皆さん脂質をしっかり摂っていますか?脂質と言えば「太る」「カロリー高い」「体に悪い」そんなイメージかもしれませんが、全然そんなことはありませんよ。もちろん良い脂質、悪い脂質はあります。悪い脂質は百害あって一利なしかもしれませんが、良い脂質はガンガン摂って欲しいですね。
【内容】
1.言葉に騙されちゃダメだよ
2.体についている脂肪
3.脂質の役割
4.悪い脂質とその食品
5.良い脂質とその食品
言葉に騙されちゃダメだよ
「脂質」という言葉には「脂肪」と同じ「脂」の字が含まれているので、「脂肪がつく」「太る」そういった考え方をしてしまいがちです。
しかし、実際はそうではありません。
もちろん常軌を逸するレベルの食べすぎは良くないかもしれませんが、脂質は私たちが生きていくうえで必要不可欠です。
多くの人が思っているよりもしっかりした量を摂らなければいけません。
実は、脂質を多くとり過ぎた場合に肥満になったという報告よりも、炭水化物を多く摂りすぎた場合に肥満になったという報告の方が多いのです。
これについて話すと20~25万年前にホモサピエンスが誕生した頃から解説することになるので今回は詳しく書きませんが。
簡単に言うと、人類が誕生して25万年、農耕を始めて高密度の糖質を摂取するようになってせいぜい数千年。
まだ人類は糖質メインの食事に完全には適応していないんです。
体についている脂肪
私たちの体についている脂肪は、食べた食事のうち消費しきれなかった余剰なエネルギーです。
それを脂肪として蓄えていきます。
そして、現状余計なエネルギーとして摂取している多くが炭水化物から来ています。
お米、パン、麺類、お菓子、全て炭水化物がメインの食べ物です。
脂質で太っているのではなく、糖質で太っているんです。
太るということに関しての黒幕は糖質です。
糖質は極端に減らしても大丈夫ですが、脂質を極端に減らすと心身ともに健康被害が出ます。
少しだけ脂肪について余談。
脂肪は悪さばかりではなく、体温の維持や活動のためのエネルギーとして必要になります。
他にも脂肪から出るアディポカインと呼ばれる様々な物質のはたらきで私たちは生かされています。
ちなみに体脂肪率が3%を切ると死ぬと言われています。
体脂肪率が1ケタ台だと腹筋はバキバキで格好良いかもしれませんが、体調も崩しやすくなります。
ほどほどにつけておきましょう。
脂質の役割
では、食べ物から取り入れた脂質の本来の役割は何でしょうか。
後で紹介しますが、この場合の脂質は「良い脂質」の場合です。
良い脂質とは「食材から素直に取り入れた脂質」です。
【脂質の大切な役割】
脂質が無いと人間の細胞は形作られないと言っても過言ではありません。
また、身体の中を流れる様々なホルモンの材料としても脂質が使われています。
もちろん体温の維持や活動に使うエネルギー源にもなります。
脂質は必要に応じて体にも蓄えられます。
ですが、そればかりに気を取られている人が多い。
それ以上に細胞やホルモンの材料になるという役割の方が大切なのに、なんでもノンオイル、脂身はカットという生活をしていると心身への不調は免れません。
良い脂質に関しては思っているよりもしっかり多めに摂って大丈夫です。
太りたくないのであれば、炭水化物と悪い脂質から優先的に減らしてください。
悪い脂質とその食品
では悪い脂質って何でしょうか。
栄養学的な言葉で表現すると、トランス脂肪酸です。
完全に断ち切るのは不可能に近いかもしれませんが、できるだけ取らないようにして頂ければなと思います。
トランス脂肪酸とは、天然の動植物の油脂を加工する段階で多く発生してしまう脂肪酸です。
常温で液体として存在している油脂に水素を添加して個体や半固体にする段階で発生します。
他にも臭いを取るための高温処理によってトランス脂肪酸が発生します。
トランス脂肪酸の摂取は動脈硬化等へのリスクがあるため、控えるべきです。
大丈夫だという人もいますが、不必要、不自然に加工したものを食べるというのは体になんのメリットもありません。
そして、今すぐに影響が出なくても数年先に出るということも十分に考えられます。
トランス脂肪酸が含まれている食品としては下記のようなものがあります。
マーガリン、サラダ油、ジャンクフード、スナック菓子、パン(種類による)などです。
最近ではトランス脂肪酸無しで作られたものも増えてきているので、そちらをおすすめします。
ちなみに、買った商品の原材料名に植物性油脂と書いてある場合は注意が必要です。
良い脂質とその食品
一方で良い脂質とは何でしょうか。
栄養学的な言葉を使えば必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸だとかオメガ6脂肪酸だとか言いますが、もっと簡単に覚えましょう。
「不自然な加工をしていない脂質」です。
悪い脂質は水素を添加して無理矢理固体にしたり、臭いをごまかすために高温での加熱をしたり。
その一方で、良い脂質は搾って抽出していたり、不要な加熱をせずに作られます。
もしくは、食品をそのまま食べることで自然と取り入れることができます。
オリーブオイルやアマニ油、お魚、豆類、ナッツ類、卵、バターなどが良い脂質になります。
これらの脂質は控えすぎる必要はありません。
むしろ積極的に摂取すべきです。
先にも述べましたが、太りたくないのなら、良い脂質よりも炭水化物をまずは控えめにした方が良いです。
細胞膜とホルモンをしっかり作ってください。
以上です。