クロールを2ビートで泳ぐ①手足のタイミング

クロールを2ビートで泳ぐには、手足(キックと手のかき)のタイミングと姿勢が重要になってきます。今回はキックと手のかきのタイミングについてご紹介していきます。ポイントは手が前にエントリー(水の上から戻ってきた手を前の水に入れる)した時に反対側の脚のキックが入ることです。

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2ビートとは2回のストローク(左右の手のかき)につき2回のキックで進んでいくことを言います。

通常のクロールであれば2回のストロークにつき6回キックを打ちますが、それを大幅に減らした状態です。

 

*今回の内容が必ずしも結果を保証するものではありません。

皆様の泳ぎが改善するヒントやきっかけになれば幸いです。

2ビートと通常のクロールでは何が違うか?

2ビートでクロールを泳ぐ場合、キックの回数が減るので単純に推進力、浮力を得る機会が少なくなります。

すると、いかに効率良く2回のキックで作った推進力と浮力を使うかが重要になってきます。

そのためには、ストロークとキックのタイミングを合わせること、姿勢を真っ直ぐに保つことが重要です。

そういった注意点はありますが、2ビートで泳ぐことを習得すればキックを減らすことができるので楽に泳ぐことができます。

キックをたくさん打つとどうしても心拍数が上がりますし、エネルギー消費も大きいです。

 

2ビートで泳ぐ場合には、全力でキックを打った時ほどの速度は出ません。

50mや100mのレースで2ビートで泳ぐ人がいないのもそのためです。

クロールでの推進力の7割が腕のストロークによるものだとされているのに不思議ですね。

数年前に話題になった日本の研究で、キックはそこまで推進力に貢献していないということが示されましたが(1)、研究にはいろいろと制限(条件をそろえるとか、測定する項目とか)があるので一概には言えないのが現実です。

これからもっとたくさん研究が進んだり、その研究通り泳いだ選手が記録を出した時に結論を出しましょう。

 

それでも、最大泳速度を追い求めないロングスイマーや健康スイマーにとって2ビートはエネルギー消費を抑えた良い戦略になるかもしれないということです。

*最近は1500mのレースでも結構キックが入っている選手がいるので、強いキックは最後のギアチェンジ、地力に必要です。

しっかりトレーニングを積んでください。

2ビートで合わせたい手足のタイミング

クロールの2ビートで合わせたいキックとストロークのタイミングは2か所で取ります。

1つは手が前にエントリー(水の上から戻ってきた手を前の水に入れる)した時に反対側の脚のキックが入ることです。

右手が前にエントリーする時に左脚のキックが入り、左手がエントリーした時に右脚のキックが入ります。

この2か所が合うだけでも2ビートのタイミングは結構分かってきます。

ちなみに、対角の手足を合わせるこの方法は一軸でクロールを泳ぐ場合を想定しています。

二軸で泳ぐ場合の2ビートは右手のエントリー時に右脚のキックを入れます。

どちらでもやりやすい方を選んで練習してみてください。

今回は一軸を想定して書いています。

 

キックとストロークのタイミングを合わせるもう一つの地点は、手で水を押す動作の時です。

ストロークの中盤あたりで水を後ろへ押す動作です。

このタイミングでキックを打ちます。

右手で水を押す時には、左脚のキックを打ちます。

左手で

水を押す時には、左脚のキックを打ちます。

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、このタイミングは手のエントリーとその対側のキックのタイミングに対応しています。

右手のエントリーが主役だとしたら、裏方では左手が水を押しています。

そしてどちらも同じキック(左脚)とタイミングを合わせます。

 

どちらのタイミングも意識してしまうと、泳ぎに迷いが生じてしまいうので、エントリーで合わせるか、水を押すタイミングで合わせるかは好きな方でOKです。

ちなみに、水を押すのとキックを合わせるというのはバタフライに何となく似ているので、もしかするとバタフライが得意な人はそちらの方が合わせやすいかもしれません。

 

または、泳ぐときによって意識の向け方を切り替えながら練習することも効果的です。

意識を向ける方を変えると全然できなかったり、タイミングが合っているつもりだったのに実はそうでもなかったといった発見があります。

いつまで伸びているか?ピッチは?

タイミングに関して付け加えておきます。

それは泳ぎのテンポやピッチに関わることです。

・どのタイミングで次のストロークを始めるか?

・いつまで伸びてグライドしているか?

 

個人さが有るので、何秒とか、どんなリズムかを明確に言うことはできません。

1つ言えることは、キックとストロークで生んだ推進力が消え、前に進む勢いがなくなり、体が沈みそうになってから次のストロークを初めていては遅いということです。

もう少し泳ぎのテンポを上げないと逆に効率が悪くなります。

自分で練習する中で試行錯誤し、最も楽なテンポを見極めてもらえたらなと思います。

泳いだタイムと疲労感、心拍数、泳いでいる時の気持ちよさ、スイスイ進むのか沈んでいるのかという感覚などを手掛かりに練習してみてください。

次回は今回の続き「2ビートの姿勢」について書いていきます。

 

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<参考>1.Effect of leg kick on active drag in front-crawl swimming: Comparison of whole stroke and arms-only stroke during front-crawl and the streamlined position. j biomech.2018.05.027.Kenzo Narita, Motomu Nakashima, Hideki Takagi

 

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