先日、指導に関するちょっとした学びの機会がありました。自分としては、当たり前の内容であり、改めて言われずともそうしていたのですが、「そんなこともわからない人が指導者にいるのか」と思った内容があるので、ここでシェアしたいと思います。指導のつもりが指摘や非難になっている人がいる。
これは本当に当たり前のことかもしれませんが、
今現在、指導者をしている人は改めて心に刻んで欲しい。
これから指導者を目指す人は絶対に覚えておいて欲しい。
選手や生徒、後輩の立場の人は指導者や先輩選びに使って欲しい。
指導・指摘・非難
皆さんは 指導・指摘・非難 の3つの違いを知っていますか?
そして、もし指導者であるならば、「指導」がちゃんとできていますか?
指導を受ける立場の方も、今受けている指導を思い返してみてください。
ではシンキングタイム。
1分くらいは考えてね。
ではまず、指導から説明していきますね。
指導とは、間違っているところやできていないところを伝え、解決策を提示したり、共に考えたりして目的地へ導くことです。
例)「今のクロールは息継ぎで上を向きすぎていたから、もう少し目線をプールサイドの方へ落とすといいよ」
指摘とは、間違っているところやできていないところをただ伝えるだけです。
例)「今のドルフィンキックからの浮き上がり、遅かったよ」
非難とは、できていないところや失敗を取り上げて、人格を否定してしまうことです。
例)「そんな練習メニューも回れないなんて今まで何してたんだー!何考えてんだー!」
さあ、どうでしょうか。
指摘や非難ばかりをしていませんか?
指導者に指摘や非難ばかりされていませんか?
結局のところ指導とは、冷静に解決策を提示したり、考える道筋をサポートしたりせねばなりません。
「そんな練習メニューも回れないなんて今まで何してたんだー!何考えてんだー!」
こんなの指導者じゃなくても言えます。
甲子園で阪神の選手に野次を飛ばしているおっちゃんと変わりません。
むしろおっちゃん達の方が愛もあるしお金も払う側なので何倍もまし。
非難されて発奮する選手もいるかもしれませんが、根本的な解決になっていません。
「どうやったらこの練習メニューを回れるようになると思う?」と自分と選手に問いかけねばなりません。
体力的に未熟なのか、コンディションが悪いのか、精神的に何か問題があるのか、もしかすると今朝は寝坊して朝ごはんを抜いてきたのか。
様々な可能性を考え、「じゃあこうしてみよう」「それができるようになるにはこれこれが必要」と解決策を示す。
もしくは選手が「こうしてみれば良いのか」と考える手助けが必要です。
もしもその解決策として、「しかること」「非難すること」が必要となった場合はそれも正解かもしれません。
でも、本来それを効果的に、そしてきちんとした理由を持ってできて、結果を導ける人はほんのひと握りのはずだと思います。
多くの場合は、指導側が思考停止せずに知識をつけ、考え、よく観察をすれば「非難」という選択肢は取れないはず。
スポーツの指導に限らず、勉強でも会社の上司でもなんでも、指導側になる人は見直したいマインド。
そして、指導者自身も学びを辞めてはいけませんね。
実は「非難」よりタチが悪い「指摘」ばかりの指導者
「非難」をしている指導者は、分かりやすいです。
自ずと人は離れていくし、結果もついてこない。
なにせ、人格の否定ですから会社ならパワハラで問題になります。
分かりやすい分、まだまし。
実は「指摘」の指導者の方がタチが悪い。
というのも、本人に自覚が無いから。
できてないところを見れるし、人格は否定してないし、嫌われない場合もあるから本人が自覚しにくいんですよ。
自分が指導をしていると勘違いしやすい。
たまたま、選手が自分で解決策を見出すと、さも自分の指導のおかげと勘違い。
指摘って、言われた側は困るだけで、解決策を見出せないんです。
「今のターン、遅かったよ」
これは完全に指摘。
何がダメ?どうしたら速くなる?それが抜けてます。
「今のターン遅かったよ。もっと速く!」
これでも指摘です。
その「もっと速く」ができないから困っています。
遅いから速くしよう
これ、一見解決策を提示しているように見えますが、全然そんなことないです。
遅い原因は何で、どうすれば速くなるか。
「今のターン遅かったよ。頭が上がり過ぎてたからじゃない?ターンの時もアゴを引いておくといいよ!」
「今のターンは自分なりにどうだった?何が良くなかったと思う?」
「速い人は頭の位置が低いけど、どうやったら低くなると思う?」
これくらいは言わないとダメだと思う。
指導のイメージとは?
指導と聞いて皆さんはどんなイメージですか?
指導する立場
指導される立場
それぞれでどんな言葉や感情が思い浮かびますか?
これもまた考えてみてください。
怒られる?
怖い?
叱る?
厳しく?
もしそんな言葉ばかり出てきたら、
指導者ならちょっと立ち止まって考えた方が良いかもしれない。
指導される側なら、すぐに逃げた方が良いしかもしれないし、将来的に自分は他人にそういう接し方をしない方がいいかもしれない。
ちなみに僕は、
「伴走者」「案内人」ってイメージです。
一緒に走ります?笑