大胸筋の解剖学的解説とトレーニング方法

この記事では筋トレをする人が理想の大胸筋を手に入れるための、大胸筋の解剖学とトレーニング方法、コツを解説します!大胸筋は下部と上部に分けることのできる大きな筋肉で、押す動作に特に関係しています。大きな筋肉ですがトレーニングの際は肩甲骨のポジションなどに気を付けないと効果的に鍛えることができません。大胸筋を知って、トレーニングのコツも知って今日からばっちりジムで追い込めます!

 

大胸筋を鍛えて分厚い胸板を手に入れる

誰もが憧れる分厚い胸板、それを作るのは鍛え上げられた大胸筋です。たくましい男の象徴とも言うべき大胸筋。Tシャツがはちきれんばかりの分厚い大胸筋。大胸筋は男子の胸板にはもちろん、女子の場合も大胸筋は胸を下から押し上げてくれるのでバストアップに大貢献。男子も女子も大胸筋を鍛えれば服の上からでもセクシーに…なるんだろうか。

 

Yusan
どうですか?大胸筋、鍛えたくなってきません?????笑 

しょしんしゃ
 鍛えたいっす….。

 

 

大胸筋とはどんな筋肉か解剖学的に解説

大胸筋のトレーニングをする際に、まずおさえるべきことは大胸筋がどのように着いているか・どんな役割があるかといった解剖学的な基礎知識です。解剖学的な基礎知識は大胸筋だけでなく、どの筋肉を鍛える時にも重要になります。こういった知識があることで、トレーニングの時に部位を意識することができ、“動きをマネるだけのトレーニング”とは効果がまるで違ってきます。

 

 

大胸筋は起始部の違いから2つの部位に分けることができます。水色で囲った範囲が大胸筋上部黒で囲った範囲が大胸筋下部になります。

 

 

 

 

大胸筋は上部と下部とで起始部は異なるものの停止部は同じで、どちらも上腕(上腕骨大結節稜)に付着しています。上部は鎖骨から始まって上腕骨についており、下部は胸骨と肋骨から始まって上腕骨に付着しています。見ての通り肩関節をまたいで付着している筋肉なので、肩の動作を生む筋肉という事が分かります。

 

 

 

 

大胸筋の役割

肩関節水平屈曲…横に広げた腕を体の方に寄せてくる動き

肩関節内旋…上腕を内側にひねるような動き

肩関節外転(大胸筋上部)…腕を横から上げるような動き

肩関節内転…外転の反対

肩関節屈曲(大胸筋上部)…腕を前から上げるような動き

肩関節伸展(大胸筋下部)…上げた腕を前から降ろすような動き

 

肩関節の動作の詳しい説明はこちら

 

 

専門用語が並んでしまって分かりにくいと思いますが、簡単に言うと腕の上げ下げ、前後の動きにかかわる筋肉です。ものを体の前や下に押したり、上げたりといった動作で大胸筋が使われます。特に「押す」という動作で強い力が発揮されます。

 

 

腕立て伏せやベンチプレス、ディップスというエクササイズではもちろん、他にも投球動作やテニスのサーブでも大胸筋は使われます。

 

 

大胸筋を構成する筋線維の遅筋と速筋の比率は、速筋線維(TypeⅡ線維)が60%です。速筋線維の比率が高いので中~高重量・爆発的動作でのトレーニングが最も適していると考えられます。

大胸筋をトレーニングするときのコツ・ポイント

ウェイトは骨格で受け止める

1つ目はウェイトを骨格で受けるということです。これは大胸筋以外のトレーニングでも言えることで、これができていないとケガにつながることがありますし、扱える重量にも関わってきます。私たちの身体はそれぞれの骨と骨を靭帯と筋肉がつなぎ止め、つなぎ目は関節となっています。そして筋肉が収縮したり伸展したりすることで関節が動き、身体の動作が生まれます。トレーニング中には負荷が骨に乗っかるようにする必要があります。

 

 

例えばベンチプレスをする場合、バーベルと肘が一直線で地面に対して垂直になる必要があります。そうすることでバーベルの負荷が前腕の骨(尺骨・橈骨)に乗り、肘・肩関節に過度の負担がかからず安全にトレーニングができます。下の図の右2つの例だと負荷を骨格で受けていないので関節を痛める危険があります。

 

