を改善するにはどうすれば良いのでしょうか。
これはシンプルに体を動かす機会を増やすことです。
子供のうちはできるだけ「楽しく」動かす機会を増やしてあげてください。
外で遊ぶ時間と場所を確保できることがベストですが、そうもいかない場合もあるかと思います。
習い事をさせてあげるのも良いとは思いのですが、「楽しい」をメインに教えてくれるのが良いかと思います。
上手に泳げるようになるためには特にどんな要素が必要?
では、上手に泳げるようになるにはどんな要素が必要になるのでしょうか。
「全ての運動能力」と言ってしまえば元も子もありませんが、あえてピックアップしたいと思います。
バランス能力
まず1つはバランス能力。
水泳は、無重力に近い水の中で行う運動です。
地面に足がついていないことで、地上にいるよりもバランスを取りにくくなります。
しかも、陸で立っている時とは明らかに違う体勢です。
脱力する能力
「力が強い=運動が上手」というわけではありません。
力の強弱を適切なタイミングと加減で調整できることが運動の上達には必要です。
その組み合わせや切り替えで運動が成立していきます。
水泳でも力を抜くべきところと、入れるべきところがあります。
結論
結論を言うと、「たくさん体を動かして欲しい」に尽きます。
私たちF.O.R.M.Sスイムクリニックでも、指導時にはバランスや脱力の要素を高めることができるメニューを取り入れています。
他にも、陸でのパーソナルトレーニングを通じて体の使い方を学んでもらったりしています。
もしお悩みのようでしたらスイムレッスンやトレーニングについてお気軽にご相談ください。