ブログを書き始めてもう2年近く経つでしょうか。定期的に読んでくださっている方もいらっしゃるようで、大変感謝しております。一応、水泳や体のこと、トレーニングのことをメインに書いているブログですが、もっともっといろんな角度からそれらについて有益な情報を提供できないかなといつも思っています。
自分のビジョンである「指導者がいなくても自分で試行錯誤できるようになってもらう」というのをどうすれば実現できるか。
そう考えた時に、僕が実際に読んでみて「良いな」と思った書籍や情報源を紹介するのも1つだと感じました。
というわけで、今回を機に書籍についても紹介していこうと思います。
まず初回は
「君もチャンピオンになれる」という本です。
水の怪物、マイケル・フェルプスを育てたボブ・ボウマンコーチの本です。
本の内容を完全に書くことはありませんが、読んだ感想や概要を書いていきたいなと思います。
10個の「ゴールデンメソッド」
この本は、ボウマンコーチの指導理念である「ゴールデンメソッド」を軸に書かれています。
ゴールデンメソッドは10個のルールからできるボウマンコーチ独自の指導方法で、もちろんフェルプス選手はそれを忠実に守ったそうです。
本の中ではフェルプス選手のエピソードを絡めながら、ゴールデンメソッドについて詳しく書かれています。
ゴールデンメソッド自体は決して理解不能で難解なメソッドではありません。
やること自体は単純で分かりやすいです。
何が大変かというと、それを続けることかなと思います(笑)
ゴールデンメソッドは水泳だけに関わらず、仕事や勉強にも使える内容です。
何かしらの目標を達成したい人にとっては、今後の自分の取り組み方を見直させてくれる良いきっかけになる本だと思います。
指導論の本と言うよりは「自分でもこうすれば実践できるよ」というテイストが強いので、指導者だけでなくプレーヤーにも読んでいただきたい一冊です。
当たり前を続ける大変さと強さ
正直、ゴールデンメソッドの内容は目新しいものではないかもしれません。
フェルプス選手が実践していたくらいだから、きっと他の人とは違う何かがあると思われがちですが、そんなことありません。
例えば、第一章に書かれている「明確なビジョンを持つこと」。
そんなこと言われなくても分かっているという人も多いと思います。
ですが、本当に分かっているでしょうか。
具体的に実践する方法まで分かっているでしょうか。
フェルプス選手ほどに「明確なビジョンを持つ」取り組みをできているでしょうか。
他のルールについてもそうです。
「それは言われなくても分かっている」って思うかもしれません。
でも、この本に書かれているほどに実践はできているでしょうか。
フェルプス選手を始め、この本に出てくるトップスイマー達ほどに徹底したメンタリティで過ごせているでしょうか。
本当に徹底していますよ。
「当たり前のこと」を徹底的にやり通す力。
圧倒的な量と、高い質でそれを繰り返す姿勢。
目標が大きければ大きいほどそれが重要になります。
大変なことをやる気にさせてくれる本
こんな風に書くと、きっと「ゴールデンメソッドは大変なんだろうな」と心が折れてしまう人もいると思います。
でも全然そんなことないんです。
ボウマンコーチの優しくも力強い言葉によって、なんだかできそうな気がしてきます。
きっとそれはボウマンコーチが選手にゴールデンメソッドを押し付けるだけでなく、自身も実践しながら生活されているからだと思います。
だからこそ大変さや失敗が分かるんだと思います。
なんだかわかる気がします。
僕がマスターズの大会に出る目的も、自分の楽しみ5割、選手の大変さを忘れないため5割です。
定期的に苦しい思いをする(試合で撃沈したり日々の練習)、目標を決めて楽しむ、スタート台の上で緊張する、そんな気持ちを忘れない為です。
日本人には少しわかりにくい言葉2つが出てくる
日本語に訳された本ですが、少し我々日本人には分かりにくい概念の言葉が2つほど出てきます。
アメリカ人には概念的に理解されているためか、その言葉についての詳しい説明はありません。
まず1つめが「エクセレンスの実践」です。
エクセレンスは簡単な日本語にすると「卓越していること」という意味です。
ボウマンコーチは「日々のエクセレンスを実践するんだ」的なことを言っています。
僕も何気にニュアンスで分かるのですが、上手く言葉で表せません。
「毎日、毎回の練習、1ストローク1キック、気を抜かずとことんやれたか」という感じでしょうか。
そこには目標に対する本気度が現れるのだと思います。
もう1つが「オールイン姿勢」です。
オールインというメンタリティでいることが成功への近道だとボウマンコーチは言います。
これは本の中にも書かれていますが、「自分の全てを賭ける姿勢」です。
でも、「自分の全てを賭ける姿勢」っていったい何だろう考えると難しい。
それはきっと一言では表せません。
本の中でも、一言で表すというより、選手たちの具体的なエピソードをメインに描かれています。
それを読んで「自分の全てを賭ける姿勢」ってこんな感じだなって感覚をつかんでいただけると、日々の行動が変わると思います。
最後に:目標について考えさせられた
この本を始めて読んだ時、自分の目標は何だろうと考えました。
競泳を頑張っていた頃は「○○秒が出したい」「○○君に勝ちたい」
受験勉強をしている時は「○○大学に合格したい」
研究をしている時は「論文を書ききりたい」
結構やるべきことと期間が具体的でした。
今の自分の人生最大の目標はそれとはまた異質なものだなと思います。
「生きるとは何か?」「人生を幸福に過ごすとは何か?」という追及をしたいというのが目標です。
答えやゴールの無い目標なんですよね。
富や名声、物欲に対してほとんど興味がないんです。
そういう意味では具体的なビジョンが描けないんですよね。
ではお仕事での目標は何か。
それはもちろん、生徒さん、クライアントさんの目標が達成されることです。
そのために全力を尽くすこと。
それはきっと自分の目標を達成するためにも最重要なことかなと思います。