肩甲骨を軽く寄せて下げる

大胸筋のトレーニングで大切なことの1つに肩甲骨の使い方があります。肩甲骨を寄せることで胸郭が広がり、きれいなブリッジが組め、しっかり大胸筋が使えるようになります。しかし、肩甲骨もただ寄せれば良いというわけではなく、寄せ方にもコツがあります。

 

  • 中心に寄せるだけでなく、下げる。肩甲骨の内転だけでなく、下制をします。寄せて下げる!
  • 100%完全に寄せてしまうと、今度は収縮がしにくいので少し余裕は持たせておく。

 

このあたりに注意して肩甲骨を寄せてみてください。

 

 

基本的には挙上するときに息を吐いて降ろすときに吸う

筋トレの際にも、もちろん呼吸はします。基本的には力を発揮するときに吐きます。大胸筋のトレーニングであれば、押す時や寄せる時に吐いて降ろすときや伸ばすとき(伸張性局面)に吸います。重量が重くなってくるとどうしても呼吸を止めてしまいがちです。高重量を扱う際に意図的に呼吸を止めるバルサルバ法というのがありますが、これはきちんとやり方を分かっている人が行うべきものなので、無意識に止めてしまうのとはまた別です。

 

フォームを維持できる範囲の重量を扱う

最後は負荷設定の話です。大胸筋のトレーニングには中~高重量が効果的と言いましたが、それは自分がフォームを維持できる範囲での中~高重量です。「フォームが崩れてでもいいから5回できる重量」ではなく、「正確なフォーム・意識で5回できる限界の重量」に設定します。

 

Yusan
まずは決めた回数やセットを正しいフォームで完遂することを考えよう!

 

 

フォームを維持できない無理な重量にするデメリットは2つです。

 

  • ケガのリスクが高い
  • 結局ターゲットにする筋肉に効いていない

 

 

安全かつ効果的にトレーニングをしてもらいたいので、無茶はしないでください。自分がコントロールできる重量を少しずつ伸ばしていってください。コントロールするというのは、ターゲットにする筋肉にしっかり負荷をかける、そして動作中は負荷を逃がさないということです。そして、その重量を少しずつ伸ばす。これが基本です。

 

 

特にベンチプレスは見栄を張りたい人が多いので…。

 

大胸筋をつける基本の筋トレ種目

大胸筋の解剖学的な特徴とトレーニングのポイントをおさえたところで、次は具体的な種目を紹介します。この記事では代表的な種目を紹介しますが、「絶対この種目じゃないとダメ!」とか「この種目が1番効果的!」というのはありません。人それぞれ自分に合った種目や特異な種目好きな種目があります。まずは自分がやりたい種目・できる種目を続けてもらえればと思います。

 

 

この章では大胸筋をつけるための最もオーソドックスな基本種目をいくつか紹介します。文章と静止画で解説するのは僕の文章力では限界があるので、とても分かりやすく解説してくれている動画をシェアしておきます。

 

重量を扱いやすいベンチプレス

「大胸筋=ベンチプレス」、「胸の日=ベンチプレス」、「筋トレと言えばベンチプレス」…そんな人も多いでしょう。ご存知ベンチプレスです。ベンチプレスは大胸筋だけでなく協働筋として三角筋前部と上腕三頭筋も動員されるコンパウンド種目(*)で、高重量を扱いやすい種目としても有名です。そんなベンチプレスですが、意外と正しいフォームができていない人が多い気がします。重量を扱いやすい分ケガのリスクもあるので正しい方法をしっかりおさえておきましょう。

 

*コンパウンド種目とは複数の関節の動きが伴う種目

ベンチプレスをするときは基本的に5ポイントコンタクトを守ってください。5ポイントコンタクトとは後頭部・肩・臀部・左右の脚をベンチor地面に接地させておくことです。目的に応じて脚上げ・尻上げのベンチプレスを行う場合もありますが、それらはまず基本のベンチプレスを習得してからで大丈夫です。

 

動きの自由度が高いダンベルベンチプレス

ダンベルベンチプレスはベンチプレス同様にベンチに寝て上に押すコンパウンド種目という点では同じですが、左右の手にそれぞれダンベルを持つので関節可動域を広く取れるので動きの自由度が高いです。バーベルでのベンチプレスよりは扱える重量は少し下がりますが、とても効果的なトレーニングです。使われる筋肉は基本的にベンチプレスと同じです。

