水の感覚を良くする練習といえばスカーリング。ですが、一般的なスカーリングを漫然と繰り返して練習しているだけでは限界があります。手の練習なわけですから、厳格にキックを打たないようにすることや、レースペースで水をキャッチできるようになるためにスピードを上げて行うことも重要なことです。今回は水の感覚を良くするための作戦を前回に続いて書いていこうと思います。
バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、クロール。
どの泳ぎが専門の選手も必見の内容です。
進んでいる気になっていないか
スカーリングの練習をしている理由は何でしょうか。
それはなんといっても手で水をつかまえ、前に進んでいくスキルを磨くためですよね。
これを改めて認識しておく必要があります。
では、何に気をつけないといけないか。
それはスキルの上達をしっかりと感じ取れる、結果として分かるようにしなければなりません。
余計な要素が入らないようにしなければなりません。
では、何で判断するか。
感覚の話であり、水の中での進み具合ですから、
①進んでいる感覚
②手の重みや手触りなどの感覚
③時間(後の章で解説)
などが挙げられます。
では、余計なものは何か。
それは手以外から得られる推進力に他なりません。
そう、スカーリング練習中にキックを打ってしまうことです。
多くの方はプルブイを挟んでスカーリング練習をしていると思います。
プルブイを挟んでいるならキックを打たないはずですが、どうしようにもフワフワっとキックを打ってしまっていることがあります。
これを厳格に行わないようにしてください。
きちんと手だけでどれだけ進んでいるか。
それが大事です。
キックを打ってしまっている程度も毎度のこと違うだろうと思います。
キックの力を使ってしまっていて、「進んだ」と感じないように。
タイムを取ろう
スカーリング練習でもタイムをとってください。
ゆっくりとフォームを気にして行う練習も大切ですが、スカーリングでハードで泳ぐことで成長を客観的に評価できます。
25mなり50mなりのスカーリングのタイムが上がっているかどうか。
これは1つ水の感覚が良くなったかどうかの判断材料になります。
伸び悩んだら、「どうしたら良いのだろう」と考え、さらに感覚に向き合いながら練習ができます。
このメニューの時も、もちろんキックを打ってごまかさないことです。
もう1つ、この練習をやってもらいたい理由があります。
それが、「実際のレーススピードのときに水を掴む感覚を鋭くするため」です。
結局のところ、試合での泳ぎのスピードの中での水の感覚を良くしたいわけです。
そうであるならば、やることは明快です。
そのスピードでも水を捉えることができるように練習することです。
見栄を張らない
今回紹介した2つの方法は、「感覚」という個人的なものです。
さらに、その上達も誰と比較するわけでもありません。
そのスキルを使った泳ぎは競争することがありますが。
ですから、練習において見栄を張らないようにしましょう。
客観的に、厳格に見て自分はスカーリングのスキルが向上しているか。
スカーリングのタイム測定の結果は伸びているか。
自分の中でしっかり変化があるかどうかを判断してください。
それがきちんとできるのであれば、ハードでチームメイトと競争するのも良いと思います。
次回も水の感覚を良くするシリーズです。次回で最終です。