初心者、上級者に限らず、「大きな泳ぎをしたい」「肩を柔らかく使いたい」というのはスイマーにとっての理想的な状態かと思います。もちろん、個々の肩、肩甲骨の柔軟性も影響していますが、実は頭の使い方だけでも改善する場合があります。泳ぐ時にアゴ、上がってませんか?上がってたら引いてみて。
頭の位置を整える
ブログでは何度も言っているかもしれませんが、アゴが上がった姿勢で泳ぐことで体が動きにくくなります。
今まではアゴと背骨の関係を中心に、全体的な姿勢について述べてきました。
でも、実はこれって肩の動きにも関係しています。
ブログを読みながら試して見てください。
*元々可動域が大きい人は実感しにくいかと思います。
①アゴをあげて天井を見ます。その状態で片腕をできるだけ上に高く伸ばしていきます。
②アゴを引いて正面を見ます。その状態で片腕をできるだけ上に高く伸ばしていきます。
はい、どっちが腕を伸ばしやすいですか?
おそらく②だと思います。
これ、泳いでいる時の状態と同じじゃないですか?
泳ぎに置き換えると、①が正面を見ながら泳ぐ。
②はプールの底を見て泳ぐ状態。
①のアゴが上がりきった状態では、何だか首のあたりが「詰まる」感じがして動きにくいと思います。
②の状態はその詰まり感が少ないと思います。
試しに腕をグルグルと回してみてください。
より、動きの中での違い=ストローク全体の動きやすさを実感しやすいかと思います。
とは言え、「完全には下を向いて泳げない」という人もいらっしゃるかと思います。
実際、そこは個人差があって良いと思います。
程よいところを見つけるには、完全にアゴをひいたところorアゴが上がったところから徐々に頭の角度を変えていき、
目線、動きやすさ、そのちょうど良い落とし所を見つけていってもらえれば良いかなと思います。
とにかく、アゴが完全に上がった状態=完全に前を向いている状態が最も肩が周りにくいです。
アゴ上がり率を何%にするかは個人の自由です(笑)
筋肉がたわんだ状態になる
では、なぜ動きにくくなるのか。
その理由を書いておこうと思います。
泳いでいる時、特に腕を前に伸ばす時。
主に、クロール、バタフライ、平泳ぎのリカバリー〜キャッチにかけてが最も分かりやすいと思いますが、
この時に肩甲骨が上方回旋という動きをします。
過去記事に使ったと思われる画像を発見しました。
徐々に肩甲骨が上に向かいながら回っていくのがわかると思います。
光の加減もあり、右側が分かりやすいと思います。
この動作には様々な筋肉を使います。
その中でも、首すじにある僧帽筋の上部繊維に今回は着目します。
僧帽筋の上部繊維は、後頭骨から始まって鎖骨外側1/3に付着しています。
左だけ表示しています。
両方合わせると十字架のような形をしています。
後頭部から肩にかけてついている部分(十字架の上の方)が上部繊維です。
ポイントは後頭骨。
頭。
本来は収縮して肩甲骨を上に持ち上げることで、後頭部と肩の距離を縮める働きがあります。
ですが、アゴが上がった状態というのは本来とは反対の順番(頭を肩甲骨に近づける)で僧帽筋が縮みますします。
「縮む」と表現したのは「収縮」とはまた別だからです。
収縮というより、たわんだ状態になります。
収縮=本来の使い方をした時と思ってください。
アゴが上がってたわんだ状態から僧帽筋を収縮させて肩甲骨を持ち上げようとするため、既に動きの余裕がなく、動きづらいということになります。
陸で立っている時は完全にたわんだ状態になります。
泳いでいる時は、体が倒れるので、重力のかかり方が変わります。
たわんだ、もしくは詰まった状態というのが分かりやすいかもしれません。
そんな感じで、動きにくくなります。
今日は以上です。