ダンベルプレスでもベンチプレスと同様に5ポイントコンタクト、ブリッジをきれいに組むことが大切になってきます。

 

大胸筋のストレッチ種目ダンベルフライ

ダンベルフライは代表的な大胸筋のストレッチ種目で、ベンチプレスなどのプレス系種目とはまた違った刺激を得ることができます。広い可動域を使ってしっかり大胸筋をストレッチすることができます。トップポジションで収縮させる感覚をつかむのは少し難易度が高いですが、マスターすればより効果的なダンベルフライができるようになります。

腕を閉じるというより、胸を寄せるというのがダンベルフライのポイントになります

 

また、ダンベルフライはダンベルの軌道が円運動になるので、伸張局面ではしっかり負荷が乗っているのに、収縮局面のトップポジションでは負荷が抜ける・弱いという場合があります。その場合は通常より若干肘を深く曲げて円運動より、ややプレス気味にすると意識がしやすいです。もしくは収縮の最後に大胸筋を絞り込むような意識を持って、小指から腕を少し内側へ捻るというのもありです。

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自宅や自重でもできる大胸筋種目プッシュアップ(腕立て伏せ)

自重で大胸筋を鍛える代表種目と言えばプッシュアップ(腕立て伏せ)ですね。とても有名なトレーニングですが、これも意外とフォームがいまいちの人が多い印象です。しっかり効かせれば本当に優秀な種目だと思うのでぜひ体得してみてください。トレーニングを始めたての人だと、自重のプッシュアップでも結構キツいと思います。最初はすぐに潰れたり、膝立ちからで構わないので頑張りましょう。

https://www.nsca-japan.or.jp/12_database/exercise/body_weight/pushup.html

 

理想の胸板を手に入れるための部位別大胸筋トレーニング種目

ここまで大胸筋を鍛える種目をいくつか紹介しましたが、序盤で紹介したように大胸筋には上部と下部という分類があります。大胸筋上部はちょうどデコルテと言われるあたりで、しっかりと発達していると服の上からでもボリュームのある胸板が演出されます。一方、トレーニング用語で使われる「下部」と解剖学的「下部」では少しニュアンスが違いますが、大胸筋下部は筋肉の凹凸をしっかり出すうえで役立ちます。

大胸筋上部にはインクライン種目が効果的

大胸筋上部に効かせるには、インクラインベンチでのベンチプレスやダンベルベンチプレス、フライなどが効果的です。インクラインベンチの角度は何段階かに変えることができます。あまりに角度が急すぎて体を起こしすぎてしまうと大胸筋より肩の三角筋に刺激が入りやすくなります。何度にしなければいけないというのはないので、自分の中で一番効くという角度を見つけてみてください。だいたい30~45度くらいが目安です。

大胸筋下部にはデクライン種目やディップスが効果的

ここでいう「下部」とは大胸筋下部の中でも特にこっち↓です。トレーニングをすると大胸筋の下のラインをきれいに出すのに役立つと言われています。

 

 

 

大胸筋下部に効かせるにはインクラインとは逆でデクラインに角度をつけてベンチプレスを行うと良いです。これもだいたい30度くらいの傾斜で行います。デクラインにできるベンチがあればいいですが、なければベンチに足をついてお尻を上げることで角度をつけることができます。

 

 

もしくは自重のディップスというトレーニングが効果的です。大胸筋下部の種目ですが、全体的にしっかりと刺激の入る種目なのでとてもおすすめです。ディッピングベルトがあればプレートを付けて加重でも行える種目です。

 

まとめ

大胸筋の解説とトレーニング方法について紹介してきました。大胸筋を鍛える人、鍛えたい人は多いですが安全かつ効果的にトレーニングできていない人も多いです。今は大丈夫でもいつかケガをしたり、効果が出ない…なんてことにならないためにも正しい知識を身に付けてもらいたいです。基本ができたら、その範囲で自分に合った方法やフォームを見つけていってもらえればと思います。

 

今回紹介した動画などはこちらのNSCAジャパンの資料集からの引用です。

さまざまな基本エクササイズについて学べます。

https://www.nsca-japan.or.jp/12_database/exercise/resistance.html

 

 

 

他にもトレーニング理論や解剖学的解説など様々な情報を配信しています。

 

 

Yusan
記事に関して何かご質問がある場合はこちらまで。 

 

 

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