【海馬と扁桃体】好きこそものの上手なれは本当

久しぶりに脳のお話をしようと思います。

これも水泳が上手になるために大切なお話です。

 

「好きこそものの上手なれ」

昔からよく聞く言葉ですが、実はこれ、脳科学的にも真実らしいのです。

運動のみならず、新しく学んだことを記憶と定着させるために働く海馬という脳の部位。

 

この海馬がしっかりと機能するとき、それは良くも悪くも感情が昂ったとき、つまりは扁桃体が働いたときだそうです。

 

いかに運動学習を早くできるか、それは水泳が上達するための大きなヒントになります。

学習を支える海馬

まずは海馬について。

海馬は大脳辺縁系の一部で記憶や学習能力に関わる器官で、左右に1つずつあります。

 

勉強したり、運動を習ったり、新しいことを記憶させ、定着させるにはこの海馬が働く必要があります。

海馬が損傷したり萎縮すると、記憶することや想起することに支障が出ます。

勘違いしたくないのは、海馬に記憶が蓄積しているわけではないということ。

海馬は脳の別の部位とのネットワークを形成して、記憶の定着に寄与しています。

 

海馬を経由することで、その物事の記憶が強固になっていく。

そんなイメージ。

 

運動と脳の関係についてピンとこない方もいらっしゃると思いますが、全身の筋肉を動かす神経を制御しているのは脳です。

上手な動きは、脳にその運動プログラムが定着する必要があります。

そしてその定着に深く関係しているのが海馬。

 

海馬が覚醒し、働けば脳に定着が進みます。

逆に、いくら練習や勉強をしても海馬が覚醒せず、働かないまま繰り返していても脳に定着しません。

 

海馬のこの性質によって、自分にとって必要な情報とそうでない情報を取捨選択しています。

覚えたい、体得したいことがあるならば、いかに海馬を覚醒させるかが大切。

海馬をよく使った物事は得意になりやすく、通さなかった物事は苦手になりやすいです。

 


【コラム:子どもの海馬の発達】

他の身体器官と同じで、海馬はもともと成熟しているわけではありません。

年齢と共に、様々な経験を積み、何度も使われることで成熟していきます。

幼少期は海馬はアルファベットのIのような形をしており、成熟が進むにつれZのような形になっていきます。

これを海馬回旋といいます。


 

情動をつかさどる扁桃体

じゃあ、どうやったら海馬が働くか。

 

海馬のすぐ隣には扁桃体という器官があります。

扁桃体も左右に1つずつあります。

扁桃体は情動に深く関係している部分です。

 

喜びや楽しさと言ったポジティブな感情はもちろんのこと、

恐怖や不快感と言ったネガティブな情動にも関係しています。

 

強い恐怖を感じて、心臓がドキドキしたり、ひどい場合にはパニックを起こしてしまうのも扁桃体の働きが関係しています。

 

扁桃体が海馬の隣にある。

これが非常に大切で、この2つの器官は密接に関係しています。

扁桃体の働きが活発になると海馬の働きもよくなりやすいです。

 

ボーッと聞いている学校の授業って全然頭に入らないですよね。

一方、好きなアニメや映画を見ていると、1回聞いただけで名シーンのセリフを覚えてしまうことだってあります。

他にも、学生時代の部活で監督に思いっきり怒られた記憶が鮮明で、思い出すだけで心臓がバクバクするって人もいるかもしれません。

 

情動と記憶。

この2つをうまく使うことが記憶、しいては運動学習に必要です。

扁桃体と海馬の連携。楽しいことが重要になる

運動学習を進める上で、海馬を働かせたい。

海馬を働かせるには扁桃体を働かせたい。

 

つまりは、「楽しい!」と思うポジティブな感情で取り組めることが大切。

まさに好きこそものの上手なれ。

 

水泳も、義務感ばかりになると途端に楽しくなくなります。

やらされている状態の人がなかなか上手にならないのも、扁桃体や海馬がOFFになっているからかもしれません。

自発的に楽しさを見出さないといけません。

 

言われたからやるのも良いかもしれませんが、

 

こうじゃないかな ああじゃないかな

 

自分で考え、主体的にできるようにすることで楽しくなってきます。

子どもに関してはそれはなかなか難しいので、大人による環境作りが重要になります。

 

まずは楽しくできるようにすること。

遊び感覚、雰囲気、褒める、怒らない、考えさせる、そういった機会を作ることで変わってくると思います。

 

大人でも、コミュニティを変えるだけで感情がポジティブになると思います。

嫌な記憶も覚えちゃう

扁桃体と海馬ですが、先述したように、嫌な記憶の定着にも関係しています。

怒られたとか、恐怖体験をしたとか、感情が大きく揺さぶられるトラウマ的な記憶。

 

スポーツって本来は遊びが由来。

楽しくてなんぼのもんです。

楽しくなるためにはある程度の試練や辛さは必要な時がありますが、

それとは関係ない、罰や恫喝などの恐怖体験で、嫌な記憶を定着させてしまい、「もうそのスポーツ嫌だ」って思ってしまうと最悪ですね。

他にも周りに嫌な人がいるとか。

 

楽しめるように環境変えよう。

 

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